時を刻む芸術品│ロマンあふれる懐中時計の魅力

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腕時計が一般的になった現代でも、アンティークの懐中時計は人気です。こちらでは、特徴や歴史など懐中時計についての基礎知識についてご紹介します。

懐中時計とは

懐中時計は、その名のとおり懐に忍ばせる小さな時計です。腕時計が登場するまで、携帯用の時計として一般的に使用されていました。英語では「ポケットウオッチ」と呼ばれます。

通常、懐中時計は時計本体とチェーン・ひもで構成されています。携帯時は時計本体をポケットに入れ、チェーンをボタンなどにくくり付けておくのが一般的です。

懐中時計の歴史

実用的な懐中時計は17世紀にフランスやスイスで生まれたといわれています。ただし、当時の懐中時計は精度に問題があり、大まかな時間しか知ることができませんでした。このことから、当時の懐中時計には分針が備えられていなかったようです。

当時のフランスやスイスでは、懐中時計を作成できる職人がごく少数しかいなかったと記録されています。そのため、貴族だけが所持する高級品という側面が強かったようです。その後、技術の向上により生産方法が確立されると、多くの人々に安定して供給されるようになっていきました。現代まで続くいくつかの時計ブランドも、この時代に創業しています。

日本には1860年、14代将軍の徳川家重のもとにアメリカの使節団が尋ねた際、贈答品として懐中時計が初めて持ち込まれたことが記録されています。その後、1879年には、懐中時計が日本で初めて開発されました。西洋文化の流入に伴い、その後は日本でも懐中時計を生産・販売するブランドが増えていったようです。

世界中にコレクターが存在する懐中時計

懐中時計にはさまざまな意匠・装飾がほどこされています。このことから、時計としてではなく、芸術品としても人気です。特に初期に作成された懐中時計は、アンティーク品として愛されています。

ムーブメントが見えるクリアケースのタイプやエナメル彩、彫金がほどこされたものなど、デザインはさまざまです。その後、腕時計の時代にシフトしていき、現在ではスマートフォンの普及から時計自体を持たない方も少なくありません。そんな現代においても、懐中時計はロマンを感じさせるアイテムとして評価されています。

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