駒沢利斎とは|千家に認められた指物師の実力

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駒沢利斎は江戸時代を中心に活躍した千家出入りの指物師です。歴代利斎が手がけてきた棗や棚物、香合、茶杓などは高価買取されています。今回は、指物師・駒沢利斎の系譜や主な活躍についてご紹介します。

千家十職の指物師・駒沢利斎

駒沢利斎は江戸時代に興って現代まで活躍する指物師が代々後継してきた名跡です。十四代目が早世したため、現在は空位の状態が続いています。

初代宗源が延宝年間(1673―1681)に指物業をはじめたのがその興りとされます。千家との結びつきは二代目宗慶が千宗旦の指物発注を受けるようになってからで、四代目が表千家六世覚々斎に取り立てられてからいよいよ名声が高まるようになります。この四代のときに利斎を名乗りはじめ、以後当主は利斎の名跡を継承していきました。

「駒沢家中興の祖」七代利斎

江戸時代後期に活躍した七代利斎は、指物を作るかたわらで塗師としても活躍。その腕前は本職顔負けと評されるほどでした。製作活動は極めて旺盛で、八代黒田正玄や十一代飛来一閑ら他職の作家とも積極的に交流。共同製作で作品を発表するなど新しい挑戦にも果敢に取り組みました。才芸に秀でた七代利斎の活躍で家運が上向いたことから、「駒沢家中興の祖」といわれます。

江戸時代後期に隆盛を極めた駒沢家も、その後は歴代当主が短命だったこともあり低迷が続きます。十四代目を継ぐはずだった先代の嫡男が早世。代わって家督を相続した娘も短命に終わり、現在の名跡は空席のままです。しかし、十三代目の甥にあたる吉田博三氏が現在、十五代目を襲名すべく修行中。伝統工芸の継承に期待がかかっています。

駒沢利斎の指物は現代も注目の的

千家作品に深く関わり、茶道界をけん引してきた駒沢家。名人が手がける指物には独特の感性とセンスが光る名品ぞろいで、現代においても高く評価されています。

指物の製作は、桐をはじめとする良質な素材を使い、見事な造形と意匠に仕上げる木地仕上げが基本です。その道の巧が手がける棚、花入、棗、茶杓、香合などは美術品としての価値も非常に高いものとなっています。数少ない千家十職に選ばれた駒沢利斎の指物であれば、なおさら注目の的です。

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