ロレックスの手巻きモデルの種類と買取査定の現在
オイスターケースとパーペチュアル機構の進化こそ、ロレックスの歴史そのものといえるでしょう。
しかしロレックスはクォーツ時計が実用化され、一般に普及した1980年代にもなお、手巻き時計を作り続けていたのです。
ここではそんなロレックスの、多くは語ってこられなかった部分にスポットを当てて、手巻きの各モデルのオーバーホールや買取査定などについても言及してみましょう。 2024年時計の買取相場急上昇中!! さらに現在相場の影響で時計の価値が急上昇しています! 時計を売るなら今がチャンス! ロレックスやオメガなど買取なら「なんぼや」にお任せください。
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1.ロレックスの手巻きモデルにはどのようなものがあるか
I.オイスターケース採用のモデル
1926年、ロレックスはオイスターケースの発表によって、時計史に大きな一歩を刻みました。
特殊な工具によって全体を抑え込みながらねじ込まれる裏蓋に加えて、ねじ込み式のリューズを採用したオイスターケースは、時計ケースのタフネスと気密性を飛躍的に高め、腕時計に初めて実用性を与えたといわれています。
さらにその5年後には世界初の全回転ローターによる自動巻き、パーペチュアルというさらなる大発明をやってのけますが、それまで販売されていたロレックス オイスターはすなわち手巻きモデルであったのです。
時計は手巻きであることが当然であった1930年代。初期のパーペチュアルは巻き上げ効率の点でまだ十分とはいえなかったためか、または手巻き時計しか使ったことがなかった多くのユーザーにとって、自分で手巻きをしなければゼンマイがしっかりと巻かれているか不安であるとの声がやまなかったためか…。
その後パーペチュアルは度重なる改良を受けて信頼性を大きく向上させていきますが、ロレックスが手巻きのオイスターの生産を完全に打ち切るのは、実にそれから半世紀以上が経過した1980年代のことであったのです。
II.ノンオイスター
またロレックスはオイスターケースを採用していないモデル、いわゆるノンオイスターも常にカタログから外すことはありませんでしたが、オイスターケースとともに進化を続けていったパーペチュアルが、ノンオイスターに搭載された例は意外なほどに少なかったのです。
ノンオイスターの代表的なモデルとして、1930年代~40年代を中心に高精度のドクターウォッチとして一時代を築いたプリンスや、スポーティーなオイスターでは訴求できない層にアプローチしたドレスタイプのチェリーニ。そして旧き良き時代のレディースウォッチ、オーキッドやカメレオン等があります。
III.クロノグラフ
腕時計の歴史において、自動巻きのクロノグラフが初めて発売されたのは1969年のことでした。
世界に先駆けて、現代的自動巻き機構であるパーペチュアルを発明したロレックスは、クロノグラフの自動巻き化に関しては他社に完全に後れを取っており、ロレックス銘の自動巻きクロノグラフは1980年代後半に発表されたデイトナ、Ref.16520を待たねばなりませんでした。
あらゆる意味で現代的にリファインされたRef.16520登場前のロレックス唯一のクロノグラフ、デイトナRef.6263やRef.6265は、1990年代以降のロレックスブームの中で大いに注目を集め、いまやプレミアムの象徴として、国際的なオークションにおいて常に腕時計の最高落札額を更新し続けるほどの圧倒的存在となりました。
しかしながら、その当時は1970年代以降に相次いで発表された、多種多様な自動巻きクロノグラフムーブメント搭載機の中で、1963年以来大きな変更を受けていなかった外装のデザインとともに、完全に時代遅れとなっており、生産本数が伸ばせなかったともいわれています。
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手巻きと自動巻きの仕組みの違い
機械式時計は、一般的に手巻きと自動巻きの2種類に分類されます。手巻き式時計とは、竜頭でゼンマイを巻いて針動作させる、機械式ムーブメント搭載の時計を指します。ゼンマイを巻き上げ、ゼンマイが元に戻ろうとする際に生まれるエネルギーを利用して針を動かす仕組みです。一定時間ゼンマイを巻かずに放置しておくと、当然時計は動きを止めてしまいます。そのため、定期的に巻き上げる必要があるのです。手巻き式の時計の性能を保ちながら使い続けるなら、定期的にゼンマイを巻く必要があります。
