平松礼二 「夕の桜図」(紙本・彩色)
ブログをご覧のみなさま、こんにちは。
今回「なんぼや」骨董買取にて買い取りさせていただきました、平松礼二 「夕の桜図」(紙本・彩色)をご紹介いたします。
買取商品名 | 平松礼二(ヒラマツ レイジ) 「夕の桜図」 33x25cm |
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技法 | 紙本・彩色(和紙をベースに、岩絵の具等で彩色したもの) |
査定について
ご紹介させていただく作品は、平松礼二 「夕の桜図」(紙本・彩色)です。
今回の査定では、「状態の良さ」と「共シール」がポイントとなりました。
絵画を美しい状態で保管しておく場合、いくつかの注意点があります。
今回ご紹介した作品のような良い状態を保つ場合、部屋に飾ったり、箱に入れたまま保管するならば、温度は20~25度、湿度は50~55%が最も適しているとされています。これ以上の温度、湿度が続くと、絵画ならカビ、版画・写真なら波打ちやシミが発生してしまいます。
日本の気候ですとなかなか難しい条件ではありますが、美術館などでは常に一定の温度、湿度が保たれた状態で保管されているのです。
また、日本画(和紙などに墨や絵の具で描かれたもの)を箱に入れて保管する場合、桐箱に入れておくと良いでしょう。日本画がお好きな方はよくご存知かと思いますが、桐箱を使う理由としては、熱に強い、虫(虫害)がつかない、湿度を一定に保つなど、さまざまな効果があるからです。
着物の収納に桐箪笥が使われてきたのも、桐の持つ優れた効果が理由とされています。
「共シール」とは、主に日本画の額装された作品に用いられる、その作家が間違いなく制作したという証のようなものです。(共シールに記載の内容は作家直筆による作品題名と作家サイン、そして落款(らっかん/作者の署名・印)が一般的です)
今回の作品は作品画面への落款+サインと、上記の共シールの内容が揃っていましたので問題無く査定させていただきました。
※「共シール」が確認できない場合は査定に影響する場合がございますので、詳しくはお問い合わせください。
作品「夕の桜図」(紙本・彩色)について
月夜に映える桜は細やかな筆使いで描かれており、画面全体の深く落ち着いた夜を表現する彩色が作品に清く、澄んだ印象を与えてくれます。平松礼二の代表的な作風といえるでしょう。
作家 平松礼二について
モネが絵の題材にした睡蓮を描き続け、日本人画家の眼を通して見た光景を〈印象派・ジャポニズムへの旅〉シリーズに結実し、人と自然の関わりを求めて旅をする「路」などを生涯のテーマに、岩彩、箔、墨、コラージュ等、多彩な技法を駆使する日本画家と評されています。
昭和16年、東京都に生まれ、創画会賞、春季展賞、セントラル美術館日本画大賞展優秀賞、MOA美術館優秀賞、山種美術館賞展大賞等を受賞し、横の会展、現代日本画の展望展、現代の屏風展(ドイツ)などが催され、刈谷市美術館、高雄市・台北市立美術館、成川美術館等に作品が所蔵されているそうです。
最後に
今回買い取りさせて頂きました作品は前述の通り状態が非常に良く、人気作家ということもあり、高額査定をさせていただきましたが、美術品、骨董品はどうしても経年劣化は避けられないことがありますので結果として査定額にそれほど響かない場合も多々ございます。
ご売却を検討されている絵画、掛軸等の美術品、骨董品がございましたら「なんぼや」へぜひお気軽にご相談ください。