輪島塗職人・三谷吾一|伝統のなかに新しさがある工芸品の魅力

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三谷吾一(みたに ごいち)は、輪島塗の伝統工芸品を数多く手がけた現代の作家です。絵画的で色彩豊かなデザインに定評があり、同氏の作品は骨董品や美術品の愛好家たちの間で支持されています。今回は、輪島塗の巨匠・三谷吾一についてご紹介します。

独自の世界観を築いて多くの名品を生み出す

三谷吾一(1919~2017)は、石川県輪島市出身の漆工芸職人です。主に昭和から平成にかけて活躍しました。

幼い頃より漆塗職人を目指し、14歳のときに沈金師の蕨舞洲に師事。輪島塗の本流を学ぶと、その5年後には漆芸家・前大峰から技術を学びます。

前大峰は伝統にとらわれない独自技法を追求する新進気鋭の作家でした。異なるタイプの師からそれぞれ学んだことで、吾一の作風も個性的に。伝統とモダンを包含(ほうがん)した、味わい深さが持ち味となります。

22歳で沈金師として独立。人間国宝の師・直伝の高度な技術を駆使し、これまでにない輪島塗の作品を発表。多方面から称賛を集め、作家としての地位を築いていきます。

作家・指導者・重鎮といったさまざまな顔

三谷吾一は数々の賞を獲得した実力派の工芸作家です。独立の翌年(1942年)には「沈金漆筥」が新文展入選を果たすなど、鮮烈なデビューを飾ります。

1965年には日本現代工芸展で大賞と読売新聞社賞を受賞。1966年には「集」が日展の特選北斗賞に、1970年には「翼」が改組日展の特選北斗賞に選ばれるなど、名実ともに現代を代表する輪島塗職人となります。

1989年日展理事、1991年現代工芸美術家協会常任理事、1994年輪島塗技術保存会副会長にそれぞれ就任。さまざまな方面で活躍し、輪島塗の普及と発展に尽力しました。

沈金の技法と絵画制作に取り組んだ経験

三谷吾一は高度な沈金の技術と抜群の芸術的センスで独自のスタイルを確立しました。沈金とは、刃物で表面に文様を施し、削った部分に金や銀粉などを塗り込む輪島塗伝統の技法です。

吾一のバックボーンには、偉大な2人の師匠の元で、沈金の技術を身につけたこと。さらに画家を目指し、絵画制作に取り組んだ過去があります。その経験が、卓越した色彩感覚と造形センスをつくりあげたのではないでしょうか。また、伝統ある漆塗りに、新しい風を吹き込んだ功績にも注目です。

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