田島奈須美の日本画|繊細なタッチで多くの人を魅了し続ける画家
女性らしいきめ細やかな筆致で多くの美術ファンを魅了する田島奈須美(たじまなすみ/1943~)。伊東万耀・深水親子に弟子入りした腕は確かなものがあり、結果を残してもなお向上心を失わずひたむきに絵画を学んだ姿勢には好感を持てます。そんな田島奈須美は今なお活躍する画家でありながら、骨董品買取市場でも確固たる地位を築く人気作家の一人です。
伊東万耀に師事し、深水塾にも通う
田島奈須美は神奈川県横浜市生まれの日本画家です。1943年生まれ。現在は、「增田奈壽美」と改名しています。女性らしい優しく魅惑的な画風は現在でも多くのファンを獲得しています。
画家を志し、伊東万耀に弟子入りします。万耀は美人画で名をはせた伊東深水の次男です。人物画や花鳥画を得意とした万耀に教わるも、師の早世により深水塾で学び直すことになります。繊細なタッチと独特の世界観は深水の教えによる影響が大です。ひたむきに人に教わる姿勢が才能を開花させ、1966年の新日展出品作が初入選といううれしい結果になります。これは田島奈須美という画家の躍進のはじまりでした。その後も数々の賞を獲得し、日展連続特選の快挙も成し遂げます。偉大なる師直伝の繊細な筆使いは本物で、画壇の認めるところでした。
画道の探求を怠らない姿勢が魅力的な作品を生む
高い実力で結果を残しながらも、なお向上心をたぎらせて前進を目指すところに田島奈須美の人間的な魅力があります。日展で結果を残した彼女は、さらに己の可能性を追求すべく、橋本明治の下で新人のごとく絵画の勉強をはじめるのです。ひたむきな姿勢で絵画制作に取り組み、彼女の画はさらに深みを増していくことになります。
1980年から日展審査員に就任。翌年には日展会員になります。1988年には第20回記念日展で会員賞を受賞。1994年には日展審査員を務めます。文芸雑誌「オール読物」の表紙絵と目次カットを担当するなど、活動の幅は広がるばかりでした。絵画の鍛錬を怠ることなく、個展も開催。1997年には「增田奈壽美」と改名し、精力的で飛躍を目指す創作活動は衰えを知りません。今後も活躍が期待される画家です。
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