デイトナ「プッシュボタン」の変革!50m防水から100m防水へ
クロノグラフと言えば、主に計測を行う陸上スポーツで用いられることが多いため、防水性能は必須ではありません。
しかしながら、ロレックスは早くも1980年代にはプッシュボタンやリュウズの改良により防水100mを獲得。特に革新的だったのがプッシュボタンです。
防水性を高めるのが難しいとされるプッシュボタンの防水性100mというのは、世界屈指の技術力を持つロレックスだからこそ成し得たことです。
デイトナに装備されているプッシュボタン。ストップウォッチ機能を使用するためのこのボタンは防水性能の獲得が難しいものの、ロレックスは世界屈指の技術力により1970年代には50m防水、1980年代には100m防水を獲得。
どのような改良によって防水性能を獲得したのか、それはロレックスだからこそ成し得た業でした。
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プッシュボタンとは?
ストップウォッチ機能を有するクロノグラフはデイトナの最大の特徴であり、時計側面に3つの出っ張り(ボタン)が装備されています。
12時の方向にある(上部)ボタンがプッシュボタンで、ストップウォッチのスタートとストップの際に使用され、真ん中にあるボタンはリュウズで、時刻合わせやゼンマイを巻き上げる時に用います。
そして6時の方向(下部)にあるボタンはストップウォッチのリセットボタンで、これもプッシュボタンの1つです。
つまり、プッシュボタンはリュウズを挟んで上部・下部に装備され、ストップウォッチのスタート・ストップ・リセットを行うためのボタンで、クロノグラフが搭載された全ての時計に装備されています。
1960年代~1970年代における変革
デイトナにはもともとラウンドタイプと呼ばれるプッシュボタンが採用されていました。
1960年代と言えば、ロレックスはいまだクロノグラフの開発において試作段階であったことから、性能面よりも実用性を重視し、シンプルなプッシュボタンを搭載していたのです。また技術力が伴っていなかったことも要因の一つです。
それゆえ、防水性能が低く、日常生活において支障はないものの、使用の誤りなどによってプッシュボタンからの浸水が故障の原因となることがしばしばありました。
そこでロレックスは、1970年代にプッシュボタンの改良に取り組み、現行モデルに採用されているネジ込み式に変更。ネジ構造になっていることでネジを締めた状態では浸水の心配がなく、これにより50m防水を獲得。
ちなみに、リュウズにもネジ込み式が採用されていますが、これは世界に先立ってロレックスが開発した技術であり、その技術をプッシュボタンに応用したのです。
ネジ込み式の改良により100m防水を獲得
クロノグラフはもともと、レースなどのスポーツの競技用に開発されたものであり、通常、高い防水性は必要ありません。また、プッシュボタンを装備していることで浸水の可能性が増し、防水性能を高めることが困難であるため、現行のクロノグラフでも100m防水が一般的です。
1970年代にネジ込み式プッシュボタンを開発したことで50m防水を獲得したデイトナですが、1980年代になるとプッシュボタンのトップにまでネジ切りを長くし、新たに開発したトリブロックリュウズ(取り付け部・ケース内にパッキンを埋め込んだねじ込み式リュウズ)を搭載したことにより、現行品と同程度の100m防水を獲得。
1980年代において、防水100mを誇るクロノグラフは最先端であり、この技術は今でもなお数多くの時計メーカーの手本となっています。
デイトナのアンティーク時計が好きな方は、一度プッシュボタンの違いに着目してみてください。
ひとえにデイトナ(クロノグラフ)といっても、プッシュボタンをはじめ細かな点において様々な改良が行われていますので、細部にまで目を向けてみてください。
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