世界初の自動巻き腕時計は、1920年に入ってから誕生しました。それ以前の腕時計は、手巻き式が当たり前だったのです。1930年以降は徐々に自動巻きが増えてきました。自動巻きの腕時計が出始めると、ロレックス以外の時計メーカーは、次々に手巻き式の生産を止めてしまいます。
自動巻き式の時計は、腕に装着しておけば腕の動きを通じて回転運動が起こり、ゼンマイを自動で巻き上げる仕組みです。巻き上げられたゼンマイが元に戻ろうとする力を利用して振り子の原理を働かせることで、正確に時を刻むことができるのです。自動巻きの腕時計は、機構の中にローターが組み込まれているため、そのぶん重く、厚みがあります。しかし、使用するたびにゼンマイを巻く手間が省けるため実用的で、現在は流通量も手巻きを上回っています。
ロレックス手巻きのメリット
薄くて軽量
部品が少ないため、手巻きの時計はケースが薄くて軽量です。自動巻き時計のように内部にローターがないため、手巻き時計は軽く、薄型に設計できます。ドレスウォッチなど、袖口に引っかからないスリムなデザインが求められる時計には、手巻き式が多く採用されています。
美しいメカニカルを楽しめる
シースルーバックモデルで美しい機械を鑑賞できます。高級機に見られる、人気のあるシースルーバック(バックスケルトン)仕様の時計において、ローターが機構を隠さない手巻き時計は、内部の機械の美しさを十分に楽しむことができます。無数の小さな部品が組み合わさって時間を刻む繊細な機構は、まさに芸術のようです。
メンテナンスコストの削減
手巻き式の腕時計は、自動巻きに比べてメンテナンスコストが低いです。手巻きムーブメントは部品が少なく、故障時やオーバーホール時のメンテナンスコストが削減されます。さらに、ローター関連の問題がないため、自動巻き時計で発生する可能性のあるトラブルを心配する必要がありません。
趣味性の高さ
手巻き式の腕時計は、趣味性の高さも人気の一つです。リューズを手で巻き上げる作業を、時計に命を吹き込む儀式のように感じる人が多くいます。この時間を楽しむことは、余裕のある大人にだけ許される楽しみであり、手巻き時計の愛好者にとって、この手間があることこそが、単なるツールを超えて愛される存在に魅力を与えている要因の一つです。
ロレックス手巻きのデメリット
定期的に手で巻く必要がある
手巻きの腕時計は、手動で巻かないと止まってしまいます。一部の人はこの特性に愛着を感じる一方で、毎回リューズを巻いたり、時刻を合わせたりする手間を面倒に感じることもあります。ただし、最近では一度巻いておけば、72時間から1週間以上も動作し続ける超長時間のリザーブモデルなども登場しており、メーカーの技術力を示す一つの要素でもあります。
精度が安定しづらい
常に腕の動きでゼンマイを巻き上げ続ける自動巻きに比べて、一度リューズを巻いた後、ぜんまいが解けるだけの手巻きは、精度が安定しづらいという特徴があります。正確な時刻を求める方には、手巻き式は不向きといえるでしょう。
生産数が限られていて商品選択肢が少ない
現在の機械式腕時計は、自動巻きが主流です。手巻きムーブメントを採用したモデルは数が限られており、製造ブランドも制約されています。そのため、手巻き時計の選択肢は自動巻きに比べて狭く、かつ生産が少ないため、価格が高い傾向があります。
2.ロレックス手巻きモデルのオーバーホール
以上のモデル解説から、ロレックスの手巻きモデルの全ては、いまやアンティークウォッチに分類されるべきものであることにお気付きいただけるものと思います。
また究極の実用性を目指し続けるロレックスが作るムーブメントは、手巻きのムーブメントにおいても不変であり、長期使用に対する耐性にも優れているものばかりです。
一般に古くなった時計ほどナーバスで、その扱いには「時計をいたわる」意識がより必要になるものです。
定期的なメンテナンスを繰り返すこと以上に、衝撃や湿気から時計を守り、日々リューズの操作感や時間の進み、遅れなど、時計の調子に気遣いながら付き合っていくことが重要になります。
機械式時計の実用性、すなわち高精度とタフネスを突き詰めてきたロレックス。
そのコンセプトを現代にまで貫き続けるロレックスのサービスセンターでは、どんな時計でもその時計の新品当時の機能性を復活させることがメンテナンスの主眼となっており、残念ながら古くなった時計のコンディションを維持するためのケアについては、あまり興味を持っていないように感じます。
