藤田喬平のガラス工芸|その名を世界に轟かせた代表作「飾筥」とは
藤田喬平(ふじた‐きょうへい)は、世界で活躍した日本を代表するガラス工芸家です。イタリアのガラスに日本の伝統美を融合させた、芸術性の高い作品を数多く残しています。今回は、世界中で愛される藤田喬平のガラス工芸品についてご紹介します。
ガラスで日本から世界へ
藤田喬平は、1921年東京府豊多摩群大久保町(現・東京都新宿区百人町)に生まれます。東京美術学校(現・東京藝術大学)の工芸家彫金部で彫金を学ぶも、ガラス工芸に転向しました。イタリアで学んだ色ガラスに、金箔やプラチナ箔を混ぜて箱形に仕上げた「飾筥(かざりばこ)」シリーズで独自のガラス工芸分野を確立します。飾筥は国内外で大きな評判を呼び、世界各地の展覧会に頻繁に招待されるようになりました。
藤田喬平の作品は、東京国立近代美術館・千葉県立美術館・ベルリン国立美術館・パリ(ルーブル)装飾美術館など、世界各国に収蔵されています。宮城県松島には、飾筥シリーズをはじめ、たくさんの藤田喬平作品が堪能できる「藤田喬平美術館」があります。
1989年に恩賜賞、日本芸術院賞を受賞し、日本芸術院会員に就任。1997年には文化功労者顕彰紺綬褒章を受章しています。2002年には、ガラス工芸家として初の「文化勲章」を受賞するなど、その活躍は類を見ないものとなっています。
藤田喬平の代表作「手吹飾筥」シリーズ
コペンハーゲンの展覧会に出品した「手吹飾筥」に対し、現地の記者が「この箱に宝石を入れたら宝石のほうが霞んでしまいそうですが、この箱には何を入れるのですか?」と質問を投げかけました。それに対して藤田が、「あなたが大切にしている夢を入れてください」と答えた、という素敵なエピソードがあります。それ以来、手吹飾筥は「ドリームボックス」という愛称で呼ばれるようになり、世界中で親しまれるようになったのです。
手吹飾筥は、藤田が学生時代から好きだった尾形光琳や俵屋宗達がガラスを使って作品を造ったら……というコンセプトのもと制作されました。琳派特有の豪華絢爛で美しいデザインは、箱形の独創的なデザインと金箔を使って表現しています。こうして試行錯誤を繰り返した末にようやく完成したのが、飾筥の代表作「菖蒲」です。
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