ロレックスのステータス性|種類別ランクについて
ロレックスの時計の種類の中で、ステータス性の高さのランクはどのようなものなのでしょうか。
時間を知るための道具として、その機能性を一途に磨き続けてきたロレックスには、ステータス性という言葉は本来あまりふさわしくないのかも知れません。
しかし時代は変わり、ロレックスはラグジュアリーウォッチの代名詞的存在となりました。
ここに改めて、ロレックスのステータス性について考察してみることにしましょう。
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本来ロレックスは実用品
ロレックスは腕時計が一般化する以前の時代から、腕時計に実用性を与えること、そしてその信頼性を極限まで高めていくことに一途に努力を重ねてきました。
そんなロレックスが目指してきたのはあくまでデイリーウォッチ、またはそのタフネスの追及の成果として得た高機能に特化したプロフェッショナルウォッチであり、この意味においては、ロレックスの時計はいわゆるラグジュアリーウォッチとは方向性が異なるといえるでしょう。
伝説の創業者、ハンス・ウィルスドルフ氏は、ロレックスの広告の一環として、第二次世界大戦中のスイス軍の最高指揮官、アンリ・ギザン氏に記念すべき50,000本目のクロノメーターを贈ったといいます。
その後も英国首相であったウィンストン・チャーチル氏、そして第34代アメリカ大統領、ドワイド・D・アイゼンハワー氏など、名だたる世界のリーダーたちにプロダクトを進呈。
ロレックスが目指した「良いイメージ」とは、華やかなハリウッドスターや富裕層のシンボルとなることではなく、世界中からの注目を集めながら、常に大きなプレッシャーの中で重大な決断を求められる、偉大なるリーダーたちからの信頼であったのです。
押しも押されもせぬ世界最大のウォッチメゾンにまで上り詰めた21世紀のロレックスは、タフネスと高精度を今なお追い続けながらも、多様化、複雑化を続ける消費者のニーズに応えるためにさまざまなコレクションを展開していますが、ここではロレックスの現行のコレクションに絞り、そのルーツや一般的なイメージなどを判断材料として、できるだけ客観的にそのステータス性のランキングを作ってみたいと思います。
ここに繰り返すまでもなく、同じコレクションの中にもさまざまなモデルが混在しています。例えばコスモグラフ・デイトナのスチールモデルのRef.116500LNとプラチナモデルのRef.116506とではまるで性格が別ではないか、という問題も有りますが、ここではあくまで巨視的な視点から、コレクション別に大枠を捉えるかたちで、できる限りシンプルに考えてみたいと思います。
代表モデルを年代順に振り返る
ロレックスは、主要なモデルに限っても種類が豊富です。1905年の創業以来、長い年月にわたり多くの人気モデルが誕生しています。
数ある人気モデルのうち、創業から約20年後の1926年に発表された代表作が「オイスター」です。その2年後には、フォーマルの場に適したドレスモデル「チェリーニ」が登場します。
さまざまなモデルの起点となる「オイスターパーペチュアル」の誕生は、オイスターの発表から5年が経過した1931年です。同モデルは、現在のロレックスに不可欠といわれる「オイスターケース」と「パーペチュアル機構」を搭載しています。
創業40年を迎える1945年には、現在も人気の高い「デイトジャスト」が発表されました。また、1950年代は、その後のロレックスの中核となる「エクスプローラー」「サブマリーナー」「GMTマスター」「デイデイト」が登場した時期です。
さらに、1960年以降も、レーシングウォッチで人気の「コスモグラフ・デイトナ」などが続きます。
ラインアップは大きく2系統
ロレックスのラインアップは、大きく「プロフェッショナルウォッチ」と「クラシックウォッチ」の2系統に分けられます。
プロフェッショナルウォッチは、ダイバーズウォッチをはじめプロフェッショナルなユーザー向けに開発された特殊モデルです。一方、クラシックウォッチは、ロレックスの王道デザインを継承したモデルを指します。
プロフェッショナルウォッチの代表的なモデルは、ダイバーズウォッチの「シードゥエラー」、マリンウォッチの「ヨットマスター」、強化耐磁性ウォッチの「ミルガウス」、アビエーションウォッチの「エアキング」などです。
クラシックウォッチの代表例としては、1945年登場の「デイトジャスト」が挙げられます。他には、ロレックスの頂点と評される「デイデイト」や2012年に発表された最新コレクションの「スカイドゥエラー」も、この系統のモデルです。
着用シーン別の分類
ロレックスを着用するシーンは、主に「ビジネスシーン」と「カジュアルシーン」があります。
