タイム・トゥ・ムーブ2019 ジャケ・ドローのすばらしき伝統
オートマタとグランセコンドこそ、ジャケ・ドローの個性が最も際立つプロダクトでしょう。
そんなジャケ・ドローにとっては、2019年のタイム・トゥ・ムーブにおいてお披露目された新作は、作るべくして作っただけのものかもしれません。
しかしその新作たちは、そこに集まったメディア関係者たちを沸かせるに十分な驚きを与えてくれたのです。
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伝統工芸品と呼ぶにふさわしいプロダクトたち
タイム・トゥ・ムーブのゲスト一行は、ラ・ショー・ド・フォンにあるジャケ・ドローの工房に通されました。
ピエール・ジャケ・ドローが製作した、貴重なオートマタたちの歓迎を受けた後、デザイナーとエンジニアが一体となって働くデザインスタジオ、オート・オルロジュリー部門での高度なムーブメント製造、クオリティコントロール部門、オートマタ組み立て部門、メティエ・ダール部門等のジャケ・ドローならではの作業風景を見学。
そして新作のプレゼンテーションです。
マジック・ロータス・オートマトン
高度なアートピースに特徴を持つジャケ・ドローのプロダクトは、熟練の職人の手作業による少数限定のモデルが多い傾向にありますが、直径43mm、厚さ17mmの小さなラウンドケースの中に、生命の輪を表現したという驚きに満ちたオートマタの大作、マジック・ロータス・オートマトンは、その典型といえるでしょう。
水の流れの中で優雅に尾びれを振り、蓮(はす)の葉や文字盤の下に見え隠れしながら泳ぐ鯉(こい)、色を変化させて四季を表現する蓮の花、蓮の葉の上に休んでパワーリザーブがゼロになったことを知らせるトンボ。
トランスパレントのケースバックから見えるムーブメントにも、並みならぬ繊細なデコレーションが一面に広がっています。
ジャケドローのメディエ・ダール部門が文字盤をひとつ作り上げるのに約210時間の作業時間を要するというこのマジック・ロータス・オートマトンは、ホワイトゴールドモデル、ローズゴールドモデルが各28本の限定で製作されます。
2.グラン セコンド クロノグラフ
ジャケ・ドローのフラッグシップといえるグランセコンドのコレクションに、クロノグラフが追加されました。
今回発表されたのは、ローズゴールドモデル1種類と、ステンレススチールケースにはシルバーダイヤル、ブルーダイヤル、グレーダイヤルをそれぞれ備える3モデルの合計4種類。
中でもローズゴールドのモデルは、グランドセコンドを生み出した同社の、古典への深い敬意にあふれるモデルであり、アイボリーカラーの二層高温焼成エナメルダイヤルには、3色のマルチカラープリントが施され、それぞれのインデックスと厳密に沿う鋭い針とともに、非常に高い判読性を持っています。
センターに配置されたクロノグラフ秒積算針、そして6時位置に配置されたクロノグラフの30分積算計はブルースチール。そして12時位置に配置された時分針と6時位置の30分積算計と同軸に配置されたレトログラード式のポインターデイト針はケースと同素材のローズゴールドで作られることで色分けされており、これに合わせてクロノグラフのインデックスはブルー、その他はブラックのプリントに統一されています。
グランセコンドのコレクションらしい12時位置、6時位置に配置されたインダイヤルの完璧なバランスとともに、ブランドロゴや限定番号などのエレメントのレイアウトも非常によく練られており、整ったデザインが際立つモデルです。
これに対して全体を30度回転させることでアシンメトリーでモダンにアレンジされたステンレスモデルは、より若い層に向けた提案といいます。
顔の回転とともにリューズも3時位置から4時位置に、また文字盤最外周のスイスメイド表記も4時位置を中心とする位置に移動されており、結果としてやはり落ち着いたバランス感覚を保っています。
搭載するのは定評あるブランパン(旧フレデリック・ピゲ)の1185をベースとして、クラシックなワンプッシュクロノグラフに、そしてアウトプットの調整のためのモディファイを加えたもの。
トランスパレントのケースバックからのぞくその姿は、上質な仕上げに満ちたものであり、ジャケ・ドローのこのグラン セコンド クロノグラフへの思い入れの強さを感じさせます。
ローズゴールドモデルは88本の限定として、スチールモデルはレギュラーラインとして販売されます。
変わらないこと、変わっていくこと
その他にもさまざまな新作を繰り出した2019年のジャケ・ドローですが、整備が進むスウォッチグループ内の様々な供給体制や連携体制の中、より自由にブランド哲学を表現できる環境にあり、その個性を存分に発揮するジャケ・ドローは、これまで以上に魅力的に見えてなりません。
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