慶長大判の価値とは?大判小判の違いや歴史を解説

慶長大判の価値とは?大判小判の違いや歴史を解説

日本でかつて流通していた貨幣は、現在の骨董品市場で高値がつけられることがあります。慶長大判もそうした貨幣のひとつです。慶長大判の価値とは、現在ではどのくらいでしょうか。慶長大判の詳細はもちろん、大判と小判の違いや歴史などを解説します。

大判と小判の基礎知識

大判・小判とはどのようなものなのか、まずは基礎知識をご紹介します。

大判の特徴

大判とは1601年から1874年まで使用されていた、純度の高い金を叩いて延ばした楕円形の大型金貨です。主に贈答用や儀礼用として使われ、品質を示すために書かれた文字である墨書(ぼくしょ)が特徴です。室町時代から江戸時代にかけて活躍した彫金師である後藤家が、製造責任者として大判・小判の鋳造を担っていました。

小判の特徴

小判とは主に市場で通貨として使われていた、金銀合金の小型貨幣です。大判よりも流通量が多く、1枚ずつ墨書を手書きするのは大変なので、代わりに花押印・極印・験極印といった刻印で管理していました。額面はすべて1両で、「駿河墨書小判(するがすみがきこばん)」「武蔵墨書小判(むさしすみがきこばん)」など全部で12種類が発行されました。

慶長大判の詳細と価値

ここでは慶長大判について詳しく解説します。また、現在の価値も併せてご紹介します。

慶長大判の詳細

慶長大判は1601年から鋳造が開始されました。金の含有率は68%です。慶長笹書大判金と明暦大判金があり、どちらも164.9グラムで統一されています。慶長大判の表面には均等にたがね(鑽・工具の一種)を打って図柄が彫られており、大きく墨字で「拾両後藤」と書かれています。また、鮮やかな黄金色を発現させるために、銅が3%ほど加えられています。

慶長大判をはじめとする大判は墨書が特徴的で、大判の鋳造を請け負っていた後藤家が代々すべて手書きして記していました。後藤家以外の人が墨書を記載することはご法度で、後藤家の筆跡によって大判の重さや品位が保証されます。なお、墨に膠(にかわ・主に動物の皮を加工して作られる接着剤)を混ぜて文字が薄くならないように工夫されていたので、現在でも当時に書かれた文字が残っているのです。

慶長大判の現在の価値

慶長大判は現存数が少なく希少価値が非常に高いので、「墨書がきれいに残っている」「欠けや割れがない」など保存状態が良ければ数百万円から数千万円もの価値がつきます。特に慶長大判の中でも人気が高い慶長笹書大判金であれば、1枚で2,500万円から4,500万円もの高値で買取される可能性があります。

大判の鋳造背景と人気

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代表的な大判の種類や、鋳造された理由などを簡単に解説します。

慶長笹書大判金

慶長笹書大判金(けいちょうささがきおおばんきん)とは、徳川家康の天下統一後である1601年から鋳造が始まりました。流れるような筆跡の美しい墨書が笹の葉のように見えるため、この名前がつけられました。墨書の美しさから、古銭としてだけではなく美術品としても高い価値があると評価されています。

明暦大判金

明暦大判金(めいれきおおばんきん)とは、明暦の大火が起きた翌年である1658年に、大火で溶けてしまった幕府の御金蔵に収められていた金銀を鋳造し直して作られた大判です。慶長大判の一種ではありますが、1601年から作られたオリジナルと区別するために「明暦判」と呼ばれることもあります。1658年から1660年と短期間しか鋳造されなかったため、その希少価値と歴史的背景から高く評価されています。

天保大判

天保大判(てんぽうおおばん)とは、1838年から1860年までの22年間で鋳造された大判の総称です。1,887枚しか鋳造されていないため、希少価値の高さから古銭市場では100万円以上の価格で買取られることが期待できます。

天正大判金

天正大判金(てんしょうおおばんきん)は1588年から鋳造された大判です。天正長大判・大仏大判・天正菱大判の3種に分かれており、とりわけ古銭コレクターの間で人気が高いのは天正菱大判です。天正菱大判は豊臣秀吉が贈答用に作らせたと言われていて、菱形にデザインされた刻印が目を引きます。天正菱大判は現在までに6枚しか発見されておらず、貴重な逸品として名高いです。

元禄大判

元禄大判(げんろくおおばん)は、裏面に製造された時期を示す「元」という刻印がされていることが特徴です。鋳造枚数が約30,000枚と大変少なく、現存している数はわずかであるとされている希少価値が高い大判です。金の含有率は慶長大判よりも低いですが、1,000万円から3,000万円ほどと非常に高い買取価格が期待できます。

万延大判

万延大判(まんえんおおばん)は日本で最後に発行された大判です。大判の表面のデザインには、たがねを一直線に打ちつけて図柄を施した「たがね目打」と、図柄が互い違いに刻まれた「のし目打」の2種類があります。

たがね目打のものは献上大判とも呼ばれ、古銭市場での価値は高くなります。また、たがね目打の方が現存数が少ないので、のし目打よりも高額での買取が期待できるでしょう。保存状態が良ければ、数十万円から80万円程度が買取相場です。

大判・小判の価値と歴史的意義

大判はその希少性、歴史的背景により高い価値を持ち、特に慶長大判や天保大判は収集家や研究者からの評価が高いです。また、流通用として生まれた小判よりも、製造枚数が少ない大判の方が希少性があるので価値が高いとされています。特に慶長笹書大判金は非常に人気があり、良好な状態のものは美術品としても高い価値があります。自宅に眠っている大判・小判が不要になった場合は、信頼できる大手の古銭買取業者へ買取を依頼しましょう。

慶長大判の買取をご希望の方は是非「なんぼや」にお任せください

慶長大判は1601年から鋳造された金貨で、特に慶長笹書大判金は最高で4,500万円もの買取価格がつけられるほど高い価値があり、古銭市場では美術品としても評価されています。中でも発行時の墨書がそのまま現在まで残っている「元書き」の慶長大判は最も価値が高いので、高額での買取が期待できます。お持ちの慶長大判の価値を知りたい方や、売却をご希望の方は是非「なんぼや」にお問合せください。古い小判の価値を熟知している専門スタッフが適正な価格を提示させていただきます。

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