ロレックス チェリーニ~資産価値を歴代モデルと振り返る
スポーツモデルを中心として、オイスターばかりが注目を集める感の強いロレックスにあって、2014年にリニューアルされたチェリーニは、現代的ラグジュアリーウォッチとしての十分な魅力を備えたものとして、注目を集めています。
これまでほとんど日本語で書かれてこなかったチェリーニにまつわる物語と、中古市場における人気について、ここで触れてみることにしましょう。
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1.チェリーニ コレクションの起源
創業当初より腕時計の実用性を高めるべく、より頑丈でより高精度な腕時計を追い求めたロレックス。
その1世紀近くも貫いてきた信念と努力の成果は、現代のロレックス オイスターとして結実しており、今もなお驚異的な成長を続けながら「最新が最良」の神話を守り続けています。
しかしその傍らでロレックスは、オイスターとは異なるアプローチへの挑戦を事あるごとに繰り返しており、そうして生まれた時計たちにはオイスターに対して、ノンオイスターとしてコレクターたちには呼ばれています。
あくまでオイスターのプロフェッショナルウォッチを中心として人気を集めるロレックスのコレクションの中では、特に1960年代以降は際立った重要性を示すものは少ないと言わざるを得ず、その資料も極めて希少性が高い状況に有ります。
その中でも1975年頃登場し、現代にまで続くチェリーニの源流は、1960年代に1000本の限定で登場した、アシンメトリーケースと一体化したブレスレットをフィーチャーしたゴールドウォッチ、キング・ミダース、Ref.9630にあるのではないかと思われます。
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2.ハンス・ウィルスドルフ亡き後
かのジャック・イヴ・クストーの親友であり、創業者ハンス・ウィルスドルフの側近として、1950年代のサブマリーナやエクスプローラーにはじまるツールウォッチ開発の立て役者としても広く知られるルネ=ポール・ジャヌレ氏は、
顧客にロレックスの時計を複数所有してもらい、TPOやファッションに合わせて時計を着替えよう、との訴求アイディアを温めていましたが、これに1960年のウィルスドルフ没後、1963年に初のCEOに就任したアンドレ・ハイニガーが打ち出そうとしていたラグジュアリー路線と共鳴を始めたのです。
そのアイディアの具体化のためにロレックスが打診した相手は、マリリン・モンローやナタリー・ウッド、グレース・ケリーら、ハリウッドの黄金期を彩った女優たちの衣装担当を始め、ケネディー元大統領夫人であるジャクリーン・ケネディのファッションを担当して時代を超えてアメリカのセレブリティ・ファッションのアイコニックな存在となったオレグ・カッシーニでした。
この試みがロレックスの潜在的な力を呼び覚まし、ロレックスのラグジュアリーブランドとしてのイメージを高めることに大いに貢献したと言われています。
3.ラグジュアリー路線を象徴するタイムピースの登場
第二次世界大戦後、急激な成長を続けたロレックスには、オイスター以外のもっとラグジュアリーなコレクションも必要とルネ=ポール・ジャヌレは考えました。
そのニューコレクションを
「メンズ、レディースが共通のデザインを持ち、モダンで薄く、エレガントで流れるようなシェイプを持つ、クラシックなオイスターと対照をなすもの」
として、マエストロ・ジェラルド・ジェンタにデザインを依頼した、との説も有るようですが、そうすれば他の説と矛盾する部分が有り、現時点でこの件に関しては断定的な表現を避けざるを得ません。
ともあれ、こうして生まれたニューコレクションは、ギリシャ神話からインスピレーションを得て、手に触れたもの全てを黄金に変えてしまう伝説の王、ミダースの名を冠したものとなりました。
この時計が後のチェリーニの直接的な先祖となったようですが、このキング・ミダースにしてもチェリーニにしても、やはりオイスターほどの人気や影響力があるわけではなく、見つかる資料には曖昧で統一性に欠く内容が目立ちます。
これも諸説有るようですが、このオリジナルのキング・ミダースは1964年に1000本の限定で販売されたとされています。
その後もいわゆるノンオイスターモデルは製造が続けられますが、やはり薄型でフラットなモダンデザインのモデルがその主流を占めていたことに違いはないようです。
4.チェリーニの登場
そんなドレスタイプのノンオイスターモデルにチェリーニのネームが入るようになったのは、1970年代の半ばのことだったとされています。
チェリーニの名前はルネサンス期に活躍した、フィレンツェ生まれの伝説の彫金師、ベンヴェヌート・チェリーニの名にちなんだもの。
1960年代から引き継いでフラットで薄型、ラウンドやレクタンギュラー、スクエアやオーバル、トノー型など、非防水のゴールドケースならではの多彩なシェイプが、そのコレクションを彩りました。
「変える必要のない部分は変えない」
というポリシーを貫いていたオイスターコレクションに対して、より強く流行を反映して作られていたチェリーニ。
とりわけ1990年代の中盤くらいまでに作られたモデルは、21世紀のトレンドとは異なるコンセプトを持つものが目立ち、ロレックスらしい誠実な作り込みが光る名品であり、いわゆる、通受けのする側面も持ち合わせてはいますが、現在の中古市場では一般的な人気を集めるまでには至らず、特にゴールドケースとブレスレットを備えるモデル等は現状では外装の地金の買取額を上回ることができないものも多い状況にあります。
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5.変貌するチェリーニ
1990年代末以降には、ケースの直径はもとより、ベゼルを太く、ケースを厚くすることでボリュームを増し、より現代的なデザインに改めたほか、プラチナケースや象徴的なアイスブルー文字盤を採用したチェリニウムや、
大胆なツートンカラーのダイヤル、38mm径にまで拡大されたクッションケースの採用などで、古典の現代的解釈を試みたチェリーニダナオスなどのバリエーションが追加され、引き続きオイスターコレクションのような派手さは有りませんが、それでも広く一般からの支持を得るようになりました。
そして2008年には、1928年初出のドクターウォッチ、プリンスがチェリーニコレクションのバリエーションとして復刻されました。
80年の時を経て復刻されたチェリーニは、特徴的レクタンギュラーケースと、6時方向に独立したスモールセコンド、そして当時の流行であったアールデコのテイストが現代的なアレンジとともに散りばめられ、ロレックスならではの個性を際立たせるものとなりました。
この辺りのモデルはチェリーニの中でも比較的人気の高いものであり、中古市場でも比較的しっかりと価格の付くものといえるでしょう。
そして2014年には現行モデルが登場。
ホワイトゴールド、またはエバーローズゴールドの39mm径のケース。
鋭角的な細身のアルファ針と一ひねり加えた細身のインデックス。
ダブルベゼルとシンプルなラグからなるルックスは、現代的なラグジュアリーテイストと普遍性を併せ持ち、毎年のようにそのバリエーションを増やしてきました。
3針のみのチェリーニ・タイム。
3時位置のインダイヤルでデイトを表示するチェリーニ・デイト。
6時位置のインダイヤルでデュアルタイムと、デイ&ナイトを表示するチェリーニ・デュアルタイム。
そしてロレックスの時計として半世紀以上ぶりに復活した、ムーンフェイズを備えるチェリーニ・ムーンフェイズ。
これらに加えてベゼルやインデックスにジェム・セッティングが施されたバリエーションもそろいました。
これら現行のチェリーニについても、やはりゴールド製のドレスタイプであることに変わりはなく、スティール製のスポーツモデルのようにはいかないものの、世界中のセレブリティからの支持をしっかりと集めており、附属品のそろった美品であれば、定価の50%程度の買取額が期待できるでしょう。
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