時計の中には、カレンダー機能が搭載された製品も存在します。日付のみのシンプルなモデルもあれば、曜日と日付がセットになった製品もあります。
日々移りゆく曜日と日付、シンプルな機能ながらも、重宝している方もいらっしゃるでしょう。
高性能なカレンダー機能もあり、時計に搭載された便利な機能の一つと言えます。
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カレンダーが動かなくなる症状
しかし、カレンダー機能の曜日や日付が変わらなくなってしまうことがあります。
全く動かなくなるケースもあり、時計を使用してから気付くケースもあるでしょう。このような症状は珍しいものではありません。
時計のカレンダー機能は複雑な機構の一つで、特に永久カレンダーのような機構は精密部品の塊で構成されています。
機能そのものが故障している場合は、修理が必要になるでしょう。
故障ではない可能性も
ただし、カレンダーの動作に違和感があったとしても、故障とは限らない場合もあります。
製品によりますが、例えば月末に自身で調節が必要なものや、種類によって切り替わるタイミングが異なるモデルも存在します。これらに該当する場合、カレンダーが切り替わらなくても故障とはなりません。
また、手動で何度もカレンダーを動かしていますと、一時的に引っかかって切り替わらなくなっている可能性も考えられます。
故障ではない場合もあるため、通常は時刻の再調整や一時的に様子を見る必要があります。
それでも直らないのであれば、修理を検討すると良いでしょう。
カレンダーが故障する原因とは
カレンダーが故障する原因は、さまざまなことが考えられます。
主な原因は歯車や部品の破損、部品の油切れです。
歯車・部品が破損している
カレンダー機能の中には、日送り車、早送り車と言った歯車が使われています。
日送り車は、時計の針に連動してカレンダーを動かす歯車です。
もう一つの早送り車はリューズとかみ合い、カレンダーを操作できるようにする役割を持っています。
カレンダーが全く動かない、あるいは曜日や日付が変わらない場合、これらの歯車が破損している可能性が考えられます。
特に何度もカレンダーを手動で操作した場合、強い衝撃を与えた場合に破損するおそれがあります。
操作する時間帯が破損につながる
一部の時計を除き、カレンダー操作禁止時間帯が決められており、その時間に手動操作をした際に、部品の破損が起こるケースはよく見受けられます。
一般的な製品は、午後9時~翌午前4時頃までの間にカレンダーを手動で操作してはいけません。
製品による差異はありますが、通常の時間帯と歯車の配置が異なることから、禁止時間帯にカレンダーを操作すると歯車同士が衝突してしまうのです。
そのため、禁止時間帯に何度も操作したり、無理やり操作したりしますと、歯車の破損や変形につながります。
このような無理な操作によって、内部の部品が破損している場合もあります。
カレンダーが動かない場合は一度オーバーホールして、部品交換が必要となるでしょう。
部品の油が切れている
カレンダー機能に使われている歯車を始めとした部品は、長く使用すると磨耗していきます。その部品同士の摩擦を防ぐ役割を担うのが、油です。
油は時間がたてば徐々に減少していくため、定期的な注油が必要となります。
しかし、油は切れるだけでなく時間の経過が原因で劣化し、塵(ちり)やホコリを引き寄せて歯車の動きを阻害するおそれがあります。
このため、劣化した油を洗浄・除去した後に注油する必要があり、オーバーホールの目的のひとつとなっています。
カレンダーの無理な操作をしていない、もしくは強い衝撃を与えていないのであれば、部品の油切れが原因として考えられます。
油切れによりカレンダーが動かなくなっている場合、オーバーホールが必要です。メーカーや修理店に相談してみましょう。