オメガのリオオリンピックモデルが人気!歴代の公式モデルもご紹介
オメガは1932年以来、90年の長きにわたってオリンピックのオフィシャルタイムキーパーを努めています。オリンピックを記念し発売された数々の限定モデルを、オメガとオリンピックの歴史とともにご紹介します。
オメガがオフィシャルタイムキーパーとなるに至った歴史
オメガは1932年のロサンゼルス大会以降、オリンピックにおいて長くオフィシャルタイムキーパーを務めています。以下では、オフィシャルタイムキーパーの概要や、オメガがオフィシャルタイムキーパーとして歩んできた歴史について解説します。
オフィシャルタイムキーパーとは
オフィシャルタイムキーパーとは、スポーツの競技大会において競技に関係するすべての時間を計測する役割のこと。通常、大きな大会では有名な時計会社がオフィシャルタイムキーパーとして選ばれます。
具体的には、競技時間の計測と競技の記録となる時間を計測するのがオフィシャルタイムキーパーの仕事です。陸上競技などでは、フライングの検出などを担当することもあります。スポーツ競技ではコンマ数秒の違いが記録に影響するため、オフィシャルタイムキーパーの役割は非常に重要です。
オフィシャルタイムキーパーのメーカーとして選ばれるための条件のひとつが、「計測技術に優れ、精度の高い時計を開発していること」です。また、世界的な大会で時間の計測を行うため、世界中の人が納得できるほど技術力の認知度が高いことも求められます。そのため、技術力だけではなく、時計業界への貢献や歴史が認められていなければ、オフィシャルタイムキーパーとして選ばれることはありません。
時計メーカーにとって、オフィシャルタイムキーパーとして選ばれることは単なるスポンサーとは異なる大きな意味を持ちます。技術力とブランド力の証明となるため、宣伝効果が極めて大きいのです。多くの場合、大会のオフィシャルタイムキーパーとして選ばれると記念モデルが発表されます。
オリンピックのオフィシャルタイムキーパーが有名ですが、その他の大きなスポーツ大会にはオフィシャルタイムキーパーが抜擢されます。代表的な例が、FIFAワールドカップやゴルフ・テニスの国際大会です。いずれも、ウブロやロレックスなどの有名時計メーカーがオフィシャルタイムキーパーを務めています。
オリンピックのオフィシャルタイムキーパーは大会ごとに1社に統一されます。この背景には、時間計測の基準を1社の基準に統一し、競技による計測時間の誤差を可能な限り小さくする目的があります。
オリンピックの歴代オフィシャルタイムキーパー
2022年の北京オリンピックまでにオフィシャルタイムキーパーを務めてきた歴代のメーカーを紹介します。初期の大会ではオフィシャルタイムキーパーがついていないこともありますが、近年のほとんどの大会では有名メーカーがオフィシャルタイムキーパーとして参加しています。
夏季オリンピック
回 | 開催年 | 開催地 | オフィシャルタイムキーパー |
1 | 1896 | アテネ | ロンジン |
7 | 1920 | アントワープ | ホイヤー |
8 | 1924 | パリ | ホイヤー |
9 | 1928 | アムステルダム | ホイヤー |
10 | 1932 | ロサンゼルス | オメガ |
11 | 1936 | ベルリン | オメガ |
14 | 1948 | ロンドン | オメガ |
15 | 1952 | ヘルシンキ | オメガ |
16 | 1956 | メルボルン | オメガ |
17 | 1960 | ローマ | オメガ |
18 | 1964 | 東京 | セイコー |
19 | 1968 | メキシコシティ | オメガ |
20 | 1972 | ミュンヘン | ロンジン、ユングハンス |
21 | 1976 | モントリオール | スイスタイミング |
22 | 1980 | モスクワ | スイスタイミング、ホイヤー |
23 | 1984 | ロサンゼルス | スイスタイミング |
24 | 1988 | ソウル | スイスタイミング |
25 | 1992 | バルセロナ | セイコー |
26 | 1996 | アトランタ | スウォッチ |
27 | 2000 | シドニー | スウォッチ |
28 | 2004 | アテネ | スウォッチ |
29 | 2008 | 北京 | オメガ |
30 | 2012 | ロンドン | オメガ |
31 | 2016 | リオデジャネイロ | オメガ |
32 | 2020(2021) | 東京 | オメガ |
冬季オリンピック
回 | 開催年 | 開催地 | オフィシャルタイムキーパー |
4 | 1936 | ガルミッシュ・パルテンキルヒェン | オメガ |
5 | 1948 | サンモリッツ | オメガ |
6 | 1952 | オスロ | ロンジン |
7 | 1956 | コルティナ・ダンペッツォ | オメガ |
8 | 1960 | スコーバレー | ロンジン |
9 | 1964 | インスブルック | オメガ |
10 | 1968 | グルノーブル | オメガ |
11 | 1972 | 札幌 | セイコー |
12 | 1976 | インスブルック | スイスタイミング |
13 | 1980 | レークプラシッド | スイスタイミング |
14 | 1984 | サラエボ | オメガ |
15 | 1988 | カルガリー | オメガ |
16 | 1992 | アルベールビル | オメガ |
