和同開珎の基礎知識|種類別の買取相場も解説
和同開珎(わどうかいちん)は708年(和銅元年)に鋳造され日本初の流通貨幣として、その後の経済と文化に大きな影響を与えました。この記事では、和同開珎の歴史的背景、古和同開珎と新和同開珎の違い、各貨幣に応じた買取相場について詳しく解説します。
和同開珎とは?
和同開珎は、708年に日本で初めて鋳造・発行されたとされる銭貨で、日本最初の流通貨幣といわれています。この貨幣は、奈良時代の律令制度下で制作された12種類の銅銭「皇朝十二銭」の中で最も早く作られたものです。
和同開珎の発行背景には、現在の埼玉県にあたる「武蔵国秩父郡」から高純度の銅が献上されたことがあり、これを機に年号を「和銅」に改元しました。良質な銅鉱の発見が和同開珎の鋳造につながったとされています。
和同開珎が流通していた時代には、1枚が1文として使用され、この1文で約2kgの米を購入することができました。さらに、この金額は、当時の成人男性が1日労働した際の賃金と等価であるとされています。
日本経済新聞の報道によれば、和同開珎1枚は78センチの布や約2キロの米と価値が等しいとされ、「現代の最低賃金を基準に換算すると、和同開珎1枚の価値は約7000円から8000円程度に相当する」と推測されています。
また、和同開珎は唐の開元通宝を模して作られたため、直径約24mmの円形で中央には一辺が約7mmの正方形の穴が開いており、表面には時計回りに「和同開珎」と表記されています。このように、和同開珎は日本の貨幣史を語る上で欠かせません。その歴史的背景や価値、種類について知ることは、日本経済や文化を理解する上で重要です。
古和同開珎と新和同開珎の違い
和同開珎には、その形状や製造技法によって「古和同」と「新和同」の2種類が存在し、それぞれに特徴があります。
古和同開珎の特徴
古和同開珎は、その製造技術と書体の古風な魅力で知られています。これには、希少な銀銭とより稀少性の高い銅銭が含まれ、特に銅銭は銀銭に比べて発見される数が非常に少ないです。主に純銅を使用しており、その作りは比較的粗く、厚みがあります。また、古和同開珎が市場に流通しなかった説や、試作品または非公式に製造された私鋳銭である可能性も指摘されています。
新和同開の特徴
新和同開珎は銅銭のみから成り、古和同開珎に比べて薄手で、細かい刻印が施されています。このタイプの銭貨は出土例が豊富で、広範囲にわたって流通していたことが知られています。新和同開珎は、古和同開珎とは異なる成分を用い、書体にも差異があります。
具体的な違い
製造技術と材質 | 古和同はほぼ純銅で製造され、製造が粗雑で分厚い。新和同は銅銭のみで、より薄く精巧な刻印が特徴 |
流通の有無 | 古和同は流通せず、試作品や私鋳銭とされる説がある。新和同は広く流通し、出土数も多い |
種類 | 古和同には銀銭と銅銭があり、新和同は銅銭のみ |
歴史的背景 | 古和同と新和同は、和銅元年に発行が開始されたが、銀銭は翌年には使用が廃止されており、主に銅銭が流通した |
このように、古和同開珎と新和同開珎は、日本の貨幣史において異なる役割と特徴を持ちます。その違いは製造技術、流通の有無、材質、そして歴史的背景によって明確に区別されます。
古和同開珎の買取相場
古和同開珎は、その稀少性と歴史的価値から高価買取が期待できる古銭です。以下、古和同開珎における買取相場をまとめたのでご覧ください。
買取相場の概要
銭文の種類 | 買取価格 |
古和同「笹手」 | 500,000円~1,500,000円 |
古和同「縮字」 | 350,000円~1,000,000円 |
古和同「大字・小字」 | 350,000円~1,000,000円 |
古和同銀銭「隷開」 | 350,000円~1,000,000円 |
古和同銅銭「隷開」 | 100,000円~200,000円 |
買取相場の特徴
古和同開珎の買取相場は、その種類や状態によって大きく異なります。中でも銀銭は高価買取の対象となり得るでしょう。カタログ価格と実勢価格には差があり、業者による買取相場は実勢価格の8〜9割程度とされています。
贋作の見分け方
銀銭を筆頭に、贋作や江戸時代以降に製作された写し銭が数多く存在します。本物の古和同開珎は朝鮮銀を使用しており、金属顕微鏡や実体顕微鏡などの分析によって贋作を見分けられるといいます。
具体的にいうと、贋作や写し銭のほとんどは国産銀を使用しています。対して、現代で作成された贋作は、近代の電解精錬材を使って作られることがあります。
贋作を見分けるもう一つの方法は、重さを測ることです。本物の和同開珎は、摩耗を考慮しても一定の重さがあります。明らかに軽い場合、贋作である可能性が高まります。
また、古和同開珎は、書体の末端が細く、「同」の字の口部分がやや下方向に刻まれているのが特徴です。そして「禾」の字の第四画部分先端が盛り上がり、点に見えるのも特徴の一つとされます。
和同開珎をはじめとする皇朝銭は、鋳造から千数百年が経過しており、状態によって買取価格に大きな差があります。古銭の買取や換金を検討している場合は、専門家による鑑定が必要です。
新和同開珎の買取相場
新和同開珎は、日本で初めて流通した貨幣であり、その価値は古和同開珎に並んで高いとされています。材質が固く、書体も均一なものが特徴で、銅銭のみ存在するのが特徴です。新和同開珎の買取相場について、簡単にまとめたのでご覧ください。
買取相場の概要
銭文の種類 | 買取価格 |
新和同「中字」 | 25,000円~50,000円 |
新和同「短和」 | 30,000円~60,000円 |
新和同「長珎」 | 150,000円~250,000円 |
新和同「小珎」 | 30,000円~60,000円 |
新和同「長禾・長珎」 | 60,000円~100,000円 |
新和同「三ツ跳」 | 300,000円~600,000円 |
新和同「四ツ跳」 | 200,000円~400,000円 |
新和同開珎は、銭文によって種類が細分化されています。買取相場を正確に見分けるには、銭文の識別が必須です。
また、新和同開珎は、古和同開珎に比べると材質が硬く、状態もいいものが多く見られます。数百万円で取引された取引事例もあり、正確な買取価格を知るためには、専門家による鑑定が推奨されます。
和同開珎は「なんぼや」にお売りください
刻印に厚みがあったり、明らかに雑だったりする場合、希少価値の高い古和同開珎の可能性が高いです。文字に跳ねがあると新和同開珎で、査定額の高いレアな「笹手」や「三ツ跳」の可能性があります。これらは専門家が鑑定し、はじめてわかることです。
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