腕時計のオーバーホールは、長く使い続けるために必須のメンテナンスです。費用を惜しんでオーバーホールを長年しないと、故障してしまうリスクがあります。
しかしオーバーホールの依頼先は多数の選択肢があり、どこで行えば良いのかわからないという方も多いでしょう。またオーバーホールのタイミングや頻度がわからないという方もいらっしゃるかと思います。この記事では、オーバーホールを行う期間や料金、おすすめ業者についてご紹介します。
▼ 時計修理のLINE見積もりはこちら!
腕時計のオーバーホールとは?
腕時計のオーバーホールとは、時計内部のムーブメントのパーツを点検、分解・洗浄し組み立てる一連の作業を指します。またパーツには摩耗を防ぐためのオイルが塗られていますが、時間が経つと劣化したり乾いたりしてしまいます。オーバーホールでオイルを塗り直すことで、腕時計を正常に使い続けることができます。
腕時計のオーバーホールを行う目的
オーバーホールの目的は、腕時計を正常な状態で使えるよう維持し続けることです。腕時計は多数のパーツから成り立つ精密機械であり、パーツのわずかな不具合が故障に発展するリスクがあります。
ムーブメントのパーツ単位で分解、点検を行うことで小さな不良箇所を発見でき、不具合を早めに対処することで、時計を良好な状態に保つことができます。
腕時計を維持し続けるため
腕時計のオーバーホールは、車の車検に例えられることが多いです。自動車は定期的に車検に出して整備をすることで、安全に乗り続けることができます。腕時計も同じように、最適な状態を維持し続けるために定期的にオーバーホールを行う必要があります。
見た目では問題なく動作していても、内部のムーブメントでは不具合が起こっているかもしれません。そのまま使い続ければ、やがて故障へとつながってしまい、高額な修理費用が発生してしまいます。オーバーホールを行うことで、こうしたリスクを減らし良好な状態を維持できます。
防水性を保つため
オーバーホールでは、リューズや裏蓋に使われているゴムパッキンを交換します。ゴムパッキンは防水性を担う重要なパーツですが、劣化しやすく定期的に交換しなければ、腕時計の防水性が低下してしまいます。オーバーホールを長年しないでいると、防水性が低下し内部に水が入り込んでしまい、内部のパーツが錆びてしまうリスクがあります。
腕時計をオーバーホールする頻度は?
腕時計のオーバーホールの推奨頻度は、機械式時計で3~5年に1度、クォーツ式時計で4年に1度と言われています。しかしこれは腕時計の使用頻度やブランド・モデル、搭載機能によって変わってきます。もし進みや遅れ、ガラスが曇っている、異音がするといった場合は、早急にオーバーホールを依頼するようにしましょう。
クォーツ式時計・機械式時計のどちらもオーバーホールが必要
よく「クォーツ式時計はオーバーホールをしなくてもよい」と思われがちですがが、実際にはクォーツ式時計にもオーバーホールが必要です。電池で動くクォーツ式時計は、オーバーホールはいらないのでは?と感じるかもしれません。たしかに、クォーツ式時計の動力部分のオーバーホールは不要です。
しかしデジタル表示でない限り、クォーツ式時計の針の部分は歯車で動かしています。そういったパーツには、機械式時計と同様にオイルが塗られており、経年劣化によって動きが悪くなり、電池の消耗が早くなります。
また、防水性を担うゴムパッキンも交換が必要です。ゴムパッキンが劣化した状態で使用し続けると、防水性が低下し内部に水が侵入してしまいます。そうなれば電子回路が壊れる可能性があり、高額な費用や場合によっては修理不可となってしまいます。
腕時計のオーバーホールをしないとどうなる?
オーバーホールは、腕時計を正常に維持し続けるために必須のメンテナンスです。それでも、オーバーホールの値段を考えると尻込みしてしまうという方もいらっしゃるかと思います。しかし、オーバーホールをしないと結果的に高額な修理費用が発生してしまいます。ここでは、オーバーホールをしないと腕時計がどうなるのかを解説します。
内部に錆が発生する
防水性が低下した腕時計を使い続けていると、内部に水が侵入してしまい、錆が発生してしまいます。錆びたパーツは、当然通常通りに動くことができず、止まりや故障へとつながってしまいます。
さらに、錆びたパーツは交換するしかないため、パーツ交換代金がそれぞれかかります。錆は放置するとどんどん広がってしまうため、結果的に高額な修理費用がかかります。
オイルが劣化する
ムーブメントのパーツには、摩耗を防ぐために専用のオイルが注油されています。オーバーホールしないで放置すると、オイル切れや劣化によってパーツに負荷がかかり破損や、汚れによってスムーズに動かないなどの症状が出てきます。この場合、摩耗したパーツを交換する必要があるため、各パーツ費用がかかります。
各所に汚れが溜まる
オーバーホールをしないことで悪影響が出るのは、内部だけではありません。外装であるケース部分にも悪影響が及びます。もっとも顕著なのは汚れが溜まることです。とくにケースとブレスレットの隙間やリューズの隙間は、皮脂や埃などの汚れが溜まりやすく、放置するとステンレスの錆びや操作がしづらいといった不具合につながります。
故障の度合いによっては修理が高額になる
故障してしまった場合、故障パーツの交換費用が発生します。故障の度合いやどのパーツかによって費用は変わってきますが、ほとんどの場合きちんとオーバーホールをしている時計よりも費用が高額になるでしょう。最悪の場合、修理すらできない状態になる可能性もあります。このような事態を防ぐためにも、オーバーホールはきちんと行うようにしましょう。
