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ロレックスの自動巻き~パーペチュアル機構の成り立ちと影響

ロレックスの自動巻き~パーペチュアル機構の成り立ちと影響

ロレックスの3大発明として広く知られる自動巻き機構。永遠を意味する「パーペチュアル」という名前でも呼ばれています。現在、多くの機械式時計に採用されている自動巻き機構は、パーペチュアルの影響によって生み出されました。

ロレックスの自動巻き機構は現代にいたるまでマイナーチェンジが繰り返されてきました。その進化は決して止まることはありません。
ここでは、ロレックスの自動巻き機構の歴史や仕組みなどをご紹介します。


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自動巻き時計とはなにか?

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自動巻き時計とは内部にムーブメントが搭載されており、腕に付けている際の動きによって中のゼンマイが自動で巻かれる時計のことを言います。
手巻き時計は自分でリューズを巻いてゼンマイを巻く必要がありますが、自動巻き時計は自分でゼンマイを巻く必要がありません。
一方、使わないで放置しておくと針が止まったり数十秒の遅れが発生することがあります。ロレックスの自動巻き時計も数秒程度の誤差ではあるものの、遅れが生じやすいとのデメリットが指摘されています。

ロレックスの自動巻き機構~その原点を振り返る

ロレックスは自動巻き時計の技術を完成させたと言われています。その影響を受けて、現代では多くの時計に自動巻き機構が搭載されています。
自動巻き機構は特別なものではなくなりました。しかし、自動巻き時計の歴史を語る際に、パイオニアであるロレックスの存在を外すことはできません。

ロレックスの自動巻き機構の歴史を見ていきましょう。

自動巻き機構の誕生以前

その歴史の初期から腕時計の時代の到来を信じて、腕時計の実用性の向上にまい進したロレックス。
その最初の成果として広く知られる世界初の完全防水時計、ロレックス オイスターが誕生したのが1926年のことでした。
当初2ピースであったオイスターケースは、リューズ、裏蓋をガスケットを挟んでミドルケースにねじ込むことで気密性を確保する構造を持っていました。
その後ベゼルを別部品として、3ピース構造となり、風防を内側と外側の両面から圧迫することで気密性を高める構造を持つようになり、その安全性を高めることに成功。
しかし、ねじ込み式リューズに不慣れなユーザーによる、ねじ込み忘れが原因となる水入り事故が後を絶たず、ロレックスはその対策に苦しむことになります。

ロレックス自動巻き機構の着想

ねじ込み式リューズの水入り事故原因から、リューズの閉め忘れを防ぐために、ロレックスは2つのポイントに注目しました。
●リューズ操作の頻度を減らす。
●手でゼンマイを巻き上げる操作、時間の合わせ直しの頻度を減らす。
こうしてロレックスは自動巻き機構の開発、そしてさらなる精度安定性を目指して研究に乗り出しました。

ロレックスの自動巻き ロレックスが開発した「全回転式ローター」

自動巻き機構自体は懐中時計の時代からあったため、特別に目新しいものでもありませんでした。
ロレックスの開発が画期的とされたのは、世界で初めて「全回転式ローター」による自動巻き機構を発明したためです。
全回転式ローターなら、ムーブメントの中央に固定された錘(おもり)を、自由に回転運動させてゼンマイを巻き上げることができます。ゼンマイを手巻きせずとも、腕に装着しているだけで時計を動かし続けることが可能になりました。
1931年、ロレックスは開発した自動巻き機構を「パーペチュアル(フランス語で永遠の意)」と名付け、世の中に送り出しました。。
これが現代の自動巻き機構の原点になったのは、ここに繰り返すまでもないでしょう。
現在のロレックス人気モデルのラインナップとなっている、プロフェッショナルモデル「サブマリーナー」「エクスプローラー」にも採用されています。
それまでのバンパー式は衝撃に弱く、故障しやすいものでしたが、全回転式はローターが回転することで受けた衝撃を分散できるため、強度も上がりました。腕の動きに対するゼンマイの巻き上げ量、すなわち巻き上げ効率の点においても有利になりました。
また、自動巻き機構を持つことによって、腕に装着している限りはゼンマイがほぼ全巻き上げの強いトルクを発生する状態で時計が動き続けることになりました。これが精度の面にも好影響をもたらしたとされています。
全回転式ローターを取り入れたことにより、リューズのねじ込み忘れを防ぐことに成功して、水入り事故問題も解決できました。

