島岡達三の工芸品|人間国宝の名人が描くコントラストの美

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「縄文象嵌」で陶芸の道を極めた島岡達三(しまおかたつぞう)。人間国宝をはじめとする輝かしい受賞歴を持ち、アメリカやオーストラリアでも個展を開いた経歴があり、彼の工芸品を愛する陶芸ファンは世界各地に存在します。今回は、日本を代表する陶芸家島岡達三をご紹介します。

日本民藝館で民芸に触れ、陶芸家を志す

島岡達三(1919~2007)は、東京生まれの陶芸家です。1996年には「民芸陶器(縄文象嵌)」の分野で人間国宝に認定されるなど、数々の栄誉ある賞に輝いています。

父は組紐師の島岡米吉。この環境が幼い達三少年に芸術家としての感性を磨きます。しかし本格的に工芸の分野に目覚めたきっかけは、府立高等学校在学中に訪れた日本民藝館での体験です。すぐれた民芸品に触れて陶芸家を目指そうと決心したのでした。

東京工業大学窯業学科を卒業後、浜田庄司に師事。途中大戦の勃発で修行も中断を余儀なくされますが、戦後にまた師匠の下に舞い戻り下積み生活のなかで地道に経験を積んでいきます。栃木県益子で自らの窯を持ったのは、1954年のこと。「独創性豊かな創作にチャレンジする」という目標を胸に、陶芸家としての第一歩を踏み出したのでした。

長年研究に取り組んだ縄文象眼で人間国宝に

独立後、個展を開きながら創作スタイルの確立を目指した島岡達三。東京のいずみ工藝店や東京丸ビルの中央公論社画廊、大阪梅田の阪急といった場所で個展を開いては評判を獲得していきました。京都国立近代美術館主催の陶芸展では、ヨーロッパと日本の部門で出品し、海外にまでその名が届くことになります。

個展活動のなかで地道に取り組んだのが、縄文象嵌の研究です。国内外での功績が認められ、栃木県文化功労賞や日本陶磁協会賞金賞を受賞すると、1996年には縄文象嵌の技法で国指定の重要無形文化財保持者、人間国宝に認定されました。島岡達三は名実ともに日本を代表する陶芸家となったのです。

縄目模様と彩色された土が美しい「縄文象嵌」

島岡達三が追求した縄文象嵌は、器物の表面に縄目の装飾を施し、色の違う土を象嵌するという、緻密で高度な技術を要する技法です。この技法を用いながら多彩な色使いを駆使して独自の作風を確立しました。縄文象嵌を用いた陶芸品には、「地釉象嵌縄文茶碗」「窯変象嵌縄文壺」「灰被縄文象嵌壺」などがあります。

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