茶道の精神を広く庶民に伝えた宗偏流四世宗也の功績
宗旦四天王の一人・山田宗偏が興した宗偏流は、侘び詫び茶の心を茶道具の製作に込め、質素の美学を体現してきました。
そんな名門の四世が山田宗也です。茶道の教えを庶民にまで広めた功績は一方ならぬものがあり、「宗偏流中興の祖」「江戸千家」など称されるのも頷けます。今回は宗偏流四世宗也を取り上げ、その魅力をお伝えします。
宗偏流中興の祖と呼ばれた四世宗也
宗偏流四世宗也は、幼名を俊之と言い、陸案斎・不審庵の号を持ちます。「宗偏流中興の祖」として有名です。茶の湯を町人に広めることに貢献のあった茶人としても知られます。
宗也は文筆の方面でも大きな事業を成し遂げています。それは『陸安集』の刊行です。茶道の心得や作法を初心者にもわかりやすく説いた書物で、この精神は茶の湯の解説本『茶道便蒙抄』を書いた宗偏流開祖宗偏に通じます。内容は軽妙かつウェットに富んでいて、堅苦しさを感じさせません。茶の湯に深く精通していない者でも肩の力を抜いて楽しく読める茶道の入門書です。庶民が千家の茶の湯に親しめるきっかけをつくった功績として、陸安集の執筆は特筆されます。
後進の指導にも力を入れ、久世三四郎や永田藤右衛門、篠原休剣、志波四郎次、中西元立などの門下を抱えました。茶室を構えたのは江戸の八丁堀。「江戸千家といえば宗偏流」と評判になるほど、その教えは江戸市中に広く伝わったとのことです。
佗び茶の心を伝えた宗偏流
宗偏流は、千利休の孫・千宗旦の門弟である山田宗偏により興されました。開祖は宗偏といえ、千宗旦の教えが源流にあるといっても過言ではありません。宗偏は宗旦の教えを忠実に守り、華美でなく極めて質素なものを愛する佗び茶の精神を茶器に込めて優れた一品を世に送り出しました。宗偏流四世である宗也もまた、その教えを受け継ぎ、侘び詫び茶の心でもって解説書の執筆や茶器の製作に勤しみました。
千利休・千宗旦が目指したのは茶道を侘び詫び茶の心で極めることであり、茶碗や茶釜、茶杓、棗、香合といった茶道具はその考えに基づいて製作されてきました。
宗偏流は侘び詫びを大事にする茶道作家の第一人者といってよく、その手によって生まれた作品は現代人にも愛され続けています。
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