澁澤卿の日本画|僧侶の目線で日本の美を追究した国際派の画家

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澁澤卿(しぶさわけい/1951~2012)は日本の美しい風景画を得意とした日本画家です。僧侶出身ということもあり、荘厳な境内に彩る四季の風景画も手がけています。国内展覧会のみならず、スイスやロシア、中国などで自作を紹介するなど、積極的に海外展開する国際性も際立ちました。そんな澁澤卿の作品は個性的で多くの人を魅了します。

東京藝大で美術専攻、デザイナーをしながら画家活動

澁澤卿は戦後生まれ、群馬県佐波郡境町(現伊勢崎市)出身の日本画家です。デザイナー、日蓮宗の僧侶、大学教授などとして、多方面で活躍しました。その異色の経歴が、独自の世界観を築き、作風にも影響を及ぼしています。
1967年に都立目黒高校を卒業後、東京藝術大学工芸科に入学。これは大伯父の和田三造の勧めによるものでした。同大学のデザイン科助手で、画家でもある大藪雅孝のもとでデッサンを学びます。元利夫や宮廻正明も大藪の生徒でともに学びました。1974年に東京藝大を卒業すると、日本橋高島屋宣伝部に就職。デザイナーという肩書でした。
高島屋で勤務をはじめた年に銀座画廊で初めて個展を開催。デザイナーと画家二足のワラジをこなす作家生活でした。

一時期出家するも画家に戻り、国内外で創作活動

1977年、出家得度して日蓮宗僧侶となります。1981年まで創作活動を中断し、僧侶の修行に専念。もともと人物画中心でしたが、再開後は風景を写生する画も発表するようになります。
1982年、母校である東京藝術大学の非常勤講師に就任。意欲的に作品を発表し、描くのは心が癒やされるような具象的な絵画が中心でした。
1989年には、スイス西部で開催される世界最大規模のアートフェスティバル「アート・バーゼル」に出品。澁澤卿の海外志向はその後も高まり、1995年には香港生まれの日本画家・中路融人らとともに中国政府に招かれ上海を訪問。さらに、2008年に開催されたモスクワ・ワールド・ファイン・アートフェアにも出品を果たし、グローバルでチャレンジングな活動を展開しました。
海外のアートフェアに出品する一方で、浄土宗大本山増上寺会館大広間格の天上画を手がけたり、東京美術倶楽部や全国の百貨店で展覧会を開催したりするなど、国内に向けた創作も旺盛でした。2012年に63歳の若さで没するも、僧侶の目線で描いた繊細な日本の風景画は今を生きる私たちの心にも訴えかけるものがあります。

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澁澤卿は記憶に新しい現代作家ですが、優しくなじみやすい風景画を愛する絵画ファンは大勢存在します。「なんぼや」では、澁澤卿のような人気作家や画壇の大家が手がけた日本画の買取に力を入れています。お売りできる作品がございましたら、お気軽に当店までお持ちください。

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