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ロレックス査定の方法とポイント

ロレックス査定の方法とポイント

ロレックス査定のポイントとは何でしょう。
それは時計を初めて手に取った瞬間から始まっています。
手触りや重量感などから、どれだけの情報量を吸収できるか。

かつてコストがかかるとされていた製法の中には、工作機器の進化によって今では安価に実現できるものも少なくありません。
そしてこれが高品質の贋物を生む可能性に直結しているのです。

すべては日頃からどれだけ時計と向き合い、知識の吸収に努めているか。
短期間であればそうでもないかも知れませんが、これを長期間にわたって継続することこそ、重要なポイントであると考えられるでしょう。

何事も最初が肝腎

ロレックスの時計はお金になるもの。
これは多くの人々が共有している事実です。

現代のウォッチメイキング技術の進化はとどまることを知らず、かつて高度なものと認識されていた製法が、今ではより高品質で低単価、かつ大量生産できるようになっている例がたくさんあるのです。

長年使い慣れてきたルーペの向こうにある風景は、一見何も変わっていないように見えますが、実際は日々変化を続けています。

その変化を常に感じ、目に見えるものをどこまで信頼すべきかについて、常にその意識をアップデートし続ける必要があるのです。

ロレックスの査定に臨むとき、贋物に対する警戒心を持つことは常に必要ですが、もう一歩踏み込んで、まずは贋物と思って時計を手にすることが、より望ましいように思えてなりません。

時計を手に取ったときに感じられる重量感、本体とブレスレットの重量バランス、ブレスレットのしなり具合、表面の質感、エッジの立ち具合、そしてデザインバランス。

ルーペでのぞき込む前に感じられる、これらの感覚が与えてくれる情報は殊の外多く、少なくとも贋物の8割程度はこの時点で何かに気付くはずです。
ですから、まず手に取ったときの初めの感覚は、査定の際に大切にすべきものといえます。
多少立て込んでいても、ここは落ち着いて取り組みたいポイントです。

「なんぼや」はお客様に最適な査定結果を提供できるよう、さまざまな技術の習得に努めています。ぜひ一度お近くの店舗へお越しください。
「なんぼや」のロレックス査定について

どれだけ多くの時計と向き合い隅々まで観察してきたか

どれだけ多くの時計と向き合い隅々まで観察してきたか

ロレックスを手に取り、最初の段階をクリアーできたら、時計のコンディションを見ていきます。
どんなに珍しい、高価な時計であっても慌てず、まずコンディションを確認することが基本です。
ここでもまだルーペは不要です。

下手な業者が触ったものでもない限り、一部だけ極端にコンディションが落ちていることは少ないですが、中古であれば、全体コンディションの落ち具合のバランスに目を配ることをお勧めします。
これによって、その時計がどのような扱われ方をしてきたのかを想像することができます。

大切に扱われてきた印象を受けるものは、ムーブメントのコンディションも良好な場合が多いでしょうし、雑に扱われてきたものは思わぬところが想像以上にダメージを受けていたりするものです。

時計をやさしく拭き上げながら、表面の細かい傷や打痕などの有無を確認していきます。
サファイアクリスタル風防が付いた時計なら、エッジの欠けや表面の傷について、この段階で確認します。

お客様に一言、「リューズを操作してみても良いですか?」と断りを入れてから、リューズロックを解除、ゼンマイの巻き上げ、針回し、針位置、デイトの切り替わりなどについて確認します。
動きが重いときや違和感に気付いたときには、少なくともこの時点では無理な操作を行わないようにします。

手近にタイムグラファーがあるなら、お客様に一声かけた上でぜひ乗せてみましょう。
これでムーブメントのコンディションについてもほぼ把握できるはずです。

そして保証書等の付属品についても、内容をお客様と一緒に確認し、本体の番号と照合します。

この辺りで贋物であればほぼ気付くはずですが、よほど環境が特殊でもない限り、以上は全てお客様の目の前で行うのが基本です。

また高い専門性が必要な特殊な時計で、ほかのスタッフに判断を仰ぐ必要がある場合でも、少なくともこれまでの作業は、受け付けたその場で行うようにしたいものです。

ルーペを使ってディテールを確認

特殊なものでもない限り、ルーペで確認すべきは文字盤や針の品質とコンディションにほぼ集約されます。

例えば現行の普通のラッカーポリッシュ文字盤なら、せいぜい10秒もあれば終わる作業ですから、お客様の目の前で確認してしまいましょう。

しかし水気の侵入が懸念される場合、また秒針などに過去に触った痕が見受けられる場合等は別です。
状況によってはその場で裏蓋を開けてみることも必要になるでしょう。

必ずしもその場で全てを判断する必要はありません

必ずしもその場で全てを判断する必要はありません

アンティークウォッチ等の特殊な時計の場合はどうでしょう。

かつてメーターファーストなど、分かりやすい注意点しか存在しなかったサブマリーナーにも、今ではさまざまな細かい分類が行われるようになり、取引額にも影響が出るようになってきました。

例えば手巻きのデイトナ等に関しては、表面上の文字盤の印刷や文字のフォントの問題だけでは到底判断のつかない状況で、全体のコンディションやオリジナリティのバランスなど、あくまで総合的な判断が必要です。
いずれにしても最終的判断をその場で下すことはあまりにも危険なことと思われてなりません。

さらには天然石の装飾がある時計の場合、最近ではアフターマーケットのものの中にも極めて高いクオリティを持つものが増えてきており、最終的にはメーカーの出荷台帳と番号や仕様が一致するかを確認してもらう以外に方法がない場合も考えられます。

いずれにせよ、できる限りお客様の目の前で時計をしっかりと見て、調べたいことがあれば時計をお客様の目の前に置いてからバックヤードなどで調べること。
どうしてもお客様の目の離れる場所に持ち出す必要があるときは、必ず事前に了承を得ること、そして無理をしないことです。

迷いを確信に変えられるかどうかは、すべて本人の経験値や知識量にかかっていると言わざるを得ませんが、その場で確信できない場合はお客様に率直に状況を伝え、しっかりとしたコンディションレポートを作成してお客様と共有し、時計を預からせてもらうことが得策でしょう。

その際、問題がなければ幾らで買い取らせていただきます、と仮の査定額をその場で提示して、その金額でいったん了承してもらった上で預かることがポイントです。

何も決めておかなかったとすれば、例えば時計を紛失した、時計に大きなダメージを与えてしまった、などといった万一の非常事態の際に、お客様の言い値で買うしかなくなってしまう危険性があるからです。

ロレックス査定の学習に終わりはありません

以上、真贋に注意し、ものの種類と状態を把握できれば、幾らの査定額を付けるかについては、お店の在庫状況をはじめとする諸事情や、必要と予想されるメンテナンス料、そしてそのときのその時計の自社、または競合他社の販売価格等から、最適な金額が計算できることでしょう。

ロレックスの査定に必要ポイントは、

  • 沢山の時計としっかりと向き合うことで得られる経験値
  • 新しいものにも、古いものにも常に触れ続けようとする探求心
  • そしてわざわざ持ち込んでくれたお客様を不安にさせない細やかな配慮

と、考えて差し支えないでしょう。

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