掛軸 伊藤小坡 「陽春」

掛軸 伊藤小坡 「陽春」

「なんぼや」ブログをご覧いただきまして、ありがとうございます。
今回は「なんぼや」骨董買取で買い取りさせていただきました、伊藤小坡「陽春」をご紹介いたします。

買取商品名 掛軸 伊藤小坡 「陽春」
作者 伊藤 小坡(いとう しょうは)

伊藤小坡について

最近では絵画や掛け軸を楽しまれる方も減ってしまい、ご存知でない方もいらっしゃるかと思いますので、まずは今回の作品を描いた人「伊藤小坡」について…。
名前の字面を見てしまうと意外に思われる方も多いかと思いますが、この方、女性です。
大正~昭和にかけて活躍した女流画家で、ほぼ同じ時期に活動していた女流画家には、かの「上村松園(うえむらしょうえん)」もいます。

小坡は美人画を得意とし、大正期は日常的な当時の風俗に題を取った作風から、昭和に入ってからは歴史物語や故事に題を取った作風へと変化していきます。
大正期の作風は妻、母としての細やかな視点、昭和期の作風は神社の宮司の娘としての教養と研鑽の賜物でしょうか。
どの作品も彼女にしか描き得ない、実に小坡らしい作品が多数残っており、各地の美術館で私たちを楽しませてくれます。

作品について

伊藤小坡 陽春
今回買い取りさせていただきました「陽春」ですが、おそらくは大正期の作でしょうか。
娘さんの顔と桜の花の白、着物に配された赤・青・黄の対比が非常に鮮やかです。
凛とした表情の美人画もいいですが、「陽春」のタイトル通り、柔らかい温かみのある表情の美人画も可愛いですね。

査定について

以上のように、近代の日本画、特に美人画のなかで非常に著名な作家である点と、モチーフも主張が激しすぎず、見る人を選ばない点が高評価につながり、精一杯頑張らせていただきました。
また美人画では、顔の胡粉(白の絵具)の状態が非常に重要になります。
真っ白なので、シミや汚れ、剝落(はくらく)が目立ってしまい、ほんのわずかな瑕疵(かし ※キズのこと)でも評価を大きく下げてしまいます。同じ程度のシミ・汚れでも、顔にあるか、着物にあるかの違いで、査定額にウン万円以上の差までついてしまうことがあります。まさに「顔は女の命」ですね。
今回のお品物は顔にもそのほかの部分にも瑕疵のない、非常に状態のいいお品物だったことも高額買取につながっています。

最後に

今回は出張での買取でしたが、「なんぼや」では店頭でも、ご郵送でもお品物を受け付けております。ご自宅にあるけれど、もう飾らなくなってしまった絵画、ご家族から引きつがれたものの価値もわからず持て余してしまっている掛け軸など、なんとかしたいとお思いの方、ぜひご依頼ください。
お品物の来歴や価値をひもとき、精一杯努力して買い取らせていただきます。

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