東郷青児 「ギリシャの女」

東郷青児 「ギリシャの女」

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本日は、「なんぼや」骨董買取にお譲りいただいたお品物から、東郷青児作の「ギリシャの女」についてご紹介いたします。

買取商品名 ギリシャの女 原画 F1号
作者 東郷青児

ギリシャの女について

特徴的な人物フォルムにインパクトあるアイライン。醸し出す憂い、悲哀、安堵。女性の妖艶さを表現し、時代の寵児となった画家、東郷青児。
見る者の脳裏に焼きつく、特徴的な描写の陰には画家自身の壮絶な人生がありました。

作品名「ギリシャの女」

ジッとこちらを見つめる女性の背後には、ギリシャ特有の建物の数々。シャープな輪郭を持つ女性と、風景にある幾何学的な建物とのコントラストにより、アンニュイさを強く感じる絶妙な作品です。
作品構図に加え、作品の魅力を最大限に引き出すために画家がこだわったものは画材でした。
使用するキャンバスの地塗りにジンクホワイトを採用。それを光沢が出るまで塗り上げ、その後はほこりを徹底的に排除しながら1年間寝かすことで、こだわりのキャンバスを準備しました。こういったマチエール(画材による美術効果)により、普通の色味にはない、きらめきのある色味を表現し、女性をより美しく、ミステリアスに表現しています。
見るものすべてを虜にする東郷青児作品。全盛期は、多くのキャバレーなどの社交場に飾られ、「大衆芸術の象徴」とまで称された彼の作品。しかし、それまでには「表現の模索と妥協」といった彼の苦悩する日々がありました。

東郷青児氏について

東郷青児の画家デビューは1916年。音楽をはじめとしたさまざまな芸術から感性を学んだ彼は、前衛画家として脚光を浴びます。そして間もなく、芸術の本場フランス・パリへ武者修行に出て行きます。
ダダイズム・キュビズムなどといった前衛芸術の数々を学び、帰国。帰国後、彼は東洋と西洋の文化の違い、自身が求める芸術と必要とされる現実の差異、そして借金というさまざまな壁に突き当たり、当時の恋人と共に心中未遂をはかります。

「僕はすわり心地の悪い理論の椅子を古道具屋に売り払ってしまった」

一つのターニングポイントを迎えた彼は一点、現実を直視しようと努め、買い手のつきやすい小さな作品を描きます。
再生の道として選んだ道は、それまでの理論や理想を取り除いた、鑑賞者側に立った作品制作でした。多くの人に好まれる、一目で美しい作品。そこで確立した作風の一つが彼の代名詞となる美人画でした。マチエールを駆使した、彼の美人画は瞬く間に世間に受け入れられ、数多く描かれました。

まとめ

「なんぼや」では、そんな東郷青児の作品を多数鑑定しております。油彩、デッサン、シルクスクリーンなど、サイズや作風から描かれた年代を割り出し、データも駆使しながらしっかり鑑定させていただきます。
また、あなたの作品への思いも、査定へ上乗せさせていただきます。
「もしかして、これは東郷青児?」、「状態が悪いのだけど・・・」。思い立ったが吉日です。鑑定だけでも大歓迎。東郷青児 作品なら、お近くの「なんぼや」へぜひご相談ください。

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