西内 利夫 作 「蓼と鴫」(紙本・彩色)
「なんぼや」ブログをご覧のみなさん、こんにちは
今回は「なんぼや」骨董買取にて買い取りさせていただきました、西内利夫の作品「蓼と鴫」をご紹介させていただきます。
買取商品名 | 西内利夫 紙本・彩色 「蓼と鴨」 12号 |
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作者 | 西内利夫(にしうち としお) |
短命の画家、西内利夫
西内利夫は48歳という若さで世を去った短命の画家です。1933年に京都で生まれた彼は、幼いころより画家を志し、巨匠・山口華楊に師事します。日展への入選も多く、早くからその才能は評価されていたようです。
さらに、アメリカやメキシコに留学し現地の芸術に大きな影響を受けたと思われます。中国にも取材旅行に渡り、芸術の感性をさらなる高みへと押し上げました。
冒頭でも触れましたが、48歳という若さで亡くなる西内ですが、晩年はどこにも所属することなく、自身の求める芸術を究めました。彼の作品の多くは、あふれ出す才能と技術を表すように、雄大かつ大胆な構図です。それら作品群には、西内の芸術に対する高い美意識が反映されており、芸術に対する思いが込められているといっても過言ではないかもしれません。そういう強い信念が込められているからこそ、我々は彼の作品に魅了されてしまうのではないでしょうか。
改めて作品を拝見
暗い画面の中に鮮やかな赤色の蓼(タデ)と、一羽の鴫(カモ)。そのモチーフはまさしく題名通りと言ったところでしょうか。こちらは自然や風景を好んで描いた晩年の頃の作品と思われます。
赤色の蓼は紅蓼(ベニタデ)に思われ、どちらかと言えば野生種です。自然の中で大きく育った蓼の様子からは、生命の息吹が感じられます。
一方の鴫は、鴫のいる周りだけスポットライトが当たっているかのように明るくなっています。鴫は渡り鳥の仲間で作中ではかわいらしく描かれていますが、その体の中には大きなエネルギーが隠されています。厳しい自然の中で生き抜く両者の姿からは、大きな生命のエネルギーを感じ取ることができるようです。
また、蓼は「蓼食う虫も好きずき」ということわざもあるように、日本人にとってなじみ深い食物の一つ。いつか見たであろう心の中の、日本の原風景を描き出そうとしたのかもしれません。
いずれにせよ、暗い画面の中の鮮やかな蓼の色彩や、鴫の位置は、大胆な構図を生かした西内ならではの作品と言えるのではないでしょうか。
今回の査定のポイントは
今回の査定のポイントはずばり、状態でしょう。
今回の作品のついては、傷や目立つ汚れなどがほとんど無く、非常にキレイな状態でした。また、裏面には、サインと題名がきっちりと入っていました。そして、西内利夫らしい作品ということも、プラス評価です。すべての要素が揃っていましたので、最大限の評価をさせて頂くことができました。
絵画買取なら「なんぼや」にお任せください
「なんぼや」では西内利夫の作品はもちろん、さまざまな作者の絵画を高価買取しております。
作者や価値が分からない絵画でも、経験豊富なスタッフが査定させて頂きますので、お持ちの方はぜひとも「なんぼや」骨董買取までご相談ください。