17 | 1994 | リレハンメル | セイコー |
18 | 1998 | 長野 | セイコー |
19 | 2002 | ソルトレーク | セイコー |
20 | 2006 | トリノ | オメガ |
21 | 2010 | バンクーバー | オメガ |
22 | 2014 | ソチ | オメガ |
23 | 2018 | 平昌 | オメガ |
23 | 2022 | 北京 | オメガ |
このように、オメガは多くの大会でオフィシャルタイムキーパーを務めています。一方で、他のメーカーが選ばれることも決して少なくはありません。日本のメーカーからは、セイコーが何回か抜擢されています。
スイスタイミングは、オメガとロンジンが共同で設立した競技計時の専門会社です。2022年の北京オリンピック時に、オメガ公式は「30回目のオフィシャルタイムキーパー」と発表しました。30回のうち6回は、スイスタイミングでオフィシャルタイムキーパーを務めた経験です。
オメガがオリンピックのオフィシャルタイムキーパーとなった背景
オメガとオリンピックの歴史は、1932年のロサンゼルスオリンピックにさかのぼります。それまでのオリンピックではオフィシャルタイムキーパーの役割は存在していましたが、計時の機器に複数のメーカーのものを採用しており、精度が統一されていませんでした。そのため、ロサンゼルス大会では単独のメーカーをオフィシャルタイムキーパーとして起用し、競技ごとの精度を統一する計画が立ち上がったのです。
オメガは当時から精度が高い時計を開発しているメーカーとして高く評価されていました。世界的な信頼も十分であり、ロサンゼルス大会のオフィシャルタイムキーパーとして選ばれたのは当然の流れといえます。
ロサンゼルス大会では、オメガが開発した30のクロノグラフが用いられました。担当したのは、なんとたった1人の時計技師です。この大会がきっかけとなり、オメガはその後ほとんどのオリンピック大会でオフィシャルタイムキーパーを務めています。
オメガがオリンピックに持ち込む最新技術
オメガがオリンピックで使用するのは、時計だけではありません。さまざまな技術を、計時システムとして持ち込んでいます。
電子スターティングピストルはそのひとつ。陸上競技の多くには、スタートを選手に知らせるためのピストルが使用されます。従来のピストルはピストル本体から発せられる音によってスタートを知らせていました。そのため、ピストルに近い選手ほど音を先に聞くことになり、有利になっていたのです。電子スターティングピストルは、引き金を引くと同時に選手後方に設置されたスピーカーから音が再生されます。選手全員が同時に音を聞くことになるため、フェアなスタートが実現されました。
オリンピックでは、選手がクラウチングスタートをするためのスターティングブロックもオメガが持ち込んでいます。このブロックにはスピーカーが内蔵されているほか、センサーが組み込まれている点が特徴です。選手によるフットレストへの負荷を1秒間に4,000回計測し、連携しているコンピューターにデータを送信するため、フライングを正確に感知します。
歴代オリンピック公式モデルの紹介
オメガはこれまで多くのオリンピック公式モデルをリリースしてきました。オメガファンや腕時計ファンの間では、こうした公式モデルがコレクターアイテムとなっています。以下では、代表的な公式モデルであるリオオリンピックモデルや、他のモデルを紹介します。
リオオリンピックモデル
「シーマスター ブルヘッド リオ リミテッドエディション」は、オメガの代表的なダイバーズラインである「シーマスター」にオリンピック五輪の色を使用した限定モデルです。316本のみの限定数で生産されました。ケースバックに、リオデジャネイロ大会のロゴが刻印されている点が特徴です。
「スピードマスター マークⅡ リオ 2016 リミテッドエディション」は、1969年に発表された「スピードマスター」の二代目である「スピードマスター マークⅡ」のリオデジャネイロ大会限定モデルです。2,016本のみの限定生産モデルとなっています。インダイヤルの周辺に金・銀・銅というオリンピックのメダルカラーを採用しています。
歴代オリンピックモデル
記憶に新しい2020年の東京オリンピックでも、公式モデルが発表されています。
「シーマスター ダイバー300M “東京2020”」は、ブルーのベゼルリングが印象的なモデルです。ケースバックに転写されたオリンピックのエンブレムも印象的です。
「シーマスター アクアテラ 東京2020 リミテッド エディション」は、東京オリンピックのエンブレムから着想を得たデザインがダイヤルに採用されています。ケースバックには限定生産を示す番号が刻印されています。
オメガとオリンピックの関係は続く
オリンピックと密接な関係を続けてきたオメガ。単に精度の高い腕時計を開発しているだけでは、長い期間に渡ってオフィシャルタイムキーパーとして活躍することはできなかったでしょう。その背景には、オメガがオリンピックに対して献身的に貢献してきた歴史があります。これからのオリンピックでもオメガがオフィシャルタイムキーパーとして起用されることが予想されます。オリンピックを観戦されるときは、オフィシャルタイムキーパーがどのように関わっているのかに注目してみると興味深いかもしれません。
今回ご紹介した限定モデルのほか、オメガのオリンピック公式モデルは中古市場でも安定した価値を維持しています。お持ちになっている公式モデルの価値を知りたい方は、売却を検討している方は、ぜひ買取店の「なんぼや」にご相談ください。