【更新:2024年12月】ロレックスのケース交換について
腕時計の外装として、ロレックスのオイスターケースほど長い歴史を持つ傑作はそう多くないでしょう。
そんなオイスターケースをもってしても機能上の寿命は永遠ではなく、何らかの事情で交換されることがあります。
今回はロレックスのケース交換にまつわるお話をしてみようと思います。
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1.ロレックスのオイスターケースは類いまれなる傑作
よく知られているとおり、ロレックスのオイスターケースは、ベゼル、ミドルケース、裏蓋からなる3ピース構造となっています。
ミドルケースに裏蓋とリューズがガスケットを挟んでねじ込まれて気密性を確保するとともに、ミドルケースにはめ込まれた風防がベゼルによって外側からも圧迫されることで、オイスターケースは完全防水を実現しています。
また腕時計の実用性を高めるべく、タフネスを重視した設計を持つオイスターケースは十分な肉厚を持っており、かつ多少の傷であれば表面の研磨によって消してしまうこともできるように、研磨しやすい形状を持っていながら、そのスタイルはあくまでエレガント。
金属の塊をラグごと打ち抜いて鍛造で形成されるオイスターケースは、当初のずんぐりとした形状から徐々にラグが伸びるとともにスマートさを備えるようになり、1950年代には早くも現代のスタイルを確立していました。
これは伝説の創業者、ハンス・ウィルスドルフがそのキャリアの初期に、必ずや訪れる腕時計の時代のために、腕時計の実用性を高めるための創意工夫が生んだ傑作であり、オイスターケースの誕生から90年以上が経過した現代においても、これほどまでにシンプルでエレガントでタフな時計ケースはそう多くはないでしょう。
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2.ロレックスのケースの交換はサービスセンターに
これほどまでにすばらしいオイスターケースも、長年の使用に伴う度重なるメンテナンス、また表面の研磨によって痩せて、弱ってくることもあります。
特にサブマリーナーやシードゥエラーなどの高い防水性を持つ時計は、メーカー基準の防水性能維持を前提にすれば、ケースの寿命は短めになる傾向があります。
反対に防水性能の復活を望まず、表面の傷も気にしないとするなら、自動車に踏まれるくらいのことでもなければケース交換が必要となることはないでしょう。
オーナー自らが例えば痩せてしまったケースが気に入らないなどの理由でケース交換を希望すれば、ロレックスのサービスセンターはこれに応えてくれるはずです。
しかしこの時、ケースには時計1本1本に割り振られているシリアル番号が刻まれており、この扱いについては時代やモデルによって扱いが異なっていますが、現在ではシリアル番号が元のものと変わってしまう、となるでしょう。
しかしロレックスのサービスセンターでケース交換をする分には、オリジナルのシリアル番号と変更後のシリアル番号がセットで記録され、世界中のロレックスのデータベースと連動するようであり、その後についても安心です。
これはロレックスに限ったことではありませんが、少なくともクロノメーターを所得している個体にはムーブメントにも固有のシリアル番号が刻まれているはずです。
これはクロノメーター検定のためのテストが全てケースに収められていない状態で行われ、そのムーブメントひとつひとつに対してクロノメーターの称号を与える制度となっているため、ムーブメントひとつひとつを識別する方法が必要だからです。
ケース交換をロレックスのサービスセンター以外でやってしまいますと、その時計はケース番号とムーブメントに刻まれたシリアル番号がロレックスの出荷台帳と一致しない状態となります。
ロレックスに改造されたものとみなされるようになってしまい、修理を受けてもらえなくなります。
これは余談ですが、一度修理を断ったケースのシリアル番号、ムーブメントのシリアル番号もロレックスのデータベースに記録されているようです。
例えば一度番号不一致で断られたムーブメントを、元々のケースに戻して再度修理依頼を出しても、これも断られてしまうことになるようです。
3.難易度の高い贋物について
そして反対にロレックスが現在受け付けなくなった古いムーブメントを搭載したモデルについては、ケースとムーブメントの整合性に関するオリジナリティを確認する方法がない、となってしまうのです。
例えば1960年代前半のRef.1016、エクスプローラーについて、当時のCal.1560は原則としてロレックスがアフターサービスを終了しているムーブメントであり、そのコンディションがよほど良くて、しかもケースとムーブメントの整合性が取れた個体についてはまれに修理してもらえることもありますが、普通に良好な程度のコンディションであれば部品の供給が終了していることを理由に、修理を受けてもらえません。
ここで少し困るのは、エクスプローラーは1990年代、デイトナに引けを取らないほどの人気モデルであったことから、Ref.1016用の文字盤が単体で普通に手に入っていた当時、Ref.1601やRef.1600のデイトジャストとミドルケースが共通であることを悪用して、リファレンス番号を打ち換え、文字盤と風防を交換することで、当時でもデイトジャストの数倍の価格が付いた、番号の整合性からしか真贋が判断できないエクスプローラーが沢山出来上がってしまっているはずなのです。
4.ロレックスのサービスセンターは真贋判定の場ではありません
ロレックスはこの種の贋物に対しても部品の供給が終了しているとの表現のみで修理を断ってくる事実があります。すなわち今となってはこの種の改造品を特定する手立てがないとなってしまうのです。
もちろん、この乱暴なまでのプレミアが付いてしまったヴィンテージスポーツの真贋判定はロレックスの受けるべき業務ではないのでしょうが、こういったものの購入を検討する場合は細心の注意が必要です。
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