後悔しないグランドセイコーの腕時計選び!事前に知るべきデメリットとは?

グランドセイコーがどのような腕時計ブランドなのかを知っておけば、購入の際のヒントになります。また、正しい認識の元で買えれば、後悔もしないでしょう。
それを踏まえて、ここではあえてグランドセイコーのデメリットとも取れる点について解説します。一般的に、グランドセイコーには以下のようなイメージがあります。
- デザインが目立ちにくい
- 時計好きの人に人気
- 高額な部類に入る
- 資産価値やステータス性が低い
上記はすべて間違いではありません。しかし、必ずしもすべてがデメリットであるかと言えばそうではなく、それは“人による”というのが正解です。詳しく見ていきましょう。
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グランドセイコーの腕時計の特徴
グランドセイコーは140年もの歴史を誇る老舗時計メーカー「セイコー」が1960年にスイスの高級時計に対抗する形で開始した国産の高級時計になります。1967年の自動巻き腕時計「62GS」。1968年にマジックレバー方式の高精度自動巻きモデル「61GS」を発表し、世界で勝負できる高級時計を開発していきました。
グランドセイコーの腕時計は、「9Sメカニカル」「9Fクォーツ」「9Rスプリングドライブ」という3種類の駆動方式を使い分けています。
9Sメカニカル
時計の精度を支えるてん輪はアンクルの運動を制御し、また、振動を一定速度に保つ役割を果たす部分になります。回転を安定させるため、9Sメカニカルでは通常2~3本の支柱を4本に増設して、精度と安定性を上げています。9Sメカニカルは他社の時計と比べても高い精度を誇り、一般的な機械式時計の誤差が±10秒~20秒の中、グランドセイコーの9Sメカニカルは1日あたり+5秒~3秒の誤差を可能にしています。
機能面では第二時間帯もしくは第三時間帯の時刻を文字盤上で表示させる「GMT機能」や瞬時に日付を変える「瞬間日送り機構」なども搭載しています。
9Fクォーツ
ツインパルス制御モーターというエネルギーを節約しながら大きな駆動力を持っているモーターを搭載しており、トルクの弱いクォーツ式時計で太く重い針を使用することを可能にしています。駆動力の高いモーターを搭載しながら、超低電力の温度補正をしているので、一般的なクォーツ式時計よりも電池寿命が長いのも特徴になっています。
また一般的なクォーツ式時計は精度の微調整ができないようになっていますが、9Fクォーツは緩急スイッチを搭載しており、精度の微調整ができるようになっています。ただし、グランドセイコーの水晶振動子は品質が高いため、緩急スイッチの出番はほぼないといわれています。
9Rスプリングドライブ
機械式とクオーツ式のメリットを併せ持つスプリングドライブですが、9Rスプリングドライブは「トライシンクロレギュレーター」という独自の調速機構を搭載しています。ぜんまいという機械的な力で発電し、わずかな電気を使い、水晶振動子を動かし、正確な信号を発信し、断続的に磁力のブレーキをかけて、一定の速度を保っています。機械式時計とクオーツ式時計の良いところを兼ね備えた9Rスプリングドライブは400部品以上の精密機器を職人が1つ1つ手作業で加工・調整しています。
シンプルなデザインが物足りないことも
グランドセイコーの腕時計は、シンプルなデザインが多い傾向にあります。そのため、他の高級時計に比べると地味な印象を受けるかもしれまえせん。
しかし、デザインというのは人それぞれの好みによるところが大きいですし、シンプルだからといってダサいということは決してありません。主張の少ないデザインが逆にシックでかっこいい、と感じる人もいらっしゃいます。
また、華美な装飾がないということは、さまざまな場面で使いやすいということ。ビジネスシーンはもちろん、カジュアル使いにも最適。その意味では、メリットとも言えるでしょう。
グランドセイコーのメリット・デメリットを比較
メリット | デメリット |
---|---|
高精度なムーブメントと日本製の信頼性 | 一部のモデルは価格が高め |
独自のデザインと美しい仕上げ | 海外ブランドと比べると認知度や人気などブランド力に差がある |
長期的に使える耐久性とメンテナンス体制 | シンプルなデザインだからこそ代わり映えがしないと思われることがありサイズや重さで好みが分かれることも |
高級時計に分類される価格帯でもコスパ良し?
グランドセイコーの腕時計は、安くても数十万円からの価格設定です。決して安いとは言えない金額ですので、気軽に買えるものではありません。
しかし、時計好きの人からすると、同ブランドは非常にコスパが良いとも言われています。その理由は、職人が一つひとつ手作りで製作を行うことで実現する圧倒的な品質にあります。
実際のところ、グランドセイコーと同じ品質・機能を持った高級時計と比べれば、同ブランドのモデルは安価な部類に入ります。もちろん、高い時計には品質・機能以外の付加価値があるからこそ高額にはなっているのですが、単にスペックでコスパを比較してみれば、グランドセイコーはかなりの優等生と言えるでしょう。
ステータスよりも実用性を求める方におすすめ
最後に認知度の部分を掘り下げてみましょう。たとえばロレックスやオメガといった海外時計ブランドに比べると、グランドセイコーの名前はそこまで知られていない、というのが事実です。セイコーも広告活動に力を入れ、認知度向上を図ってはいるのですが、高級時計の代名詞に仲間入りするのにはまだまだ時間がかかるでしょう。
ただし、前述のとおりグラインドセイコーの品質自体は決してその他の高級時計に劣るものではありません。むしろ、時計好きから高い評価を得ているということは“知る人ぞ知る名品”であるとも言えるのです。腕時計にはステータスではなく実用性を求める、という方にとって、これほど最適な時計もありません。
グランドセイコーは後悔する?
ネットやSNSなどを見ていると「グランドセイコーは買っても後悔する」という意見があります。
後悔するといわれている大きな理由は予算にあります。グランドセイコーは海外の高級時計に対抗するために登場した国産の高級時計になるので、価格帯も数十万~数百万となっており、一番高いモデル「Kodo」は5000万円近くになります。そのため、同じ価格帯の高級時計を購入するのであれば海外の高級時計を買った方がよいという意見もあるようです。
また、グランドセイコーのデザインは品位ある非常にシンプルなデザインになっています。モデルによって大きな違いがないので、ゴツいデザインや派手なデザインを求める人は合わないかもしれません。
投資商品としての資産価値は低い
最後に、投資商品として見たグランドセイコーについても見ていきましょう。実際のところ、同ブランドのモデルが定価以上の買取になったケースはほぼ無いようです。そのため、値上げを期待して購入すると後悔することになるでしょう。
ただし、全般的にリセールバリューが高いというのも、グランドセイコーの特徴です。時計の中古買取価格はおおよそ定価の10%が相場とされています。一方、グランドセイコーは定価の半額程度の値が付くことも珍しくありません。
グランドセイコーを購入して後悔しないためには、「自分に合ったモデル選び」と「購入前の情報収集」が大切です
たとえば、高級時計を投資商品として見ていたり、誰かに自慢したいと考えたりする方の場合、グランドセイコーの購入は後悔につながるおそれがあります。一方、普段使いができる長寿命の一生物の時計が欲しいと考えているのであれば、グランドセイコーを選ぶことで大きな満足感を得られるでしょう。
このように、時計を選ぶ際は、ご自身が何に価値を感じるかをしっかり考えることが大切です。後悔をしないよう、じっくりご自身と向き合ってみてください。