ロレックスの自動巻き 原始的構造が生んだ味わい深い意匠~バブルバック

その当初、手巻きのムーブメントに自動巻き機構を重ねた構造を持っていたパーペチュアルは、どうしても厚みを持ってしまうことから、ローターと裏蓋に干渉しないようにと膨らんだ裏蓋を持っていました。
この特徴から、初期から1950年代半ばのCal.1030登場までの間に製造されたパーペチュアルは、「バブルバック」の愛称で世界中のコレクターから親しまれています。
1945年には日付が瞬く間に変わるカレンダー機能を搭載することに成功した「オイスターパーペチュアルデイトジャスト」を発表。
1950年代からはケース径を大きくすることで厚みを減らした「セミバブル」と呼ばれるタイプも出てきましたが、1960年代には見られなくなりました。

ロレックスの自動巻き 両方向巻き上げ式という更なる革新

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ロレックスの自動巻き ロレックスが開発した「全回転式ローター」

自動巻き機構自体は懐中時計の時代からあったため、特別に目新しいものでもありませんでした。
ロレックスの開発が画期的とされたのは、世界で初めて「全回転式ローター」による自動巻き機構を発明したためです。
全回転式ローターなら、ムーブメントの中央に固定された錘(おもり)を、自由に回転運動させてゼンマイを巻き上げることができます。ゼンマイを手巻きせずとも、腕に装着しているだけで時計を動かし続けることが可能になりました。

1931年、ロレックスは開発した自動巻き機構を「パーペチュアル(永遠の意)」と名付け、世の中に送り出しました。
これが現代の自動巻き機構の原点になったのは、ここに繰り返すまでもないでしょう。

それまでのバンパー式は衝撃に弱く、故障しやすいものでしたが、全回転式はローターが回転することで受けた衝撃を分散できるため、強度も上がりました。腕の動きに対するゼンマイの巻き上げ量、すなわち巻き上げ効率の点においても有利になりました。

また、自動巻き機構を持つことによって、腕に装着している限りはゼンマイがほぼ全巻き上げの強いトルクを発生する状態で時計が動き続けることにました。これが精度の面にも好影響をもたらしたとされています。

ロレックスの自動巻き 原始的構造が生んだ味わい深い意匠~バブルバック

その当初、手巻きのムーブメントに自動巻き機構を重ねた構造を持っていたパーペチュアルは、どうしても厚みを持ってしまうことから、ローターと裏蓋に干渉しないようにと膨らんだ裏蓋を持っていました。

この特徴から、初期から1950年代半ばのCal.1030登場までの間に製造されたパーペチュアルは、「バブルバック」の愛称で世界中のコレクターから親しまれています。

1950年代からはケース径を大きくすることで厚みを減らした「セミバブル」と呼ばれるタイプも出てきましたが、1960年代には見られなくなりました。

ロレックスの自動巻き 両方向巻き上げ式という更なる革新

デイトナ
そして1950年代半ば。ロレックスはCal.1030の発表とともに新たな一歩を踏み出します。
それまで片方向のローターの動きのみでゼンマイを巻き上げていたパーペチュアル機構が、どちらの方向に回転しても等しくゼンマイを巻き上げることができるようになったのです。
これによって更なる巻き上げ効率の改善に成功したのは言うまでもありませんが、1958年頃にはCal.1530にて更なる進化を遂げます。
2つの大径のリバーシング・ホイールによって、両方向のローターの回転でゼンマイを巻き上げる自動巻き機構はさらに巻き上げ効率を高めました。
さらに1960年代の半ば以降、リバーシングホイールにアルマイト硬化加工を施し、耐摩耗性能の改善と軽量化を同時に成し遂げました。
この自動巻き機構がマイナーチェンジを受けながら現行のCal.3100系にまで採用されてきましたが、新世代のCal.3200系では2000年に登場したCal.4130に採用されたタイプの巻き上げ機構を進化させており、大容量になった香箱に対して更なる巻き上げ効率の改善に成功しています。