ビジネスシーンに適しているとの声が多いモデルは、次の通りです。
- エクスプローラー
- デイトジャスト
- サブマリーナー・デイト
エクスプローラーは、シンプルなデザインがビジネス向きと好評です。また、デイトジャストはバリエーションが多く、スーツに合うモデルを見つけやすいと評されています。
カジュアルシーンには、次のモデルが適しているとの声が聞かれます。
- ヨットマスター
- コスモグラフ・デイトナ
- GMTマスターⅡ
これら3モデルは、いずれも華やかな雰囲気のあるデザインがカジュアル向きといわれる要素です。
文字盤デザインの種類も多彩
ロレックスは、文字盤デザインの種類も多彩です。主なバリエーションには、「シェル文字盤」「メテオライト文字盤」「ジュビリー文字盤」「フラワー文字盤」「モザイク文字盤」があります。
シェル文字盤は、天然の貝殻が素材です。光の具合で、色合いが変わる魅力を有しています。メテオライト文字盤は、宇宙由来の隕石を加工した稀少な種類です。それぞれの隕石で模様が異なるところに、大きな特徴があります。
ジュビリー文字盤は、「ROLEX」の表記が文字盤の全面に散りばめられたデザインです。コンピュータの基盤をイメージさせるため、「コンピュータ文字盤」とも呼ばれています。
フラワー文字盤は、花をモチーフにした模様が配されたタイプです。また、モザイク文字盤は全体に細かい筋が入り、麻の表面を思わせるデザインになっています。
ビジネスやプライベートで複数のデザインを使い分ければ、幅広いオシャレを楽しめるでしょう。
メンズロレックスの種類別ランク
1位 デイデイト
「偉大なるリーダーのための時計」として開発されたデイデイトは、ロレックスのもっともシンボリックなコレクションに他ならないでしょう。
このイメージを決定付けたのが、デイデイトを実際に愛用した第36代アメリカ大統領、リンドン・ジョンソン氏であり、ジョンソン氏がいつもデイデイトを愛用していたことが、アメリカにおいてデイデイトが「プレジデント」という名誉ある愛称で呼ばれるきっかけになったといわれています。
プレッシャスメタルのみで作られるデイデイトの中でも、プラチナケースのみに採用される淡いブルー文字盤、「アイスブルー」はその重厚さとクールな輝きで、ロレックスに憧れるすべての人々をひときわ魅了してきたものです。
2位 パールマスター
デイデイトと同様にプレシャスメタルのみで作られるパールマスター。
1992年にコレクションに加えられたパールマスターは、機械式時計復権の時代にロレックスによる新世代のラグジュアリーウォッチとして生まれ、多くの貴重できらびやかなジュエリーピースを生んできた点において、ある意味デイデイト以上に高いステータス性を持っているのかもしれません。
メンズコレクション以上にレディースコレクションでその存在を際立たせている感の強いパールマスターですが、その独特な5連ブレスレットの重厚な装着感と、ポリッシュ仕上げされた18Kゴールドの放つ輝きは、デイデイトとはまた異なる、非常に印象深いものです。
3位 スカイドゥエラー
2012年に登場した新しいコレクション、スカイドゥエラーは、国境を越えて活躍するエリートビジネスマンのためのツールウォッチとして、その高いステータス性を誇っています。
ロレックスならではの強じんなパーペチュアルムーブメントに、スマートな年次カレンダーとデュアルタイム機構を搭載したスカイドゥエラーは、1950年代にはロレックスのカタログから消滅していたコンプリケーションが、半世紀以上もの歳月を経て、初めてロレックスの厳しい基準に合致するタフネスを得たことのあかしとして誕生したもの。
直径42mm、厚さ14mmに及ぶ堂々たるサイズのオイスターケースには、現代のロレックスにおける最高技術がぎっしりと詰まっています。
4位 ヨットマスター
日本においてロレックスのスポーツモデルが注目を集め始めていた1994年、ロレックス初のスポーツラグジュアリーとして生まれたヨットマスター。
ひたすらに実用性ばかりを突き詰めてきたロレックスが、ヨットマスターを通じて表現した世界観はそれまでのロレックスには明らかになかったものでしたが、久しぶりに加えられたスポーツタイプのモデルとして、たちまち人気者の仲間入りを果たしました。
2007年にはロレックス第2のクロノグラフとしてヨットマスターIIが誕生、新開発のヨッティングタイマーによってヨットレースに特化させたこのモデルも、本気のレースで使うには重すぎる時計ばかりと思われ、こういった意味では従来のヨットマスター同様に、ラグジュアリーの要素が強いといえるでしょう。
ヨットマスターから連想されるのは、緊張に満ちたミッションではなく、くつろぎの水辺のリゾート。ヨットマスターには、シャンパングラスが似合う時計と言えます。
