SIHH 2019 ヴァシュロン・コンスタンタンの革新的パーペチュアルカレンダー
2019年のSIHHにおいて、ヴァシュロン・コンスタンタンはアクティブモードとスタンバイモードの切り替えによって、最大2か月以上という前代未聞の超ロングパワーリザーブを実現。本来高い実用性を発揮すべき永久カレンダー搭載機に、新たな未来を与えました。
ここではその革新的メカニズムの概要について、触れてみることにしましょう。
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ヴァシュロンらしい、ハイエンドピースを核としたラインナップ
スポーツラグジュアリーの象徴であるオーヴァーシーズや、1950年代のスタイルを継承しながらもエレガントな仕上がりを見せるフィフティ―シックスなど、親しみやすく、広い層に対する訴求力を持つコレクションの充実が目立っていた近年のヴァシュロン・コンスタンタン。
2019年のSIHHにおいては、伝統の超絶技巧を駆使したレ・キャビノティエのユニークピースや、トゥールビヨン、パーペチュアルカレンダー等の複雑機構をフューチャーしたコレクション等、手作業のすばらしさを前面に押し出した、このメゾンらしい作品たちによって、ひときわ華やかなものとなりました。
その中でも、永久カレンダーの実用性に注目して生まれたというトラディショナル・ツインビート・パーペチュアルカレンダーは、革新的なメカニズムによって会場を大いに沸かせ、今回のSIHHハイライトとして世界中の注目を集めました。
ここではSIHH 2019を語る上で欠かせない存在となった、このヴァシュロン・コンスタンタンによる革新的なタイムピースについて取り上げてみましょう。
トラディショナル・ツインビート・パーペチュアルカレンダー
大の月、小の月はもちろん、うるう年の2月末の変化までもがプログラムされ、時計を止めない限り、極めて長い期間にわたってカレンダーの修正が不要なパーペチュアルカレンダー。
本来非常に利便性の高い付加機能と言えますが、その反面、複雑にならざるを得ない構造ゆえに、止まってしまったものを再起動し、正しく合わせ直すにはひと手間必要になってしまうものです。
そこで「時計を止めなければよい」との発想から、36,000振動/時の通常の主輪列から独立した、8,640振動/時という超ロービートによって、65日間のパワーリザーブを実現したもう一つの輪列を追加。しかも8時位置のプッシュボタンでいつでも駆動する輪列を選択できるという、前代未聞のシステムを追加したのです。
腕に装着する時には36,000振動/時のアクティブモードで優れた携帯精度を発揮し、保管時には8,640振動/時のスタンバイモードを選択することで、最大2か月間以上もの間駆動し続け、カレンダーがずれるのを防いでくれるのです。
実際に8,640振動/時というロービートがどの程度の精度を発揮するのかについて、現時点ではデータがありませんが、確かに多少時間はずれても、少なくともアクティブモードに切り替える朝の時点で時計が動いている限りは、カレンダーの修正が必要になることはないでしょう。
この独自システムの動力源は、縦に重ねられたダブルバレルであり、36,000振動/時のアクティブモードにおいても4日間のパワーリザーブを誇ります。
さらには永久カレンダーの駆動についても、主輪列にカレンダー機構が直接かみ合っておらず、カレンダー駆動用のゼンマイに24時間かけてパワーを蓄え、午前0時ちょうどにスネイルカムを利用して蓄えた力を一気に放出することで、カレンダーの全ての表示を瞬時に切り替える仕組みを持っており、カレンダー駆動時の一時的パワー不足が発生しない構造を持っている点も、このロングパワーリザーブに貢献しています。
実用性に配慮された現代のコンプリケーション
そして何より、これだけの複雑なコンプリケーションでありながら、ケース径42ミリ、ケース厚12.3ミリという、いまどきの時計として決して大き過ぎないサイズにとどまっており、30m防水の防水性能とともに、十分に普段使い可能なものに仕上がっている点は、華やかさや複雑さに傾倒するあまりに実用性を二の次としてきた、かつてのコンプリケーションとは明らかに異なるものといえるでしょう。
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