ロレックス スプリットセコンド・クロノグラフ Ref.4113~史上最も高額なロレックス 第5位:2億6000万円
ロレックス唯一のスプリットセコンド・クロノグラフとしてその存在を知られるRef.4113。
1942年という製造年の古さに加えて、わずか12本という生産数の少なさが相まった、大変な希少性を誇るもの。
ここでは国際的なオークションにおいて常に熱い視線を集め、3度にわたってロレックスの最高落札額を更新してきた孤高のスプリットセコンド・クロノグラフに迫ってみましょう。
幻のスプリットセコンド・クロノグラフ
ロレックスが製作した、恐らく唯一のスプリットセコンド・クロノグラフが、このRef.4113です。
この時計は1942年に051313から051324までの連続するシリアル番号を与えられた12本のみが製造されたにすぎないとされています。これまで一度もロレックスのカタログや、広告に登場したことがないモデルであるといわれています。
現在、製造された12本のうち8本の現存が確認されていますが、それらの出所がことごとくイタリアのシチリアに絡んでいることから、1912年に始まった歴史あるカーレース、「ジロ・オートモビリスティコ・ディ・シチリア」の関係者によって、ロレックスにオーダーされたとの説が有力とされています。
なぜロレックスはスプリットセコンド・クロノグラフを作らないのか
コスモグラフ・デイトナの圧倒的人気によって、ロレックスとクロノグラフは比較的結びつきやすいイメージがありますが、実際はほぼ量産を前提とした商品開発しか行ってこなかったロレックスの全生産数を考えれば、クロノグラフはほんの一握りにすぎなかったはずです。
さらにスプリットセコンド・クロノグラフに至っては、その複雑なメカニズムから、あくまで実用本位を貫くロレックスというブランドとは親和性が低かったと考えるのが自然でしょう。
Ref,4113について
Ref.4113の最大の特徴として、30ミリ~34ミリ程度のケース径が一般的であった1940年代当時の時計としては、あまりにも大きな44ミリ径のケース径が挙げられます。
これは開発当時、懐中時計用として考えられていたスプリットセコンド・クロノグラフ・ムーブメント、バルジュー55VBRという、ムーブメントだけで直径が40ミリあるムーブメントを採用していることが、その最大かつ唯一の理由といえるでしょう。
このバルジュー55VBRは、その大きさにもかかわらず、優れたスプリットセコンド・クロノグラフとして1940年代前後に様々なウォッチメゾンによって腕時計に採用されています。
2時位置のプッシュボタンを押すたびにスタート、ストップ、リセットの動作を繰り返すワンプッシュ・クロノグラフに加えて、リューズと同軸にスプリットボタンを備えるというこのムーブメント本来の姿に対して、ロレックスのRef.4113のみが独立したリセットボタンを4時位置に持つ、2プッシャーのクロノグラフとなっている点は特筆すべきでしょう。
ロレックスの最高落札額を記録し続けた時計
大変な希少性を持つRef.4113は、国際的オークションに登場するたびに大変な落札額をマークしてきました。
2016年5月のフィリップスのオークションにおいてRef.4113としての歴代最高落札額、2,405,000スイスフランを記録した051314というシリアル番号が刻まれた個体は、1996年のクリスティーズに加えて2013年のクリスティーズにも出品されており、2013年に記録した1,107,750スイスフランと2016年に記録した落札額は、ともに当時のロレックスの最高落札額となっています。
タイムレスな存在価値
1980年代後半の機械式時計の復権以降、トゥールビヨンや永久カレンダーをはじめとする複雑機構にスポットが当てられるようになりました。
スプリットセコンド・クロノグラフのムーブメントが持つ2つのコラムホイールや長いレバー類が織りなす美しい意匠は、それだけでも十分に魅力的です。これにロレックスの希少モデルとしての至高の希少性が加わったこのRef.4113は、年輪を重ねるほどに魅力を増していくに違いありません。
現在ブランド時計の買取相場が上がっています
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