5位 GMTマスター
第二次世界大戦によって飛躍的な進化を遂げた航空技術は、戦後の航空便の国際化を加速させました。
異なるタイムゾーンを日々移動し続ける国際便のパイロットたちにとって、スケジュール管理は特に重要であり、ここに異なるタイムゾーンの時刻を同時に表示できる時計の需要が生まれました。
GMTマスターは1950年代当時、アメリカ屈指の規模を誇った航空会社、パン・アメリカン航空の要請によって開発されたのがはじまりといわれています。
多くの尊い人命を預かって操縦桿(かん)を握るパイロットは、健全さと知性を高度に兼ね備えたエリートのみが就くことを許される職業であり、誰もが一度は憧れるパイロットのためのツールとして生まれたGMTマスターは、ロレックスのプロフェッショナルウォッチの中でも常に特別なものなのです。
6位 コスモグラフ・デイトナ
モータースポーツに特化したクロノグラフとして生まれたデイトナ。
チーム一丸の集中力、技術力、そして冷静な判断力と勇気が勝敗を分けるモータースポーツの世界は、常に死と隣り合わせの厳しいものであり、その中で戦い抜くには、なにものにも負けない強い意志が必要です。
そんな緊張の連続の中で時間を刻んできたデイトナは、長年にわたってロレックス唯一のクロノグラフとして、やむことのないロレックス人気の高まりの中で、最重要モデルとしての歴史を刻んできました。
ロレックス、スイスウォッチといった枠を越えて、すべての腕時計の中で最高の人気と知名度を誇るデイトナこそ、まさに圧倒的な存在ということができるでしょう。
レディースロレックスの種類別ランク
レディースは、主に時計のサイズがメンズと異なります。とはいえ男性が着用しても問題はなく、小ぶりなモデルが好みなら男女を問わずおすすめです。上記ランキングと同様、あくまでも目安ではありますが、レディースロレックスのステータス性についてのランキングをご紹介します。
1位 デイトジャスト
デイトジャストのレディースモデルは1950年代に誕生しました。いわずと知れたロレックス三大発明の一つである「デイトジャスト」機能を備えています。
デイトジャストは、優れた機能性や堅牢性に定評があります。世界でもっとも多く所有されているとの声もあり、人気の高さは本物です。ベゼルやブレスレット、文字盤などのデザインが豊富で、お好みのものを探しやすいのも魅力。
2位 デイデイト
デイデイトは最上位モデルとして高いステータス性を誇る存在です。ケース径36mmは女性の着用にも適したモデルとして販売されています。もちろん、小ぶりながら、その存在感は際立ったものがあります。
素材にはゴールドやプラチナなどの貴金属を採用。ハイグレードなレディースロレックスを身に着けたいなら、デイデイトがふさわしいといえるでしょう。
3位 パールマスター
パールマスターは、レディースの中でも特にラグジュアリーな雰囲気を持つことで知られています。ステンレスモデルはなく、ゴールド系の貴金属が素材として使われています。
文字盤やベゼル、ブレスレットなどに宝石があしらわれていることも特徴です。ダイヤモンドをはじめ、サファイアやルビーといった石がきらめきを放ちます。
4位 ヨットマスター
ヨットマスターはセレブ向けに開発された、スポーティーなフォルムが特徴のモデルです。マリンスポーツの際にも身に着けられる、高い防水性能を備えています。
アクティブな趣味の場でも活躍する時計をお探しなら、ヨットマスターがふさわしいでしょう。金属製のブレスレットだけではなく、ラバーベルト風のオイスターフレックスブレスレットも選べます。
5位 オイスターパーペチュアル
オイスターパーペチュアルはエレガントであり、大人の女性向けといわれる時計です。デイトジャスト機能は搭載されていませんが、その分、シンプルなデザインを堪能できる点が魅力といえます。
文字盤のカラーも多彩なバリエーションから選べます。ピンクやブルー、イエローなど、お好みの色をチョイスしましょう。
ステータス性というものの捉え方も人それぞれですが
時代とともに人々がロレックスに求めるものは変化を続けています。機械式時計が生活必需品とはいえなくなった時代に発想されたコレクションの方が、潜在的に高いステータス性を持っていることがここに明らかになったといえるでしょう。
しかし、ロレックスが誇る高度なウォッチメイキング技術によって製造される現行コレクションは、どれもが完璧な外装と時計業界屈指の高精度を誇るものばかり。ツールウォッチとして日々使い倒すために作られてきたすべてのロレックスオイスターは、今や十分過ぎるほどにラグジュアリーウォッチとしての資質を備えていることを、疑う余地はありません。
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