古丹波の魅力|自然釉や「しのぎ」が生み出す美しさ

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古丹波は、丹波焼のなかでも古い時代に残された焼物。自然釉や伝統技法の「しのぎ」がもたらす美しさは、大きな魅力として広く知られています。今回は、平安時代の末頃に発祥したとされる伝統と歴史のある古丹波の特徴などについてご紹介します。

800年以上の歴史がある丹波焼

丹波焼は、平安時代末期から鎌倉時代の初め頃に発祥したといわれる焼物です。なかでも、江戸時代などにつくられた古い作品古丹波と呼ばれています。

日本六古窯に数えられる丹波焼は、850年ほどにわたる長い歴史と伝統のある陶器です。一般的に発祥の地は、現在の兵庫県篠山市今田町のあたりと伝えられています。

桃山時代までは粘土ひもを積み上げる紐づくりと呼ばれる技法で大型の壷や甕(かめ)を成形し、穴窯で焼成していました。江戸時代には蹴りろくろや釉薬が使われ、朝鮮式半地上登り窯での焼成も始まります。

かつて、当地の焼物は小野原焼と呼ばれましたが、登り窯により大量生産が可能になった時期には丹波焼の名が登場しています。

古丹波に見られる特徴

古丹波に見られる大きな特徴は、自然釉がもたらす美しい発色や「しのぎ」と呼ばれる独特の陶芸技法です。

伝統的に、丹波焼は人工的な釉薬を使わなかったことで知られます。高温で長い時間をかけて焼成した際、燃料の薪が灰となって器にかかり、溶けると自然釉になって、緑色や鳶色の美しい色合いを発色しました。

「しのぎ」は、焼物の表面を削る丹波焼の伝統技法です。器表に稜線模様を施すための手法であり、釉薬をかけるとコントラストが生まれる特徴をもっています。

しのぎはシンプルでありながら丁寧な仕上がりでデザイン性が高く、また焼物から手づくりのぬくもりも感じられるといわれ、自然釉の美しさとともに高く評価されています。

時代とともに変化する古丹波

古丹波は、日常生活に寄り添いながら、時代の変化に合わせて多くの器種を生み出してきました。

作品が穴窯で焼かれていた時代、初期の最初のうち器種の中心はお米や水の貯蔵に使われるでした。ほかにはすり鉢練り鉢が見られ、後には徳利が加わります。

江戸時代になると、さらに器種は多様化しました。特に山椒壷は、代表的な焼物といわれます。朝倉山椒壷は、将軍家に献上する朝倉山椒を入れた古丹波焼の壷として有名です。

江戸時代中期には、茶入れや水指を含めた茶器全般がつくられます。また徳利の種類は50種類以上に及びました。いずれも歴史と伝統のある古丹波の一品であり、陶器の買取では高評価を期待できます。古丹波をお持ちであれば、ぜひ一度査定を試してみてはいかがでしょうか。

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