ぐい呑みの始まりは向付|日本酒の甘みを増すなら陶器がおすすめ
ぐい呑みは、懐石の向付が起源といわれる酒器です。安土桃山時代からの長い歴史があり、さまざまな素材が使われるなか、陶器のぐい呑みには魅力的な作品が多く見られます。今回は、ぐい呑みの歴史や代表的な素材の特徴をふまえつつ、陶器のぐい呑みがもつ魅力などをご紹介します。
ぐい呑みの始まりは向付
ぐい呑みは、日本酒を楽しむときに用いられる酒器の一つ。その歴史は、安土桃山時代に始まるといわれています。
もともと、ぐい呑みは安土桃山時代の後期頃に懐石の向付として登場したと考えられています。向付は、懐石で出される一品料理や酒肴(しゅこう)を盛りつける器です。
向付が日本酒を飲むのにも使われ始めたのが、ぐい呑みの起源と見られています。お猪口に比べると器のサイズは少し大きめであり、名前については「ぐいっと呑む」に由来するとの説が一般的です。
ぐい呑みは、さまざまな酒器があるなかで少し時間をかけてお酒を飲むとき味の変化を楽しめるとの声も聞かれます。いろいろな飲み方で日本酒を味わいたいときには、欠かせない酒器の一つといえるでしょう。
ぐい呑みの素材や特徴
ぐい呑みは、素材のバリエーションが豊富です。主に選ばれる素材として陶磁器蛇の目、錫、ガラスがあり、それぞれ特徴が異なります。
陶磁器製の酒器、蛇の目は、お猪口ぐい呑みによく使われている白い磁器製の酒器です。器の底に青色の二重丸が描かれています。日本酒を注いだとき、白い部分では透明度がわかり、青い部分で光沢を確認できます。
錫は抗菌性や耐久性に優れ、サビや腐食に強い素材です。日本では古くから、錫製の酒器が神事のときに使われていました。ガラスのぐい呑みは、透明感のある美しい色合いが大きな魅力です。
それぞれ、日本酒の味に変化をもたらす特徴もあります。錫の器は雑みがなくなり、まろやかな味わいになるといわれます。ぐい呑みは、素材の特徴などから縁起物として贈られることも珍しくありません。
陶器のぐい呑みがもつ魅力
さまざまな素材のぐい呑みがあるなか、陶器がもつ主な魅力は日本酒の味を和らげるところです。
陶器のぐい呑みは、日本酒の甘みを増すことで知られています。お酒の味を少し柔らかくしたいとき、最適といわれる素材です。陶器の素朴で落ち着いた雰囲気も、魅力の一つに挙げられます。
最近、陶器のぐい呑みには美濃焼の志野・織部や京焼が見られます。いずれの焼き物も、器のデザインは多種多様です。陶器本来の土の温かみや親しみやすさも、全国の多くのコレクターから愛される要因です。
そのため、陶器のぐい呑みは買取でも高い評価を得られる可能性があります。お持ちであれば、ぜひ一度、査定に出してみてはいかがでしょう。