腕時計のオーバーホールを実施する手順
腕時計のオーバーホールは、時計に関する高度な知識と技術が必要なため、技術者でない限り自分で行うのは不可能なため、メーカーや専門業者に依頼するようにしましょう。では、実際どのような手順でオーバーホールを行うのでしょうか。ここでは、オーバーホールの手順を各ステップに分けて詳しく解説します。
STEP①:腕時計を分解する
まず、専用工具を用いて腕時計を分解していきます。ベルトを外し、裏蓋を開けるとムーブメントを取り出し、更にムーブメントのパーツごとに分けています。すべてを分解するとかなりの数になる上、ミリ単位の部品もあるため保管には細心の注意が必要です。また、この段階で修理や調整・交換が必要な箇所を特定します。
STEP②:各部品の洗浄
パーツの分解ができたら、洗浄に入ります。腕時計専用の自動洗浄機にパーツを入れて、特別に調合された薬品で汚れや金属粉、塵などを洗い流します。同様に、ケース、ブレスレットも洗浄を行います。
すぐに取れる汚れは専用ブラシを用いて落とし、超音波洗浄機で細かい隙間に溜まった垢や埃といった細かい汚れを洗い流します。
STEP③:組み立て・注油・修理・調整
洗浄が終わったら、顕微鏡で摩耗しているパーツの状態を確認します。必要に応じてパーツの交換を行い、組み立てていきます。必要な箇所にオイルを注入しますが、オイルの種類や量、注油箇所は腕時計によって異なるため、高い技術が求められます。ムーブメントが組み立て終わったら、精度測定器で計測しさまざまな姿勢を想定して、角度を変えて精度の調整を行います。
STEP④:組み上げ・ケーシング
ムーブメントの調整が完了したら、ケーシングに進みます。外装部品のケースやベゼルなどを組み上げ、針や文字盤、ムーブメントを取り付けケースに収めていきます。針回しや日付変更を行い針が引っかからないか、日付変更に問題はないか、回転ベゼルの動きは悪くないかなどの確認を行います。
STEP⑤:防水テスト、ランニングテスト
しっかりとケーシングした腕時計は、防水テストへと進み防水性をチェックします。アンティーク時計や外装に劣化がある場合など、一部の時計には防水テストは行いません。防水テストを終えると、ファイナルテスト機に腕時計を設置し、時刻は正確か、ゼンマイはきちんと巻き上げられているかのテストを行います。
STEP⑥:オーバーホール完了
いくつものテストに合格した腕時計は、晴れてオーバーホール完了となります。店舗での受け渡しや、宅配での返送の場合は専用ボックスに梱包され、発送されます。
腕時計のオーバーホールはどこでするべき?おすすめは?
オーバーホールに必要な工具はもちろん、パーツの取り扱いや注油など高い技術を要する作業が多数あるため、オーバーホールには高い技術力が求められます。そのため基本的には、オーバーホールしたい腕時計のメーカーや、時計修理専門店に依頼するのがおすすめです。また、時計修理専門店に依頼する場合は、過去の実績や資格を持った技術者が在籍しているかを確認しておきましょう。
腕時計のオーバーホールにかかる費用や期間
腕時計のオーバーホールは、高い技術と専用設備が必要なため、プロに依頼する必要があります。そのため、当然ですが費用が発生します。また、手順でも述べた通り細かいプロセスや複数のテストを行うため、一定の期間が必要となります。ここでは腕時計のオーバーホールにかかる、一般的な費用や期間について解説します。
腕時計のオーバーホール費用
オーバーホールにかかる費用は、ALLU WATCH REPAIRでは機械式時計は29,000円~39,000円。クォーツ式時計は21,000円~31,000円です。他の時計修理専門店ではブランドごとに料金が異なり、機械式時計は30,000~70,000円、クォーツ式時計は25,000~50,000円となっています。
腕時計のオーバーホールに要する期間
オーバーホールにかかる期間は、ALLU WATCH REPAIRでは最短2週間です。ただし、パーツの取り寄せなどが必要な場合はさらにお時間をいただきます。他の時計修理専門店では、4週間程度となります。腕時計のメーカーでは更に長く、6~8週間が一般的です。
腕時計のオーバーホールは自分でしても良い?
腕時計のオーバーホールには、高い技術や知識、設備が必要です。時計修理の経験が豊富な方でない限り、まず難しいと言えるでしょう。
さらに、もし自分でオーバーホールをしてもとに戻せない、故障や破損してしまった場合にはメーカーの保証対象外となるため、修理を受け付けてもらえません。自分でオーバーホールをするのは、非常にリスクが高いため、必ずメーカーや時計修理専門店に依頼するようにしましょう。
腕時計のオーバーホールはALLU WATCH REPAIRへ
ALLU WATCH REPAIRは、年間17,000本以上のオーバーホール・修理実績があります。ブランドやメーカーによって価格を変えることをせず、わかりやすい一律料金で案内しています。
機械式時計 | 2針・3針モデル:¥29,000(税込) |
クロノグラフ:¥39,000(税込) | |
クォーツ式時計 | 2針・3針モデル:¥21,000(税込) |
クロノグラフ:¥31,000(税込) |
ロレックス正規店
国内トップレベルの修理設備で、熟練の技術者たちがオーバーホール・修理を行っており、期間は2週間と業界最短レベルを実現しています。大切な腕時計を長く使い続けたいという方は、ぜひALLU WATCH REPAIRへオーバーホールをご依頼ください。