ロレックスの自動巻き機構の仕組み

機械式時計は電力を必要とせず、ゼンマイ仕掛けで作動します。巻き上げられたゼンマイが元に戻ろうとして動く力を使い、歯車を動かします。
手巻き式時計の場合はリューズを使ってゼンマイを巻きますが、ロレックスの自動巻き機構は手首につけたときの動きを使ってゼンマイを巻くのが特徴です。時計を振ることで内部にある分銅が回転し、時計を動かし続けることができます。しかし、長期間ゼンマイが巻き上げられずに放置されると歯車の動力がなくなるため、針は止まってしまいます。
自動巻き機構が、手首の動きからゼンマイを巻くまでの原理は以下の手順で行われます。
1.ローター
2.切替車
3.角穴駆動車
4.角穴車
5.ゼンマイ
手首の動きで時計内部に組み込まれた扇型の重りであるローターが回転します。
ローターの回転が右回りでも左回りでも同じ方向で角穴駆動車に動力を伝えるのが切替車です。
角穴駆動車はエネルギーを増幅させ角穴車を回転させゼンマイを巻き上げます。
理論上、腕を動かし続ける限りローターは回り続け、自動巻き時計は動き続けることが可能です。
ロレックスは時計の精度を高める「ヒゲゼンマイ」を使用していることでも知られています。ヒゲゼンマイは時計の心臓ともいわれる「テンプ」というパーツの一部です。ヒゲゼンマイが伸縮することでテンプが回転し、時計が時を刻みます。
自動巻き機構はゼンマイを巻き上げて元に戻る反発力を動力にし、ヒゲゼンマイを伸縮させて時間の精度を向上させます。

ほとんどの時計メーカーはニヴァロックスという会社のヒゲゼンマイを使用していますが、ロレックスやセイコーなどの一部メーカーのみが自社製のものを使用しています。
ロレックスのヒゲゼンマイは「ブルーパラクロムヒゲゼンマイ」と呼称されています。文字どおり真っ青な外観が特徴です。合金素材でできており、従来のものと比べて10倍の衝撃に耐えられるとされています。また、従来のヒゲゼンマイの精度は安定していたものの、磁気の影響を受けやすい素材を使用していたことがデメリットでした。しかし、ロレックスの革新的な技術によって生まれたブルーパラクロムヒゲゼンマイは、耐磁性に優れ温度変化に強く、実用時計としてロレックスの拘りが感じられます。
Cal.3186以降のムーブメントにはブルーパラクロムヒゲゼンマイが採用されているようです。

自動巻き腕時計のメリットとデメリットとは

自動巻腕時計のメリット

自動巻き腕時計のメリットは、下記の4点です。
●手巻きの必要がなく電池切れの心配がない
●精度が高く止まりにくいため長く愛用可能
●自身のステータスが高まる
●メーカーやデザインが多く幅広い選択肢
自動巻き腕時計は電池が不要で、腕に身に付けておけば基本的に針が止まることはありません。
資産価値としても期待できるので、定期的なオーバーホールをすることで長く愛用できます。
自動巻き腕時計の洗練さから、高い価格のモデルも多いことから自身のステータスを高めることが可能です。
また、多くのメーカーから販売されており、デザインの幅も広いので、豊富な種類から選択できるのもポイントです。

自動巻時計のデメリット

一方、自動巻き腕時計のデメリットは、下記の3点です。
●時間精度がクォーツ式より劣る
●身に付けずに放置してしまうと針がが止まる
●オーバーホールコストが高い
自動巻に限らず、機械式時計の精度はクォーツ式に劣ります。平均的な機械式時計の遅れは1日10秒程度です。対して、クォーツ式は月20秒程度の誤差しか生じません。また、電池のクォーツ式は電池が切れない限り安定した精度を保つことが可能ですが、自動巻き腕時計は身に付けないで放置して時間が高いと針が止まったり精度が落ちる可能性があります。
さらに、定期年数でのオーバーホールが必要となり、高精度の作りからどうしてもコストが高くなる傾向にあります。

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