エルメスの大人気牛革クシュベルは、 ヴィンテージエルメスへ
エルメス(HERMES)の素材は、熟練した職人の手によって改良を加えられ、伝統に根ざした新しさを生み出してきたという大きな歴史があります。その中で採用されたレザーのひとつが「クシュベル」。
改良が続く歴史の中で現在は廃盤となりましたが、当時は型押しの中で最も人気の高かったレザーで、今でもユーズド品を探すファンがいるほどです。
今回は、エルメスのヴィンテージエルメスとして受け継がれてゆくであろう「クシュベル」についてご紹介してまいります。
上品な質感、丈夫で扱いやすさ◎の大人気素材クシュベル
クシュベルは雄の仔牛レザーで、正式名称を「ヴォー・グレネ・クシュベル(Veau Graine Courchevel)」といいます。現在は廃盤となってしまった素材ですが、以前はケリーやバーキンなど、エルメスのアイコンバッグにも使用されていました。
細かい班(革目)の型押しが施された上質感のあるテクスチャーで、軽量で汚れや傷擦れに強く耐水性の高い、とても扱いやすい素材です。現在はよく似た特徴を持つヴォー・エプソンがその後を引き継いでおり、エルメス定番素材の仲間入りを果たしています。
「後継」と言われるほど似ている、クシュベルとヴォー・エプソンとの違いは大きくふたつ挙げられます。ひとつめはクシュベルのほうが型押しが少し深めであること、ふたつめは双方の特徴「光沢」にあります。
クシュベルはガラス加工を施してあるので、ヴォー・エプソンよりツヤが強く出ていて、二つを並べると違いは一目瞭然です。では、次はクシュベルの光が織りなすカラーについてご紹介してまいりましょう。
クシュベル人気カラーはエルメス定番の「ゴールド」
クシュベルが持つ光沢は、角度によってカラーに変化を与えます。その中でも、エルメスの定番カラー「ゴールド」は特に、エレガントで美しい表情を作り出すので人気が高いです。
また、ルージュアッシュのような深みのあるカラーは、よりセンシュアルな印象になり、ほかにも赤・イエロー・ブルーなどのブライトカラーは品のよさを引き出すので、その発色が活かされるデザインのバッグや小物などに使用されています。
気高い光沢を放つクシュベル ~おすすめのラインをご紹介
そのかちっとしたテクスチャーと気品のある光沢を最大限に生かしてバッグから小物まで愛用されているクシュベル。ここではその中でも、代表的なラインをご紹介いたします。
グレース王妃も愛用した「ケリーバッグ」
グレース王妃も愛したその気品あふれるデザインは、国や時代を超えて女性を魅了し続けています。豊富な素材バリエーションで展開されてる中で、クシュベルはケリーバッグの美しいフォルムを常に崩さず、また光沢を与えてさらに気高く仕上げるレザーとして愛されました。
人気のカラーは、やはり独自のエレガントさを放つゴールドです。また「クシュベル×ルージュアッシュ」は和カラーを連想させ、和装着物ととても相性が良いです。まさに国と時代を超えた組み合わせといえますね。
バーキン、ケリーとならびエルメスの代表格を担う「ボリード」
当初、高級クラシックカーにインスパイアされ「ブガッティ」という名で1920年に発表されたボリード。ブガッティ前部にあるラジエータの形(半楕円形)に似ていることから、その名がついたといわれています。クシュベルのかっちりしたレザーが、崩れやすい柔らかな曲線のフォルムをよく保ってくれます。
カラーはやはりブラック、ゴールドが定番ですが、そのボリードの丸い形状からエレガントな淡い光を放つエメラルドグリーンも人気カラーのひとつです。
鞄職人と皮革職人の手によって命を吹き込まれたエルメスのレザーバッグは、母から娘へと受け継がれていくことを真髄とします。廃盤となったクシュベルは、ヴィンテージエルメスとしてその存在を残していくことでしょう。もう製造されることのないという、違う意味での価値をもつクシュベル、どこかで出会うことがあれば是非手に取ってみてはいかがでしょうか。
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