鈴木五郎の作風と作品|人のやらないことをやる独創的陶芸家
鈴木五郎は陶芸の確かな技術を持ち、伝統や歴史を重んじつつも「人のやらないことをやる」スタイルで、陶芸に新たな独創的世界観をもたらした人物です。オリジナル技法「五利部(ごりべ)」により製作された茶道具の数々は現代陶芸の名品ばかりです。鈴木五郎の生い立ちや作風、その作品について紹介していきます。
鈴木五郎の生い立ち
鈴木五郎は1941年に愛知県豊田市にて生を受けました。1957年、16歳のときに愛知県瀬戸市にある愛知県窯業公共職業補導所の陶磁器製造科(現・名古屋高等技術専門校窯業校)へ入所。本格的に陶芸の道を歩みだすことになります。
陶芸家として学ぶなかで作品を制作し続けて1961年に日展へ入選、さらには朝日陶芸展にて知事賞を受賞するなど、徐々にその頭角をあらわしていきます。
日展入選後も、多くの受賞や入選を続けて名声を高める一方で、海外視察なども行い見識を深めていきます。さらに陶芸家として独自の世界観を構築していきました。1975年にはアメリカのロードアイランド美術大学、1982年にはクランブルック大学院へ招かれます。鈴木五郎は国際的にも評価される陶芸家となっていきました。
2000年代にはいってからも、数々の個展を開き、精力的に活動を続けています。2001年には日本陶磁協会賞を受賞しました。
「人のやらないことをやる」のが鈴木五郎流
鈴木五郎作品の特徴は、型にはまらない独創性にあります。16歳のころから窯業公共職業補導所で学んだ伝統的な職人技を生かしながら、28歳のときにアメリカでの視察で触れた自由な陶芸に感銘を受け、アートの感性を高めていきました。
「人のやらないことをやる」と評され、固定観念を覆す多くの作品を発表してきた鈴木五郎。例えば、1995年の「織部椅子」は座れるものではない形状ですが、「肉体ではなく肉体の中に潜むものを座らせる椅子」として、独特の感性で製作されています。
伝統的な茶道具も「五利部(ごりべ)」というオリジナルの技法で製作しているのが特徴です。五利部とは五郎の「五」に千利休の「利」、古田織部の「部」を合わせた造語です。五郎は「桃山時代は一つの頂点」と語り、桃山時代の伝統を尊重し追求しつつも鈴木五郎らしい独創性を盛り込んでいます。
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鈴木五郎は伝統的な日本の陶芸技術を尊重しつつ、その独創性を大いに振るって新たな陶芸の可能性を模索してきた陶芸家です。「なんぼや」では鈴木五郎の作品はもちろん、茶道具の買取に力を入れております。知識と経験豊富な鑑定士がその価値を見いだし、適正査定を行います。お持ちの茶道具は、ぜひ「なんぼや」にお持ちくださいませ。