修理事例
当修理内容に関して
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Step 1 ムーブメントの状態チェック
使用頻度も少なく特に不具合を感じていないとの事でしたが、定期的なメンテナンスでのご依頼になります。
一世代前のロレックスの主力ムーブメントcal.3135のカレンダーなし仕様であるcal.3130です。
中の状態は非常に良く、お客様がおっしゃる通り不具合はありませんでしたので、通常通りオーバーホールを進めました。 -
Step 2 自動巻き機構に負担がかかっていないかチェック
写真のマークした箇所の部品は、自動巻き機構の一部で特に負荷のかかる箇所になります。
本来は銀色ですが画像のように黒く見えているのは油です。
長期間交換していない車のエンジンオイルが黒くなっているのをご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、それがこの状態に近いです。
金属が削れた粉が混じって油が劣化しているのですが、このままご使用を続けた場合油が劣化しているので摩耗が進み、部品の交換や削れた粉で他部品への影響に繋がります。
今回の状態では部品にほぼ影響はなく、ちょうど良いタイミングでメンテナンスのご依頼をいただいたと思います。 -
Step 3 オーバーホール実施
今回ムーブメントの状態は非常に良く、動力源のゼンマイ交換とオーバーホールのみで納品させていただきました。
ゼンマイに関しては常に変形を繰り返している為、金属疲労で突然切れてしまう消耗品になります。
ゼンマイの交換が出来る時計に関しては、弊社ではオーバーホールの都度交換をお勧めしております。
今回のように時計の調子が悪くなる前に、定期的なメンテナンスをしていただく事で時計を良い状態に保つ事ができます。
目安としては頻繁にご使用の時計は3~4年に一度、是非ご検討ください。