近い将来、ダイヤモンドの価値は
大きく下落する!?
ダイヤモンドの価値とされる点は大きく2つ、美しさと希少性です。天然石の中でもっとも硬いとされ、光の屈折率に優れるダイヤモンドは、カッティングによるシャープな表面で光を反射し、石の中に届いた光も内側で全反射させます。また光を7色の虹色に分解する分散率の高さから、角度によって色味の変わる、まばゆさを生み出します。その硬度から劣化も少ない点は魅力ですが、硬さゆえに発掘や加工に費用がかかり、容易に供給できないという希少性が加わり、高値で取引がされて来ました。
でも、この2つの価値は、実際には崩れかけている現実もあります。太陽の下で放たれるうっとりする輝きは嘘ではないものの、「ダイヤモンドは高価だ」という概念は、ダイヤモンドをブランディングしている側のコントロールによるもの。価値の高い宝石というイメージを醸成して高い価格を維持し、そこから「ダイヤモンドは高価な宝石」という価値感と常識が生まれたことをご存知でしょうか?
長い歴史の中では、ダイヤモンドが特別なものではなかった時代もあります。では、これからダイヤモンドの価値が下がるかも知れない理由について、具体的に見てゆきましょう。
ダイヤモンドの価値が
下がるかも知れない6つの理由
人工ダイヤモンドの技術が進歩し、
天然同様の品質が半額で買える?
人工ダイヤモンドの製造メーカーであるWD Lab Grown Diamondsでは、化学気相成長法という技術によって、物理的、光学的、化学的に、もはや天然か人工か区別がつかないダイヤモンドを製造していると言います。その違いは、自然の中で数百年もの歳月をかけて生成されるか、ラボの機械で数週間で成長させるかの違いなのだとも。ダイヤモンド鑑定機関のひとつ、IGI(International Gemological Institute)が品質を認めた同社のダイヤモンドは、同品質の天然ダイヤモンドより30%以上も安価。天然と同等のダイヤモンドが天然の半額程度で入手できる日も、遠くないのかも知れません。
コストのかかる発掘やカッティングも、
技術の進歩で安価に?
ダイヤモンドはその硬さゆえに採掘や加工に手間と時間がかかり、希少価値を持つというのが今までの定説でした。しかし、世界的な宝石の研究機関であるGIA(Gemological Institute of America)によれば、1866年に南アフリカで巨大なダイヤモンド鉱床が発見されたのをきっかけに「巨大なコストと比較的低い産出量により、新しい産地ではより効率的な採掘技術の開発が余儀なくされました」という事情から、加工技術と外観の向上、効率やコスト削減の結果になった、とあります。生産量についても1870年代は100万カラットを下回っていたものの1990年代には年間1億カラットを突破したとなると、採掘量、カットや研磨など加工技術の点でも、供給がそんなに難しいの?という疑問が沸きます。南アフリカ鉱床発見以前はそうだったのかも知れませんが、その後の経緯を見る限り、高コストの理由はただの神話にも思えます。
希少価値を維持しているのは、
市場を制御するダイヤ商人
ダイヤモンドは原石の採掘から流通に至るまで、長年、南アフリカのデビアス社に支配されて来ました。同社は1888年の創業以来、ダイヤモンド原石の産地である南アフリカのダイヤモンド鉱山を次々と買収して権利を独占したり、生産調整から販売までを手がけるシンジケートの構築で、事実上、ダイヤモンド原石の市場を独占的にコントロールして来ました。このため、同社による「ダイヤモンドは特別で希少価値がある」というイメージが保たれ、高い価格で取引されて来たのです。
しかし、近年ではデビアス社の手が及ばないロシアやオーストラリア、カナダ、中国などでも採掘が行われ、従来の制御が効かず、同社のシェアも減っています。事情が変わり、市場を厳格に制御して来たデビアス社の「ダイヤモンドは高価な宝石」というマーケティング戦略も、今後は崩れる可能性があるのです。
養殖真珠が真珠市場を席捲した事実。
ではダイヤモンドは…?
真珠の場合、1893年に世界で初めて御木本幸吉が真珠の養殖に成功した当時は、ヨーロッパの宝石商から「養殖真珠は偽物である」といった裁判も起こされ、養殖は順風満帆な船出とはならなかったようです。しかし1924年にパリの裁判で勝訴したことを機に、養殖真珠は宝石として世界に認められるようになります。養殖アコヤ真珠はたちまち市場を席巻し、第二次世界大戦後は、外貨獲得のための基幹産業として「真珠養殖事業法」(現在は廃案)も作られ、手厚く保護されて来ました。形の良さや巻き、光沢、色など、真珠の価値を決める評価方法は天然も養殖も同じ、そのため価格も大きく下がったようです。真珠と同じことがダイヤモンドでも起こらないとは言い切れないのです。
ダイヤモンドより美しい宝石が存在する?
人工石でも天然ダイヤモンドより光の分散率が高く、色合いの豊かな宝石が存在します。有名なのはキュービックジルコニアですが、石に届いた白色光線は屈折する際、それぞれの光の長さの違いから7色の虹に分かれます。これが光の分散率によって生まれる「ファイア」と呼ばれる現象ですが、キュービックジルコニアは天然ダイヤモンドよりも分散率が高いため、ダイヤモンドより美しいファイアが得られます。硬度の高さから得られる輝きのシャープさは天然ダイヤモンドに及ばないものの、単純に色合いの豊かさという点では、ダイヤモンドをしのぐことになります。質にもよりますが、キュービックジルコニアの石の値段とダイヤモンドでは100倍以上の差があるようです。
工業分野での用途も拡がり、
ダイヤモンドが身近なものになりつつある?
鉱物の硬さの尺度であるモース硬度が最高レベルの10である天然ダイヤモンドは、宝石のほか、古くから工具にも活用されてきました。高価なため、1955 年以降は人工合成したダイヤモンド粉末を溶解して切削工具などに広く活用しているようですが、超高精度な加工を要するものには、天然ダイヤモンドの硬さが必要な場合もあるようです。この仮説はちょっと乱暴かも知れませんが、天然、人工ダイヤモンドともに粉ではなく気化する技術が進めば、世の中に文字通りの「ダイヤモンドコーティング」された製品たちが登場するでしょう。カリフォルニア大学バークレー校のリチャード・ムラー教授は「ダイヤコーティングの蒸着技術も急速に進化を遂げている。近い将来、ダイヤでコーティングされた傷のつかないガラスや調理器具など、さまざまな製品が登場するだろう。これからは、多くのダイヤモンドが安値で取引されるようになる。」と言います。こうした一面からも、ダイヤモンドの価値について、考える時期に来ているのかも知れません。
引用元:ダイヤモンドの価値は大幅に下落する 米大学教授の警告(Forbes JAPAN)
まとめ
ただ、現時点ではダイヤモンドの価値も高く、高い価格で取引がされています。
また、円安の影響で過去から比べても高額で売れるため、タンスにしまっていて使う予定がない方は売却チャンスです。
※2012年は1ドル約80円、2017年は112円
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