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バーゼルワールド 2019 セイコー~アストロンから50年目のセイコー

バーゼルワールド 2019 セイコー~アストロンから50年目のセイコー

時計業界に真の衝撃を与えたクォーツ革命から50年。2019年もセイコーはバーゼルワールドに出展を果たしました。
自らが培ってきた伝統と革新に、日本の時計メーカーとして、日本の伝統を取り込もうとする姿勢は、国際舞台おいてどのような評価を受けたのでしょうか。
ここではますますの発展に向けて、まだその途上といえるセイコーの今について見ていくことにしましょう。
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伝統と最新技術が息づくセイコーの新作ラインナップ

セイコーは2019年もバーゼルワールドにおいて、グランドセイコー以外にも、クレドール、プロスペックス、プレザージュ、そしてアストロンと、充実の新作を発表しました。

ここではその中から数点を取り上げてみましょう。

クレドール45周年記念 立体彫金懐中時計GXBE998

「ブリッジを技術者の指先の感覚で調整して組み立てる」といわれる、クレドールが誇る厚さ1.98mmの極薄ムーブメント、キャリバー68系をK18イエローゴールドケースに搭載。その裏面には現代の名工、照井 清氏がひとつあたり100時間もの時間をかけて製作した立体彫金が施された、わずか10個のみの全てが特別な限定モデル。

直径39mm、厚さ9.7mmの小さな懐中時計に息づくセイコーの最高技術は、ファンにとっては何物にも代え難い価値を持つものとなることでしょう。

1970メカニカルダイバーズ 復刻デザイン

1970メカニカルダイバーズ 復刻デザイン

近年では毎年のようにさまざまなモデルが復刻されるようになっていますが、世界的広まりを見せつつあるセイコー人気に後押しされて、現在では入手困難なモデルも少なくありません。

そして今年もまた、いかにも人気が出そうな復刻モデルが登場しました。

1970年発売の150m防水のダイバーズウォッチ、通称「植村直己モデル」として知られる、あの大胆に張り出したリューズガードが復活を遂げたのです。

1974年から1976年にかけて行われた、植村直己氏による北極圏の犬ぞりによる12,000キロ走破の旅に携帯された話はあまりにも有名です。
この過酷な冒険に耐え抜いたオリジナルモデルの、ツールウォッチとしての圧倒的タフネスは、全ての時計ファンに訴求するものといえるでしょう。

今回の復刻にあたり、45mmに及ぶケースサイズや流線型のケースフォルムはもちろん、秒針の赤いドットまでもが再現されました。
一方で当時の強化ガラス風防はサファイアクリスタルに、キャリバー6105Bは現代のキャリバー8L35に置き換えられ、防水性能を150mから200mへ強化。

この余りにも魅力的な1970 メカニカルダイバーズは、2019年7月に2500本の限定にて発売予定です。

プレザージュ プレステージライン 有田焼ダイヤルモデル

プレザージュ プレステージライン 有田焼ダイヤルモデル

これまでも日本の伝統技術を取り入れた文字盤で国際的評価を受けてきたプレザージュですが、2019年は日本初の磁器として400年の歴史を持つ、有田焼を文字盤に採用しました。

磁器を薄い文字盤に仕立てると、ちょっとした衝撃でクラックが入ってしまいそうですし、耐久性の心配をしてしまいそうですが、磁器のニュアンスはそのままに、従来の4倍以上もの強度を持つ、高強度の磁気素材開発に成功したことで実現したといいます。

柞灰釉(いすばいゆう)の淡い青みがかった白文字盤に、初代ローレルの意匠を取り入れたという12時のみ赤、他を青としたローマンインデックスが極めて高いコントラストを成し、隙のない文字盤に仕立てている点は流石です。

写真をいくら眺めていても実際のニュアンスは分からないであろう有田焼ダイヤル。早く実際に見てみたいものです。

パワーリザーブ付きの多針モデルと3針モデル、いずれも2019年9月の発売予定です。

クォーツ アストロン 50周年記念限定モデル

世界初のクォーツ腕時計、アストロンの登場からちょうど50年。

セイコーはピンクゴールドとチタンのハイブリッドケースのモデル。そしてチタンのケースとブレスレット、そしてサーメットのベゼルを採用したモデルと、2種類のアストロン限定モデルをリリースします。

共にクォーツ結晶のきらめきを表現したブラックダイヤル、「50年に及ぶ輝かしい進化」を象徴する50の面を持つ、デリケートなデザインのベゼルを持ち、最新のアストロン用ムーブメント、キャリバー5X53を採用しています。

ピンクゴールドとチタンのハイブリッドケースのモデルが2019年6月。
チタンケースのモデルが7月に発売の予定です。

セイコーは決して歩みを止めません

クォーツ革命という大事件から50年目のセイコーは、ますます国際市場を強く意識した商品展開を目指しているように見えます。

2019年もセイコーは、自らが作り上げてきた伝統のみならず、日本を代表するいち時計メーカーとして、日本の文化を伝え、日本ならではの最先端のテクノロジーを具現化してきました。

そんなセイコーは東京オリンピックを目前に、国際化を推し進めようとしている現在の日本という国の動きに重なって思え、興味深く感じています。

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