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タイム・トゥ・ムーブ2019 ハリーウィンストンの驚異的コンプリケーション

タイム・トゥ・ムーブ2019 ハリーウィンストンの驚異的コンプリケーション

プラン・レ・ワットの工房を初めて公開して行われた、ハリーウィンストンのタイム・トゥ・ムーブ 2019は、たった一つの時計の存在によって、大変な熱気を帯びました。その中心にあったのは、4つのトゥールビヨンを使って調速する、恐らくは世界初の腕時計。
世界中のメディアが沸いたこの時計について、現時点で公開されているデータを元に迫ってみたいと思います。

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“4”の衝撃

今回のタイム・トゥ・ムーブでは、ジュネーブ州の南部に位置するプラン・レ・ワットにあるハリーウィンストンの時計工房に、初めてメディア関係者が招待されました。

キング・オブ・ダイヤモンドと呼ばれるハリーウィンストン。諸事情により工房内は撮影禁止であったとのことですが、それだけスウォッチグループにとってもこのタイム・トゥ・ムーブは、重要なイベントであったということでしょう。

ともあれ、ハリーウィンストンは今年も多彩な新作を用意して、その活動の活発ぶりをアピールしていますが、ここではその中から最も驚きに満ちた作品に焦点を絞ってご紹介したいと思います。

イストワール・ドゥ・トゥールビヨン 10

イストワール・ドゥ・トゥールビヨン 10

2009年に始まったイストワール・ドゥ・トゥールビヨン、その第10弾にあたるイストワール・ドゥ・トゥールビヨン 10が期せずして10年目にあたる2019年にお披露目されました。

そこでプレス関係者たちの前に現れたのは、4つのトゥールビヨンを一つの時計に収めたという、恐らくは世界初となる驚異的コンプリケーション。

縦39.1mm、横53.3mm、厚さ17.6mm、かつボックス型のサファイアクリスタルが開口部一杯に平面を形成するその弁当箱状のタイムピースは、手首に乗せられる限界とも思える巨大なものであり、とてもカフに収まるものではないでしょう。

幻想的な光景

3時位置の大きめのリューズでゼンマイを巻けば、横長のレクタンギュラーの4隅にシンメトリーに配置された4つのテンプが6振動/秒で振動を始め、かつこれらを囲んだ4つのトゥールビヨン・キャリッジが反時計回りに36秒で1周という速さで一斉に回り出す。

その幻想のような光景は唯一無二のものであり、プレス関係者によれば、その4つのトゥールビヨンが同時に一つの時を刻む音は極めて魅力的といいます。

YOUTUBEで “Histoire de Tourbillon 10” にて検索し、アップされたレポーターたちの動画をご覧になることをお勧めします。

全く新しいシステム

4つのトゥールビヨンは、完全に独立してそれぞれ時間を刻みますが、文字盤上右側に配置された2つのトゥールビヨンがディファレンシャルという複雑な仕組みで平均化され、そして左側の2つのトゥールビヨンもまた、ディファレンシャルで平均化されます。

そしてさらには左右2つのディファレンシャルのアウトプットを、センターのディファレンシャルが平均化することにより、初めてこの時計の調速が完了し、これをセンターの時分針が時刻を指し示します。

理論的にはすばらしい等時性が得られるはずですが、この壮大なるシステムを回すためには、やはり巨大で安定したトルクを発生する動力源が必要です。

このイストワール・ドゥ・トゥールビヨン 10では、トランスパレントの裏蓋を通してセンターに縦に並んだ2つの2重香箱が、3.2時間で一周というスピードで回転し、55時間に渡ってこの負荷に耐え抜く設計がなされています。

この673個のパーツからなる驚くべきシステムは、過去にもイストワール・ドゥ・トゥールビヨンの製作に関わってきたコンプリタイム(グルーベル・フォルセイ)の卓越した技術と大いなる冒険心に支えられて生れたものといいます。

2種類のゴールドケース、そしてオンリーピースの存在

2種類のゴールドケース、そしてオンリーピースの存在

この余りにも驚異的なイストワール・ドゥ・トゥールビヨン 10は、K18ローズゴールド製が10本、K18ホワイトゴールド製が10本。そして初登場となる特別なプラチナ合金、ウィンストニウムを使ったオンリーピースが製作されます。

その他にもプロジェクトZシリーズの最新作であるプロジェクトZ13や、その名も華やかなジュエリーピース、オーシャン・スパークリング・バイレトロ・オートマティック42mm、アヴェニュー・ムーンフェイズ コレクション、プルミエールのロータスやプレシャス・マイクロモザイク、プレシャス・ピーコックなど、「ダイヤモンドの王」にふさわしい、数多くの華やかなコレクションが登場しており、スウォッチグループの新たな取り組みである「タイム・トゥ・ムーブ」を大いに盛り上げました。

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