新開寛山の工芸品|京都の伝統を受け継ぎながらも新しさを追求

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新開寛山(しんかいかいざん)は、日展で入賞を重ね、勲四等旭日小綬章や京都府文化賞特別功労賞も受賞した、名実ともに日本を代表する陶芸家です。象嵌や釘彫り、彩色などを使って独自の世界観を構築しました。名門出らしい重厚な趣も多くの人を魅了します。伝統だけに固執せず、新しいスタイルの追求を怠らなかった現代作家でもあります。

陶業の家系という血筋

新開寛山は京都府出身の陶芸家です。1912年陶業を営む家に生まれました。京都の名門清風与平の血筋を持ちます。祖父は三代、叔父は四代と清風与平当主として活躍。幼い頃から陶芸の魅力に引きつけられる環境があったといえます。

京都市立美術工芸学校卒業後、清風工房で磁器制作のイロハを学びます。18歳のとき第11回帝展に出品した作品が入賞を果たし、陶芸界に誕生した新たな才能として注目を浴びました。その後、五条会に入会して六代清水六兵衛の指導を受けるなど、さらなる飛躍を目指して研鑽に励みます。

戦後は日展を舞台に活躍

戦前は帝展や文展へ向けて創作を続けていた新開寛山ですが、戦後は日展への出品にもチャレンジします。陶土を研究し、陶器制作が主となりました。

1951年の第7回日展にて特選受賞。1958年には会員に推挙されます。1974年「群韻花瓶」で日展文部大臣賞を、1980年には「玄鳥」で芸術院賞を獲得するなど、その実力は申し分ないものとして広く認知されるようになります。

名門譲りの伝統の技、絵画制作で磨いた美的センス

京都の名門清風与平の血を受け継いだ新開寛山には、陶芸の伝統的気風が備わっていたといえます。それに加え、青年時代に日本画や洋画の制作に取り組んだ経験も大きかったでしょう。そこで学んだ構図と彩色の技術は陶芸作品の制作でも生かされています。

寛山が手がける陶器はシンプルながら、独特の味わいがあります。鳥や魚といった身近な生き物を基本のデザインとして据え、装飾は彩色や釘彫、象嵌などの多様な細工を使い分けました。その印象は繊細で重厚、伝統工芸らしい雅な趣も感じさせます。茶道具の名作も多く、茶人から陶芸ファンまで多くの人々に長年愛され続けています。

工芸品の査定・買取は、目利きのプロがいる「なんぼや」まで

新開寛山は日本陶芸界において名をなした大物です。この名人が手がける作品は世界の買取マーケットで注目されています。「なんぼや」では、新開寛山など名のある作家の工芸品を高く買い取ります。無名作家の作品や、作家不詳のものでも構いません。お持ちいただいたお品は陶芸にくわしい専門家が直接拝見し、誠意をもってお値段をお付けします。

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