幸福の画家ピエール=オーギュスト・ルノワールの色鮮やかな世界

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ピエール=オーギュスト・ルノワールは、フランスで活躍した印象派を代表する画家のひとりです。温かみがあって穏やかな作風と彼自身の生きざまから、「幸福の画家」と称されていました。今回は、生涯にわたり数多くの作品を描き続けた画家、ピエール=オーギュスト・ルノワールについてご紹介します。

印象派の画家ルノワール

1841年、ルノワールはフランス中西部の街リモージュで生まれました。20歳のころシャルル・グレールの画塾に入り、ともに印象派をけん引する画家モネ、シスレーらと出会います。
戦後1974年に第一回印象派展を開催しますが、彼らの新しい表現は世間に認められず、厳しい評価を受け続けます。そんななかでもルノワールは徐々に熱心な愛好家を獲得し、1878年のサロン入選を機に、徐々にその地位を確立していきました。晩年はリウマチと関節炎で絵筆が握れなくなりながらも、彼の絵画への情熱は生涯途切れることがなく、絵筆を手に縛り付けて数多くの傑作を残したのです。

幸福の画家と称される作風

フランスの小説家オクターヴ・ミルボーが、ルノワールの画集に「ルノワールの人生と作品は、私たちに幸福というものを教えてくれる」と前書きをしたことから、幸福の画家として広く知られるようになりました。
ルノワールは「絵は楽しく美しく愛らしいものでなくてはならない」という言葉を残しています。その言葉通りルノワールの代表作は、色彩豊かで美しく、楽しい日常の風景を切り取ったようなものばかりです。
印象派時代の作品「ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏会」や「ぶらんこ」は、サロン出品当時は酷評を受けましたが、今ではルノワールの代表作として知られています。その後、輪郭が曖昧になりやすい印象派の技法に限界を感じたルノワールは、表現方法を模索し始めたのです。

1890年代になると、ぬくもりのある色彩に古典的な表現がみられる独自の表現を確立します。このころリュクサンブール美術館の依頼で製作された「ピアノに寄る少女たち」は、政府買い上げとなりました。ほかにも勲章を授与されるなど、ルノワールの作品は世間に高く評価されるようになったのです。

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