回転ベゼルが動かない~ダイバーズウォッチの洗浄

ベゼルの紹介

突然ですがクイズです!!
皆様は腕時計の風防周りにあるこのリング部分の名称知っていますか…?

ベゼルの紹介

答えは「ベゼル」です!
あまり聞いたことが無い方もいるかとは思います。

ベゼルというのは風防をケースに固定するためだったり、水や埃の侵入を防いだり等、時計の種類によって様々な役割を持つパーツでもあるのですが、上記の写真のように数字や目盛りが書かれ、ベゼルが回転する時計もありますよね?それには理由があるのです。

ということで、今回はその「回転ベゼル」をテーマにしてお話していきたいと思います!

サブマリーナーの回転ベゼル

こちら、ロレックスのサブマリーナーという時計で防水機能に優れたダイバーズウォッチです。

先ほど言った通り、10から50までの数字となにやら目盛りが書かれておりますよね?
これは一体何を意味するのでしょうか?

ベゼルの目盛りの意味

ダイバーズウォッチとはその名の通りダイビングに適した機能を持つ時計です。
ダイビングは潜水の深さ、場所や水温、酸素のボンベ量で潜水時間が決まると言われています。

そうです、この時計の回転ベゼルは潜水の時に酸素ボンベの残量時間を計測するためのものでこちらを「逆回転防止ベゼル」と言います。

命に関わる潜水時間を正確に把握しておく必要があるのでこの機能が重要になってきます!
時計でそんなことが出来るなんて面白いですよね!

使い方としてはベゼルにかかれている▼矢印部分(名称:ルミナスポイント)を、長針に合わせます。

以下の写真の現在時刻が「10時05分」なので「5分」のところに合わせ、セット完了したらスタートです。

ここから見るべき重要な部分は、長針と回転ベゼルに書かれた数字です。

ポイント合わせ

潜水すること数分後…

時間の経過とベゼル

さて…
長針が指している位置と、ベゼルの数字に注目してください。

針はベゼルの「25」の位置を指してます!
酸素ボンベが「25分」で無くなる場合は潜ってから長針が「25」の所に来るまでに浮上すればOKです。

もし、それ以上時間が過ぎると命に関わるのですぐに浮上しましょうという確認が時計でできるので便利ですよね!

では使い方を説明しましたので早速実践で回して使ってみましょう!

って…あれ…?ベゼルが全然回りません。

嫌な予感はしていましたが、文字盤部分にも何やらシミが付いてますし、何かが挟まっている感じが…。
とりあえずベゼルを外してみましょう。

なんと汚れが固着していました…!!

汚れの固着したベゼル

これはひどいですね。
ベゼルが回らない原因はこの錆と汚れでした…!!
外すときも固着していて大変です…

ダイバーズウォッチは、海やプールなど水中で活動しない人でも、個人差はありますが汗や埃によって、隙間にどんどん錆や汚れがたまっていくのです!
部屋の掃除でも隙間って結構汚れがたまりやすいとか言いますけど時計も同じです。

頑固な錆や汚れを取るには…こちらの超音波洗浄機を活用します!

超音波洗浄機

汚れた時計を水を張ったこの機械に入れ、超音波によって水中に発生した微細な泡が押しつぶされる衝撃で汚れを落としていきます!

その為、隙間に入っている汚れも落とせちゃうのです!?
画期的ですね…!!

では肝心のベゼルはというと超音波洗浄機により…
こんなに綺麗になりました!!?

ベゼル洗浄のビフォーアフター

洗浄前と洗浄後で見比べると大分違いますね!!

時計洗浄のビフォーアフター

ベゼルとケース部分の汚れも超音波洗浄機で綺麗さっぱり取れてます!!
「新品?!」となるほどの驚きの綺麗さです!

まだこれだけじゃ終わりません!
最後にベゼルにグリスという潤滑油をさして、取り付けると…

ベゼルにグリス

全く動かなかったベゼルがきちんと動くようになりました!

動くようになったベゼル

このように汚れが取れた事で本来の状態に戻り、きちんと各パーツが機能するようになりますので少しでもベゼルの動きが悪いなと感じたときには洗浄をしてあげるのも良いと思います!

ここでもう1つ番外編で…
ALLU WATCH REPAIRの時計修理ではベゼル以外にもブレス洗浄も行っています!!

ブレスも隙間が沢山あるのと腕に直につけているため汚れがたまりやすく、そのまま放置しているとパーツの腐食や故障につながることも。

汚れたブレスレット

ではさっそくこちらのブレスも超音波洗浄機で洗浄してみましょう!

超音波洗浄機の中のブレスレット

洗浄中
透明だった水の底が見えにくくなるぐらいに濁っています!!

洗浄中のブレスレット

洗浄完了!
では、お楽しみのそれぞれのパーツの洗浄前と洗浄後で見比べてみましょう!!

【ブレスコマ部分】

ブレスコマ部分

【弓カンとばね棒】

弓カンとばね棒

【バックル】

バックル

大分綺麗になりましたよね!!?

汚れによって不具合や故障が出るのも困りますし、これを腕につけていると思うとゾッとしますし小まめに洗浄しようと思いますよね。

時計は普段身につけているものなので先ほどのように思った以上に汚れがたまってたり、一見綺麗だからと思っていても実は汚れが潜んでいたりと…こんな風に…!!

洗浄で汚れが出てきた時計

・・・ということがありますので定期的なメンテナンスが大事です!

もし、ご自身の時計で今回ご紹介したベゼルの動きが悪い、またベルトが汚れてきたなどはもちろん、少しでも気になることがあればご相談をお受けいたしますので是非お気軽に申し付けください!

ALLU WATCH REPAIRで修理した時計(電池交換などオーバーホール以外の修理も含む)は、いつでも内部点検・外装洗浄・防水試験を無料で実施いたします。
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