一般的に1960年代後半以降に製造された2針、または3針モデルについてはロレックスのサービスセンターにてメンテナンス可能であり、レディースのカメレオン専用の特殊な形状のストラップまで含めて、現在もしっかりとフォローしてくれます。
一方それよりも古いモデル、または手巻きのクロノグラフについては、パーツの供給が終了しているという理由の下、メンテナンスを受けてくれないことが多いようです。
1950年代以前のモデルにおいては、実際に市場に出回っている部品も少なく、アンティークウォッチのメンテナンスを専門に扱うような修理店においても、部品の調達に数か月程度の期間が必要になることが多くなりますが、そこは機械式時計、時間とお金と根気があれば、なかなか修理不能とまではならないものです。
また、手巻きのロレックスの場合、ロレックスの特徴のひとつであるねじ込み式リュウズ。これを備えているかいないかで状況が変わってきます。
パワーリザーブが2日間以下のオールドムーブメントを毎日愛用するとすれば、毎日1度はゼンマイを巻き上げることが必要となりますが、その際にねじ込み式リューズを備えている場合は、その都度ロックの解除と再ロックが必要となります。
現代のロレックスの時計では優秀なパーペチュアル機構と機械式時計として最高の実用精度の恩恵により、リューズのロックを解除する機会は大きく減少しており、リューズ関連のトラブルも非常に少なくなっています。
しかし、こと手巻きのねじ込み式リューズ採用のモデルは、その開閉頻度の高さからリューズやこれをねじ込むチューブと呼ばれる部品の摩耗がどうしても早くなり、これに伴いリューズやチューブの交換頻度が高くなってしまう点は大きな特徴といえるでしょう。
3.ロレックス手巻きモデルの買取査定
I.非常に古い、1950年代くらいまでのモデル
ロレックスといえども1950年代くらいまでの時計については資料が意外なほどに少ない分、文字盤やその他外装、ムーブメント等のオリジナリティ判断には豊富な知識と経験が必要となります。
またメンテナンスに関するリスクも高くなることから、お店によってその扱いに大きな差が出やすいといえるでしょう。
できることならこういった時計を多く扱っている、アンティークウォッチの専門店等に相談してみるのも手でしょう。
II.1950年代後半以降のベーシックなオイスター
1990年代に10万円以下でも買えるロレックス、初心者向けのロレックスなどと呼ばれて大いに人気を集めたオイスターデイト。
Ref,6694などについても、スポーツモデルのような派手さはないものの、それなりに相場が上がっており、自宅に眠っている時計に簡単に20万円以上の査定額が付いてしまう可能性があります。
かつては鮮やかなリダン文字盤、すなわち純正外で塗り替えが行われた文字盤にも一定の需要がありましたが、近年ではオリジナル、またはオリジナルに忠実なリフィニッシュしか扱わないお店が増えているため、注意が必要です。
III.レディースのドレスタイプやチェリーニ
特にコンディションの良い時計なら確実に需要はあるはずですが、一般的には買い手が付きにくい状況にあり、それゆえお店によって扱いに大きな差が出やすい傾向にあります。
極端な高額査定は難しい場合が多いですが、状態が良いものほど根気強く色々なお店に相談してみる価値があるといえます。
IV.デイトナを含む手巻きクロノグラフや複雑機構を持つモデル
広く知られるとおり、純正品である限りはすべてがプレミアムの対象となっています。
高い査定額を出してもらうためには、お店側に高度な専門性が必要なのはもちろん、実際に高額になることが多いため、資金力のある大手に相談されることをお勧めします。
世界中の熱心なコレクターたちによって続々と新たなレアポイントが発見され、新たなトレンドが生まれることで、流通価格も高額化する一方です。
4.ロレックス手巻きはアンティーク モデルならではの楽しみ
ロングパワーリザーブの流行によって、毎日のようにゼンマイを手で巻かなくてはならない古い手巻き時計は、淘汰の一途をたどっているように見えます。
手が掛かる古いものをいとおしく思う、大切に思う気持ちがもたらしてくれる特別な満足感。これはこれでまたすばらしいものであり、アンティークウォッチの楽しみそのものでもあります。
エイジングによって特別な個性をまとった時計の魅力。これに気付くことができれば、また違ったウォッチライフが待っているかも知れません。
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