島岡達三 象嵌赤絵小鉢

島岡達三 象嵌赤絵小鉢

ブログをご覧の皆様、こんにちは。
いつもご覧いただき、誠にありがとうございます。

皆様は益子焼の名人、島岡達三氏をご存知でしょうか?
今回は買い取らせていただいた骨董品のうち、「象嵌赤絵小鉢」についてご紹介します。

買取商品名 象嵌赤絵小鉢
作者 島岡達三
技法 縄文象嵌(じょうもんぞうがん)

査定について

今回の査定のポイントは「保存状態の良さ」「赤絵」「共箱」の3点です。

非常に保存状態が良く、縄文象嵌に加え、白い窓絵の中に赤絵を配し、箱のヤケや箱蓋の反りもなく、申し分ない状態でしたので高査定となりました。
これはすべての陶芸作品に共通して言えることですが、「品物+箱」がセットになっていないものは査定額が落ちてしまう可能性があります。

島岡達三 象嵌赤絵小鉢 共箱
また、後ほど触れますが、箱には作者自身やほかの権威ある人物が署名や品名を書いたものがあり、これはブランド品でいうところの「ギャランティーカード」のようなものなので、セットで保管しておくことをお勧めします。

島岡達三氏について

島岡達三氏は組紐師である島岡米吉の長男として東京に生まれます。
東京工業大学に入学した年に、後の島岡氏の人生を大きく変えることになる、濱田庄司氏らの作品に出会い、衝撃と感銘を受け、栃木県は益子町の濱田氏を訪ねます。
この濱田氏との出会いが後の「人間国宝・島岡達三」を作る重要なきっかけとなります。

嘆願の後、大学卒業後の入門を許されます。
大学卒業後に益子町に移り住み、濱田氏から陶芸を学んでいくうちに「自分の個性を発揮した焼物を想像して作りなさい」と教えられた島岡氏は、これまでの経験や学んだことをいかし、特に李氏朝鮮時代の陶器(李朝陶器)の象嵌技法と研究対象でもあった縄文土器の文様の融合に的を絞り、さまざまな試行錯誤の末、代表的な技法となる「縄文象嵌」を生み出すことに成功しました。
二種類の技法の融合を実現させたものが、意外にも身近にあった父の作る組紐という話はあまりにも有名です。

平成8年に重要無形文化財保持者「人間国宝(民芸陶器・縄文象嵌)」に認定されました。
平成19年(享年88)に亡くなるまで精力的に活動を続け、縄文象嵌技法により作られた、力強さと美を兼ね備えた作品は国内のみならず、国外でも高い評価を受け、益子焼の素晴らしさを世界に知らしめました。

縄文象嵌について

「縄文象嵌」は表面が柔らかいうちに組紐を転がして縄目模様を施し、そのくぼみに白土と呼ばれる白粘土を埋め込み、またその白土を削り出すといった技法です。
元の黒地に力強い白の縄目模様が映え、対極の美を創造しています。

箱の種類について

先程触れた、買い取りの際に重要となる箱の種類として、大きく分けて「書付箱」「極め箱」「共箱」「合わせ箱」の四種類があります。

書付箱
茶道の家元や大徳寺の高僧などの権威のある人物が品名を書いた箱です。
極め箱
目利きが鑑定をし、本物である証明を記した箱です。
共箱
作者自身が署名をした箱です。
合わせ箱
後から付けられた箱です。

特に「共箱」は作者自身が本物と認め、作品自体も秀逸なものが多いので重要度は極めて高いです。
このように箱、署名や書付の有無は品物自体の評価で、査定額に大きく影響するものです。

最後に

今回買い取らせていただきました商品は、高く評価されている縄文象嵌に赤絵まで入り、作品と共箱がセットの上、非常に保存状態も良く、まさに非の打ち所のない作品でしたので特に頑張らせていただきました。
「なんぼや」では骨董品の買い取りに力を入れさせていただいておりますので、ご売却をお考えの方はぜひ一度、お問い合わせください。
スタッフ一同、心よりお待ち申し上げております。

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