日本画家・伊藤深游木|平山郁夫の影響を受けた幻想的作風

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伊藤深游木(いとうみゆき)は平山郁夫の弟子である日本画家です。幻想的で写実的な作品は人気が高く、日本画市場でも高値がつくことが珍しくありません。今回は伊藤深游木の略歴や、その作風について解説していきます。

伊藤深游木の生い立ち

伊藤深游木は1954年に東京都で生まれました。若き頃から美術に興味を持ち、東京芸術大学美術学部絵画家へ入学し、日本画専攻をします。1983年に卒業し、同大学の大学院へと進みました。そこで、当時東京芸術大学美術学部教授であり、のちの文化勲章受章者である平山郁夫に出会い、師事します。在学中からその才能を発揮し、1984年の第69回院展に「浅茅ヶ宿」を出品して初入選を果たしました。

伊藤深游木の才能が開花する

1985年に東京芸術大学大学院保存修復技術日本画を修了してから、伊藤深游木は創作活動を意欲的に進めていきます。同年の第40回春の院展に出品した「春馨る」が初入選し、外務省買い上げとなり、脚光を浴びはじめました。1992年には東京セントラル美術館日本画大賞展へ出品した「初夏の吉備路」が優秀賞、1995年の第80回院展では「雪の新庄駅」が激励賞を受賞となります。ほかにも出品した作品の多くが外務省買い上げになるなど、伊藤深游木の実力は高く評価されています。

平山郁夫イズムを継承した伊藤深游木の幻想的作風

伊藤深游木は平山郁夫の弟子であり、その作風は師の影響を強く受けていると評されています。平山郁夫はシルクロードを題材にし、神秘的・幻想的な雰囲気の中に平和への願いが込められた作品を数多く残しています。伊藤深游木もまた、風景や花を題材にして、幻想的な趣を持つ作品を発表してきました。なかでも花がテーマとなる作品は、背景から余計なものを排除し、濃淡のみで表現することで、独自の幻想的世界観を生み出すことに成功したといわれています。
代表作とされる「あけびの花」は深い紺色を背景にし、写実的に描かれた葉や花の美しさを引き立たせつつ、作品全体に幻想的な立体空間を生み出しています。

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