大樋焼 長左衛門|350年受け継がれてきた伝統の技

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大樋長左衛門の大樋焼は楽焼の一種で、350年の歴史があります。大樋長左衛門の黒茶碗や茶入、香合などを求める愛好家は多く、高額買取の対象です。今回は、数多くの名陶を世に送り出した大樋長左衛門をご紹介します。

加賀百万石に抱えられた名匠

大樋焼の祖である初代大樋長左衛門(1631~1712)は、楽焼一門樂楽家四代一入の門下です。一入から楽焼の技術を学んだ長左衛門が飴釉の技法に目を付け、加賀国大樋村で窯を築いたのがその興りとされます。

1666年、加賀藩主の前田綱紀は、茶の文化を根付かせようと裏千家四世仙叟(せんそう)宗室(千家三代千宗旦の四男)を招聘(しょうへい)、これに同道していたのが長左衛門です。この縁もあって長左衛門は加賀藩御用達の職人となり、藩に献上するための陶器作りに励みました。飴釉を用いた焼き物を大樋村ではじめたことから、その技法は「大樋焼」と呼ばれるようになりました。

長左衛門が大樋焼をはじめて350年、その技術は連綿と受け継がれ、現在の当主は十一代目を数えるに至っています。

歴代一、二を争うと評された九代大樋長左衛門

近代以降もすぐれた職人を輩出した大樋家。九代目長左衛門(長次郎・1901~1986)はその代表格として知られます。

八代長左衛門(宗春)の長男として生まれ、1934年に窯元を継ぎ九代目を襲名。伝統技術の研さんや古来技法の研究を積み重ね、その腕前は「中興の祖」と称された五代目に匹敵するとまでいわれました。海外の古窯跡の研究にも余念がなく、釉薬の改良に貢献するなど研究分野でも功績があります。裏千家十五代鵬雲斎宗室より「陶土斎」の号を授かり、長年にわたる活躍と功績がたたえられました。

日本陶芸の重鎮として活躍・十代大樋長左衛門

十代目長左衛門(1927~)の作品も買取市場で数多く流通しています。九代目長次郎の長男として誕生。1949年に東京美術学校(現・東京藝術大学)工芸科を卒業すると、さっそく日展に出した作品が入選を果たしました。その後も受賞歴を積み重ね、名門の出にふさわしい才能と実力に注目が集まります。1967年、39歳という史上最年少の若さで日展審査員を務めたことも話題となりました。

父の没後、1987年に十代目長左衛門を襲名。石川県陶磁協会会長や日本陶磁協会理事といった重職もこなし、2004年には文化功労者、2011年には文化勲章を受章。2016年に長男・年雄に名跡を譲り、現在は「大樋陶冶斎」名義で活動しています。

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初代から十代まで、大樋長左衛門の作品は買取市場に流通し、高値で取引されるケースもあります。買取専門店「なんぼや」では、これまで多くの陶器を高額買取してきました。査定は買取件数の多い当店にお任せください。

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