人によっては毎日身に着けている時計、どんなに気を付けていてもいつの間にか傷ついてしまうもの。
機能として問題がなくとも、一回傷を発見してしまうと気になってしまいますよね。
あまりにも深い打痕やカケは難しい場合もありますが、実はある程度の傷であれば研磨でピカピカ新品のようにきれいにすることができるんです!
一見は百聞にしかずということで、いきなりビフォーアフターです!
いかがでしょうか!
こんなに!?というほどきれいになっていますね?
ご注目いただきたいのが元の金属の質感を損なわず、鏡面部分も艶消し部分もしっかりと研磨されているところ。
実はこれすべて手作業で行われているんです!!
どうやったらこんな風にきれいになるんでしょうか?
今度は実際の手順をお伝えいたします。
1.時計をすべて分解する
写真の様に、分解できるところまですべてバラし、一度洗浄を行います。
以前のリペア通信でご紹介したベゼル同様、使用された時計の隙間には思いのほか汚れが詰まっていますので、細かいところまで分解する必要があります。
分解しなければわからない隙間汚れがこんなに!
クロノグラフ時計のリューズ上下についているクロノプッシュボタン部分は細かいパーツが使用されている為、注意してバラさないといけません!
ボールペンの先と比べるとサイズ感がお分かりいただけるかと思いますが、こんなに小さなバネやパッキン、ワッシャーが入っているんです。
一つでも無くなってしまうと、プッシュボタンが正常に機能しなくなる大事なパーツです!!
くしゃみをしたら飛んでいきそうです…!
2.保護テープを貼る
分解し終えたら今度は保護テープを貼ります。
時計の表面はそれぞれ違った仕上げ加工がされており、大きく分けて2つ、鏡面仕上げ、艶消し仕上げがあります。
それぞれ元の質感と異なった仕上げにならないように、保護テープを付けます。
一見簡単そうに見えますが、これがかなり重要な作業で、鏡面、艶なし部分が複雑なケース、ブレスの時計は、この工程だけでかなりの時間を要します。
研磨は傷をきれいにする作業ですが、金属を削る作業ですので、最小限かつ適切な研磨で収めなければなりません。
細かいところまで入念にテーピングをします!
3.研磨
いよいよ研磨作業です!
一口に研磨と言っても、時計の形状や仕上げによってそれぞれ違う作業工程になります。
ここでは大きく分けて4つの研磨用の工具を使用しております。
鏡面仕上げを行います
筋目(ヘアライン)加工
円状に筋目を入れることができます
平らな面を作る工具です
研磨剤が付いた回転盤を当てることで磨いていきますが、当てすぎると変形してしまいます。
研磨は素材を削るという事なので、元に戻すことはほぼ不可能です!
どの工程でも言えますが、ここからは本当に繊細な技術と経験が不可欠です!!
研磨後は研磨剤が時計の隙間に残る為、再度洗浄を行います。
以上が研磨の手順となります!
ここでもう一度研磨ビフォーアフターをご覧ください!
Before 画像手前の角、反射している細いラインにご注目ください!
After こんなに細かい部分も狙い撃ちでピカピカに!
傷だらけになったブレスの角も、鏡面仕上げになっていない部分に保護テープを貼り、研磨を行います。
保護テープを使用することで、回転盤を当てた際、多少ズレても艶なし部分を磨かず仕上げることができます!
再度申し上げますが、こちら、すべて手作業で行っています!!
職人の技が文字通り光る研磨作業のご紹介でした。
いかがだったでしょうか?
ALLU WATCH REPAIRでは時計を一つ一つ、魂を込めて研磨しております!
外装研磨のみは¥20,000、オーバーホールと同時のお申し込みであれば¥10,000で行っておりますので、お気軽にALLU WATCH REPAIRまでご相談くださいませ!