ロレックス コスモグラフ デイトナ「ザ・レジェンド」 Ref.6263~史上最も高額なロレックス 第4位 約4億1000万円
高額で落札されたロレックスの第4位にランクインしたのは、イエローゴールドケースにスクリューダウンのプッシュボタンを備えるオイスターケース、レモングレーンの文字盤の全てを備える
Ref.6263です。
このデイトナファンが最も望むこの仕様は、プロトタイプとして少量が製作されたに過ぎず、国際的に「ザ・レジェンド(伝説)」と呼ばれる、至高の希少性を誇るものです。
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ロレックス コスモグラフ デイトナ 誰もが憧れた「ザ・レジェンド」の発見
「スクリューダウン式のプッシュボタンを得て、コスモグラフ・デイトナの文字盤にも “OYSTER” の表記が入るようになって以来、ゴールドケースとポール・ニューマンダイヤルの組み合わせは製造されなくなった。」
これが世界中の時計ファンが長年にわたって共有していた定説でした。
手巻きムーブメントを搭載していた時代のデイトナのマイナーバリエーションであった、ポール・ニューマンダイヤルの魅力はここに繰り返すまでもありません。
クロノグラフのプッシュボタンにもロックが追加されたことで外装が強化されたRef.6263やRef.6265は、ロレックスの個性をより強調したバリエーションとして、初期のRef.6239やRef.6241などよりもコレクターに高い評価を受けています。
さらにはそのハイエンドモデルであるゴールド製は当然のように、常にスチールモデル以上の評価を集め続けています。
しかしこれら3つの条件を兼ね備えた「夢のデイトナ」が実在しない。
これはデイトナを追い続けるコレクターにとって、あまりにも夢のない話ということができるでしょう。
ロレックス コスモグラフ デイトナ「ザ・レジェンド」、国際舞台へ
しかし2013年にジュネーブで開催されたアンティコルムのオークションにおいて、その「夢のデイトナ」が国際的大舞台に初めて登場したのです。
プロトタイプとして紹介されたその個体には、1969年頃の製造と思われる2330402という、Ref.6263としてはかなり初期のシリアル番号が刻まれており、このリファレンス番号を与えた時計の、意匠が固まるまでの試行錯誤の中で生まれたものと考えれば、確かに存在してもおかしくないと思えるものでした。
ロレックス コスモグラフ デイトナ 特徴的「レモングレーン」文字盤
全ての関係者やコレクターたちをまずくぎ付けにしたのは、「レモングレーン」と呼ばれる淡いイエローの表面を荒らした肌を持つ、ユニークな文字盤でしょう。
イエローゴールドモデル用としてケースと同素材のアワーマーカーが配置され、ブラック地にホワイトプリントのセコンドトラック、ポール・ニューマンダイヤルならではの印象的なインデックスを持つブラックのインダイヤル。さらにはスクリューダウンのプッシュボタンを備えるデイトナのみが持つ “OYSTER” 表記。そしてロゴの書体やダイヤルのバランスなどのディテールに至るまで、全てに渡って隙のないものでした。
そして初期のタイプのベゼルとプッシュボタン。そしてキャリバー727の全てを完璧に備えていました。
その個体は世界中の熱心な研究家たちによって、確かに1969年当時の最初期のRef.6263のディテールを完璧に備えていることが共有されました。
さらにはその2013年のオークションにおいて、約9,000万円という、当時としては驚がくの高値で落札されたことで、「夢のデイトナ」は実在することが共有されるに至りました。
そして熱心なコレクターの国際的コミュニティーはもう一本の「レモングレーン」のデイトナを発見し、ヴィンテージロレックスの研究家として名高いプッチ・パパレオ氏による著書、”THE ULTIMATE ROLEX DAYTONA” にも “THE LEGEND” として取り上げられました。
2017年、そんな2本しか現存する個体が見つかっていなかった伝説的デイトナの3本目が発見され、5月に開催されるフィリップスのオークションに出品されるとのニュースが流れました。
その個体は2330529という、これまで発見された2本と非常に近いシリアル番号が打たれている上に、これまでの2本と全く同じディテールを持っていました。
これが3,717,906USドルにまで上り詰め、当時のデイトナとして史上最高値を更新してみせたのです。
ロレックス コスモグラフ デイトナ “THE LEGEND”底知れぬ魅力が生み出す罠
公開されているレモングレーン文字盤の画像をよく観察すれば、量産され、一般市場に出回った文字盤となんら違いのないクオリティを持っていることに気付くことでしょう。
すなわち、量産品と同じ生産ラインを使用して製造されたものであると考えるのが自然です。とすれば生産数として3枚というのはどう考えても少なすぎると考えざるを得ないでしょう。
実際にケーシングされたのが極少数であったとしても、もしかするとレモングレーン文字盤のストックは、どこかにまだストックされているのかもしれません。
初期のRef.6263やRef.6265のゴールドモデルで、現存するザ・レジェンドに近いシリアル番号を持つ個体のうち、どんなコレクターのコミュニティーにも存在を知られていない個体が存在し、その時計に何らかの方法で手に入れた「オリジナルの」レモングレーン文字盤が組み込まれたとすれば、誰がその真贋を見抜けるというのでしょうか。
一度4億円もの価格で落札された時計と同じ時計が再度国際舞台に登場したとすれば、やはりその半値くらいでは落札されそうなものです。そうなれば少なくとも数千万円の利益が出せる可能性があるのです。
巨大なプレミアを伴うヴィンテージロレックスの査定が難しいのは今始まったことではありませんが、厳密な意味でのオリジナリティについては、結局ロレックスが保管しているであろう出荷台帳にしか、その答えは書いていないのです。
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