最強の防水性能を誇るロレックスの「トリプロック式リュウズ」
これまで様々な部品・規格において独自開発を行ってきたロレックスですが、中でも防水性の向上は困難で悪戦苦闘の日々が続きました。そんな折、潜水艦のハッチからヒントを得て「ダブルロック式リュウズ」の開発に成功し、高い防水性を獲得。その後も開発にいそしみ、最強の防水性能を誇る「トリプロック式」の開発に成功。これにより、プロフェッショナルウォッチとしての幅が広がり、ロレックスの確かな地位が築かれていきました。
ダイバーズウォッチに必要不可欠な防水性。ロレックスは従来の欠点を補うために浸水の原因となるリュウズの開発を進め、「ツインロック式リュウズ」に続き「トリプロック式リュウズ」の開発に成功しました。これらリュウズの構造は現在でも多くの時計メーカーが参考にするほど革新的なものであるため、それぞれのリュウズの誕生の歴史や構造についてぜひ知っておきましょう。
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ツインロック式リュウズの開発
オイスターケースが誕生してからロレックスの時計の堅牢性は飛躍的に向上し、一気にプロフェッショナルウォッチとしての地位を確立していきました。しかしながら、この時、問題となっていたのが低い防水性。当時は高い防水性を獲得するのは困難で、それはロレックスだけでなく世界中の全ての時計メーカーに言えることでした。浸水の主な原因はリュウズによるものであったため、ロレックスは研究に研究を重ね、潜水艦のハッチからヒントを得て、「ツインロック式」と呼ばれるリュウズの開発に成功。このリュウズは、ケース側とリュウズ側にネジ山が刻まれており、操作する時にはネジを解除するというシステムを採用し、防水性を高めることに成功したのです。なお、ツインロック式リュウズは定番のオイスターモデルのほとんどに採用されています。
トリプロック式リュウズの開発
ツインロック式リュウズの開発により、ロレックスの時計は様々な環境化に耐えうることができるプロフェッショナルウォッチとして世界中で大きな人気を博すようになりましたが、ダイバーズウォッチにおいては他をしのぐほどの性能は獲得できずにいました。ダイバーズウォッチにおいて最も重要となるのが防水性であり、ツインロック式リュウズでは不十分だったのです。そこでロレックスはさらなる研究に励み、「トリプロック式」と呼ばれるリュウズの裏側とケースの内部にもパッキングが埋め込まれた革新的なリュウズの開発に成功。ツインロック式より格段に防水性が高まったことで、ダイバーズウォッチにおいても先駆者的存在としてその地位を確立しました。これは1966年に登場したロレックス サブマリーナーRef.1680から採用され、その後はシードゥエラーやデイトナなどに搭載されるようになりました。なお、トリプロック式のリュウズかどうかは、リュウズ表面に刻まれている王冠マークの下に“3つの点”で確認することができます。
リュウズの度重なる開発により防水性を高めることに成功したロレックスは、リュウズだけでなくリングロックシステムと呼ばれるケース構造を開発し、シードゥエラーのコンプリケーションモデル「ディープシー」では、機械式腕時計最高峰となる防水性3900mを獲得するなど、現在でも防水性向上における開発が進められています。
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