吉賀將夫の工芸品|芸術的な萩焼の名品を数多く手がける
萩焼の名手・吉賀將夫(よしか はたお)。主に昭和から平成にかけて活躍し、数々の名作を世に送り出しました。彼が手がける伝統的な萩焼の作品は、骨董品市場において高額買取され、海外にも買い手が存在するほどです。
吉賀將夫の作品がいかにすぐれているかは、積み重ねた功績からわかります。今回は、萩が生んだ偉大な陶工の実績を中心に、その足跡をたどります。
輝かしい受賞歴が物語る名工の腕前
吉賀將夫(1943~)は山口県萩市出身の陶工です。日本を代表する萩焼の名工としても知られます。父は萩焼の大家で知られる吉賀大眉。幼い頃から萩焼に囲まれた環境が、將夫少年を陶芸家の道へ導きました。
東京芸術大学美術学部工芸科に入学してから創作をはじめ、陶芸の基礎もここで学びます。1969年に大学院陶芸専攻を修了。翌々年から個展を開くなど、意欲的な活動がみられました。
1975年の改組第7回日展、初出品した作品が入選。その実力が高く評価されました。1979年には日本現代工芸美術展会員賞、1983年日展特選、NHK会長賞、1996年日展文部大臣賞、2000年には「萩釉広口陶壺-曜99海」で日本芸術賞を受賞します。数々の栄誉ある賞に輝きました。
1976年より山口大学教育学部助教授に就任し、教育者としても活躍。2006年には山口大学名誉教授に就任しています。
伝統の技法をベースに。モダンな作品も発表
出展作品はことごとく受賞を射止め、積極的に個展も開催するなど、旺盛な創作活動ですぐれた作品を発表し続ける吉賀將夫。多くの人々を魅了してやまない作品の魅力はなんでしょうか。
まず、萩焼の伝統技法を踏襲した、丁寧な作品づくりが挙げられます。井戸手や粉引手などの茶碗は、まさに伝統的な日本美の極致とも言える逸品。格調高く優雅なデザインに目を奪われます。
吉賀將夫の本領は伝統な作品にとどまらず、モダンテイストを取り入れる度量の大きさです。伝統を重んじながらも、現代的な感覚を研ぎ澄まし、新作の発表にチャレンジし続ける野心的な精神も評価されています。「波光幻想」「萩灰被水指」「萩茶碗」などの代表作品がその証です。
工芸品の査定は買取専門店「なんぼや」で承ります
吉賀將夫の萩焼は一級品との声が高く、焼き物などの美術品・骨董品コレクターの間で大変な人気を誇ります。買取専門店「なんぼや」でも、当該作家の作品をはじめ、多くの工芸品を査定・買取した実績があります。ご自宅にしまわれているお品に思わぬ値が付くかもしれません。査定をお願いしたいときは、遠慮なくご相談ください。