バーゼルワールド 2019 クロノスイス~過去から現在、そして未来
機械式時計の冬の時代に生まれ、機械式時計の復権とともに躍進を遂げたクロノスイス。
その魅力は偉大なる機械式時計の愛好家でもあった、創業者の精神によるところが大きかったといえるでしょう。
新体制に代わってはや7年。バーゼルワールド2019に出展された新作から、クロノスイスの現在に迫ってみたいと思います。
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機械式時計の冬の時代に誕生したメゾン
安価で高性能なクォーツ時計が多機能化の道を見いだし、更なる発展を始めていた1980年代。
デジタル時計はクロノグラフやアラームはもちろん、デジタルとアナログのデュアルタイムやテレビ画面までもを備えるようになり、相対的に高価で精度が低く、2日間も放置すると止まってしまう不便な機械式時計は、もはや時代遅れと考える風潮が支配的となっていました。
古典的機械式時計に並ならぬこだわりを持つ時計師、ゲルト・R・ランゲがクロノスイスを立ち上げたのはそんな時代であったのです。
シリンダー型のピュアなラウンドケース、ストレートラグにネジ止め式のストラップ、コインエッジベゼルに大きなオニオン型リューズ。
さらにはムーブメントの歯車の軸に直接針を取り付けて生まれたというルーツを持つ、原始的レギュレータースタイルを復活させ、機械式時計のすばらしさを改めてアピールしてみせたのです。
そんなクロノスイスの36年目のバーゼルワールド、その展示品の中からいくつかを取り上げてみましょう。
フライング・グランドレギュレーター オープンギア レ・セック ブルーDLC
クロノスイスならではのスタイルをしっかりと継承しながらも、全ての外装をブルーでまとめた、一際エキセントリックな印象のモデル。
クロノスイスが1年かけて開発したという、カラーDLC(ダイヤモンド・ライク・カーボン)加工をケースや文字盤などに採用しており、高い耐久性とともに、DLC加工による表面の硬化によって耐傷性にも優れているといいます。
ベースとなったのは、ダイヤル上に複数のレイヤーを重ねることで立体表現を実現したフライング・グランドレギュレー ターオープンギアであり、これに初めて30秒ごとにレトログラード秒針を加えることで、更なる個性を加えたもの。
他のダイヤルの構成要素と同様に立体形成された秒インデックス上をスイープしながら、120度進んではジャンプして戻る様は目に楽しく、この時計のハイライトのひとつといえるでしょう。
それだけで濃厚にクラシックテイストを醸し出すオニオン型リューズやコインエッジベゼル、レギュレーターといった構成要素をそろえながらもカラーリングだけでなく、針やインデックス等のディテールに程よくモダンテイストを取り入れ、新たな個性を確立しつつあるように見えます。
特にアワーマーカーはスーパールミノバとセラミックの混合物で円柱状に立体形成されており、その発光する色もブルーというこだわりにあふれるもの。
搭載するムーブメントは自社製のキャリバーC.299にレトログラード秒針を加えたキャリバーC.301であり、28,800振動/時、42時間のパワーリザーブという仕様。
こちらのブルーDLCのモデルは30本のみの限定生産ですが、このモデルのバリエーションとしてピンクゴールドケースにシルバーダイヤル、ステンレススチールにシルバーダイヤル、ブラックDLC加工を施したスチールケースにブラックダイヤルのモデルが2種類。以上が各50本の限定生産にてリリースされます。
レギュレーター クラシック
こちらの新作もシリンダーケースにコインエッジベゼル、大型のオニオンリューズ、そしてレギュレーター表示といったクロノスイスならではの濃厚にクラシックなテイストが、高まるはずの構成要素を満載しながら節度あるバランス感覚を保ち、かつモダンなディテールを盛り込んで、クロノスイスの新たな個性にアプローチしているように見えます。
特にこれを顕著にしているのが、このモデルに与えられた現代的でこの時計の実用性を大いに高める3連リンクのスティールブレスレットでしょう。
ダイヤルもシルバー、またはブルーのメタリックとマットの組み合わせによる古典的ツートンカラーのダイヤルに加えて、グレーとブラックのコントラストの高いツートンカラーに、レッドの差し色が映えるスポーティーなカラーリングのバリエーションまで採用され、37mm径と41mm径の2種類のケースサイズが用意されるなど、顧客に寄り添う現代的バリエーション展開をそろえている点も特徴的。
まさにクロノスイスの新世代を象徴する新作といえるでしょう。
クロノスイスのすばらしさは失われない
時刻を知るための計器として発展してきた時計は、インデックスの正確な配置と、針のデザインの工夫によって、判読性を高める工夫がなされてきました。
クロノスイスに見られる、鋭い長針がインデックスの最外周にまでしっかりと伸びている意匠は、その名残として、このメゾンが大切に守り抜いてきたものです。
時代が変わり、姿を変えても、そんな時計作りの本質は決して忘れない。
時計を愛する者の一人として、クロノスイスにはそんなメゾンであり続けてほしいと願っています。
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