奇想の画家・伊藤若冲|現代で発見された狂気の超絶技法とは

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伊藤若冲(いとうじゃくちゅう)は、江戸中期に活躍した画家です。今では日本美術ブームをけん引する名の知れた画家のひとりですが、実は若冲作品に人気が集まったのはつい最近のことなのです。今回は、日本国内はもちろん、海外でも大きな展覧会が開かれるなど、注目を集めている画家、伊藤若冲についてご紹介します。

奇想の画家・伊藤若冲とは

伊藤若冲は、1716年、京都錦小路の青物問屋の長男として生まれました。絵を描くこと以外何も興味がなく、お酒も飲まず、生涯独身だったといわれています。父の死後家業を継ぐも、40歳で家督を弟に譲って隠居し、画業に専念。狩野派で絵を学ぼうと門をたたき弟子入りしますが、その画法に限界を感じ、以後独学で絵を描き続けます。

若冲は生き物には「神気」が潜んでいると考えており、庭に数十羽の鶏を放し飼いにし、その生態を徹底的に観察し続けました。その結果、鶏や草木、岩など、あらゆるものの神気が見えるようになり、なんでも絵筆で自在に描けるようになったといいます。若冲が「奇想の画家」と評されるゆえんとなった精密極まる描写は、こうして身についたというのです。そして1800年、84歳で大往生するまで絵を描き続けました。

伊藤若冲の超絶技法が生きる作風

若冲は、42歳のころから身の回りの動植物をモチーフに描いた花鳥画「動植綵絵(どうしょくさいえ)」シリーズを描き始めます。完成まで10年を要した超大作で、日本の花鳥画の中でも最高傑作といえるでしょう。若冲は鶏を得意としており、動植綵絵シリーズ全30幅のうち8点が鶏の絵です。若冲の絵には電子顕微鏡で分析しても下書きの跡が一切見当たらず、鳥の羽は0.2mm間隔で寸分の狂いもなく描かれています。その超絶技法で描かれた絵は、現代でも再現するのは難しいといわれています。

また、若冲が生み出した画法の一つに、「桝目画(ますめが)」というものがあります。紙全体に9mm間隔で方眼を引き、その一つひとつに色を塗って描く方法です。ヨーロッパ絵画のモザイク画、現代のドット絵によく似た作風といえます。若冲作品で有名な六曲一双からなる「樹花鳥獣図屏風」は、なんと11万6,000個の桝目からなる超大作です。

色鮮やかで写実的なものから墨一色で極限まで単純化されたもの、桝目画など、生涯新しい画法を模索し続けた若冲の作風は多岐にわたります。

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伊藤若冲は、最近になって脚光を浴びるようになったこともあり、続々と新しい作品が発見されています。自宅に眠る掛軸が、実は伊藤若冲のものだった、というケースもあるかもしれません。「なんぼや」では、日本画に精通する買取実績豊富なスタッフが多数在籍しており、確かな目で見極め、査定額を提示しています。作者不明の掛軸などございましたら、ぜひ「なんぼや」までお持ちください。

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