ロレックスの自動巻き~パーペチュアル機構の成り立ちと影響
ロレックスの3大発明として広く知られる自動巻き機構。永遠を意味する「パーペチュアル」という名前でも呼ばれています。現在、多くの機械式時計に採用されている自動巻き機構は、パーペチュアルの影響によって生み出されました。
ロレックスの自動巻き機構は現代にいたるまでマイナーチェンジが繰り返されてきました。その進化は決して止まることはありません。 2024年時計の買取相場急上昇中!! さらに現在相場の影響で時計の価値が急上昇しています! 時計を売るなら今がチャンス! ロレックスやオメガなど買取なら「なんぼや」にお任せください。
ここでは、ロレックスの自動巻き機構の歴史や仕組みなどをご紹介します。
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ロレックスの自動巻き機構~その原点を振り返る
その歴史の初期から腕時計の時代の到来を信じて、腕時計の実用性の向上にまい進したロレックス。
その最初の成果として広く知られる世界初の完全防水時計、ロレックス オイスターが誕生したのが1926年のことでした。
当初2ピースであったオイスターケースは、リューズ、裏蓋をガスケットを挟んでミドルケースにねじ込むことで気密性を確保する構造を持っていました。
その後ベゼルを別部品として、3ピース構造となり、風防を内側と外側の両面から圧迫することで気密性を高める構造を持つようになり、その安全性を高めることに成功。
しかし、ねじ込み式リューズに不慣れなユーザーによる、ねじ込み忘れが原因となる水入り事故が後を絶たず、ロレックスはその対策に苦しむことになります。
リューズの閉め忘れを防ぐには、リューズ操作の頻度を減らせればいい。すなわち手でゼンマイを巻き上げる操作、時間の合わせ直しの頻度を減らせばいい。
こうしてロレックスは自動巻き機構の開発。そして更なる精度安定性を目指して研究に乗り出しました。
ロレックスの自動巻き ロレックスが開発した「全回転式ローター」
自動巻き機構自体は懐中時計の時代からあったため、特別に目新しいものでもありませんでした。
ロレックスの開発が画期的とされたのは、世界で初めて「全回転式ローター」による自動巻き機構を発明したためです。
全回転式ローターなら、ムーブメントの中央に固定された錘(おもり)を、自由に回転運動させてゼンマイを巻き上げることができます。ゼンマイを手巻きせずとも、腕に装着しているだけで時計を動かし続けることが可能になりました。
1931年、ロレックスは開発した自動巻き機構を「パーペチュアル(永遠の意)」と名付け、世の中に送り出しました。。
これが現代の自動巻き機構の原点になったのは、ここに繰り返すまでもないでしょう。
それまでのバンパー式は衝撃に弱く、故障しやすいものでしたが、全回転式はローターが回転することで受けた衝撃を分散できるため、強度も上がりました。腕の動きに対するゼンマイの巻き上げ量、すなわち巻き上げ効率の点においても有利になりました。
また、自動巻き機構を持つことによって、腕に装着している限りはゼンマイがほぼ全巻き上げの強いトルクを発生する状態で時計が動き続けることにました。これが精度の面にも好影響をもたらしたとされています。
ロレックスの自動巻き 原始的構造が生んだ味わい深い意匠~バブルバック
その当初、手巻きのムーブメントに自動巻き機構を重ねた構造を持っていたパーペチュアルは、どうしても厚みを持ってしまうことから、ローターと裏蓋に干渉しないようにと膨らんだ裏蓋を持っていました。
この特徴から、初期から1950年代半ばのCal.1030登場までの間に製造されたパーペチュアルは、「バブルバック」の愛称で世界中のコレクターから親しまれています。
1950年代からはケース径を大きくすることで厚みを減らした「セミバブル」と呼ばれるタイプも出てきましたが、1960年代には見られなくなりました。
ロレックスの自動巻き 両方向巻き上げ式という更なる革新
そして1950年代半ば。ロレックスはCal.1030の発表とともに新たな一歩を踏み出します。
それまで片方向のローターの動きのみでゼンマイを巻き上げていたパーペチュアル機構が、どちらの方向に回転しても等しくゼンマイを巻き上げることができるようになったのです。
これによって更なる巻き上げ効率の改善に成功したのは言うまでもありませんが、1958年頃にはCal.1530にて更なる進化を遂げます。
2つの大径のリバーシング・ホイールによって、両方向のローターの回転でゼンマイを巻き上げる自動巻き機構はさらに巻き上げ効率を高めました。
さらに1960年代の半ば以降、リバーシングホイールにアルマイト硬化加工を施し、耐摩耗性能の改善と軽量化を同時に成し遂げました。
この自動巻き機構がマイナーチェンジを受けながら現行のCal.3100系にまで採用されてきましたが、新世代のCal.3200系では2000年に登場したCal.4130に採用されたタイプの巻き上げ機構を進化させており、大容量になった香箱に対して更なる巻き上げ効率の改善に成功しています。
ロレックスの自動巻き機構の仕組み
機械式時計は電力を必要とせず、ゼンマイ仕掛けで作動します。巻き上げられたゼンマイが元に戻ろうとして動く力を使い、歯車を動かします。
手巻き式時計の場合はリューズを使ってゼンマイを巻きますが、ロレックスの自動巻き機構は手首につけたときの動きを使ってゼンマイを巻くのが特徴です。時計を振ることで内部にある分銅が回転し、時計を動かし続けることができます。
ロレックスは時計の精度を高める「ヒゲゼンマイ」を使用していることでも知られています。ヒゲゼンマイは時計の心臓ともいわれる「テンプ」というパーツの一部です。ヒゲゼンマイが伸縮することでテンプが回転し、時計が時を刻みます。
ほとんどの時計メーカーはニヴァロックスという会社のヒゲゼンマイを使用していますが、ロレックスやセイコーなどの一部メーカーのみが自社製のものを使用しています。
ロレックスのヒゲゼンマイは「ブルーパラクロムヒゲゼンマイ」と呼称されています。文字どおり真っ青な外観が特徴です。合金素材でできており、従来のものと比べて10倍の衝撃に耐えられるとされています。
Cal.3186以降のムーブメントにはブルーパラクロムヒゲゼンマイが採用されているようです。
ロレックスの自動巻き 全ての自動巻き機構の元祖として
全回転ローターの元祖であり、両方向巻き上げ式の元祖であるロレックスが、時計業界にもたらした影響は絶大なものであることは想像に難くないでしょう。
実際にロレックスのパーペチュアルの特許が切れた1950年代以降、全回転ローターを使用しなかったウォッチメゾンは皆無なのです。
もちろん、ロレックスの自動巻き機構には、ロレックスにしかない独自性があります。そのひとつが美しい仕上がりです。ほとんど人目に触れることのない部分にも、繊細な装飾が施されています。見えないところのクオリティも追及する、高級時計ブランドならではのこだわりが垣間見えるようです。もし目にする機会があれば、パーペチュアルの美しさをじっくり堪能してみましょう。
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