修理店とメーカー(正規)の修理の違いとは

時計が故障した場合、まず検討すべきことは修理です。

時計を修理するにあたって、メーカーあるいは修理店へ依頼することになりますが、それぞれにはどのような違いがあるのでしょうか。細かな点を見ていきますと、実は大きな違いがあるのです。

時計修理の際はどちらを利用するか、じっくり検討する必要があるでしょう。

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修理代金の違い

修理店とメーカーでは修理代金の算出基準が少し異なります。

メーカーは自社モデルのみ対応し、販売価格を基準に修理代金を算出しています。
販売価格が高いモデルほど修理代金も高くなります。

一方の修理店ですが、一部のメーカーを除き、モデルの価格は修理代金の基準となりません。
修理内容や修理する部分が重要であり、その難易度を基に代金を計算しています。
多数のメーカーの時計を取り扱う関係上、一部の有名なメーカーを除き、種類や機能のような大まかな区分で料金が設定されているのが一般的です。
細かな修理代金は修理店ごとに異なりますものの、メーカーと比較すると低めに設定されています。

修理完了までの納期はどうか

受付から修理が終わるまでの期間(納期)も違います。

メーカーは2週間~1か月程度が一般的ですが、海外メーカーでは最短で2週間、最長では半年ほど掛かる可能性もあるため注意しましょう。
海外メーカーの場合、本国の工場でなければ修理不可能なケースもあることが理由です。

一方の修理店ですが、最短で1日、最長で1か月程度掛かります。
店舗持ち込みですぐ対応な場合は1日で修理が完了します。
逆に店舗での対応が難しい修理であれば、国内メーカーとほぼ同じ期間が必要です。

技術力による違い

一概に言えませんが、メーカーの中には時計の内部そのものをすべて交換するメーカーも存在します。
部品を持っていることから、内部を丸ごと交換できるのです。
また、修理と交換を同時に行えるため、この点を加味すると修理店より技術力が高いとも考えられます。仮に交換となる場合、内部は新品に相当すると言えるでしょう。

修理店は技術力の高いお店がある一方、低いお店も存在します。
後述する規格、新品相当のレベルで帰ってくる点を加味した場合、技術力は相対的にメーカーの方が高いと考えられます。

しかしメーカーを凌駕する修理店も存在するため、必ずしもメーカーが優れているとは言えません。

品質や信頼性・安心感に差はあるか

メーカーで行われる修理は、不具合の修理よりも品質の保持が主眼となる傾向にあり、品質や信頼性に関しては優れていると言えます。
しかし、使用可能な部品もメーカー判断で交換される場合があります。

修理店の品質、信頼性、安心感の3点についてはお店によります。
技術力と同じように修理店次第と言えるでしょう。

修理店は不具合の解消が主眼となります。
故障前と同じように使えることを目的として、お客様の意向に沿った修理を行う傾向があります。

一概に言えませんが、修理店にはメーカーの修理と異なる品質・信頼性があると言えます。

部品の有無による違いも見られる

時計の修理内容によっては、部品交換が必要です。
メーカーは一定の間、製造が終了した時計に対しても部品を所持する義務があります。
ただし、期間が過ぎてしまうと修理不可となる可能性もないとは言えません。

修理店の部品の所持は、お店によって異なります。
しかし、すでにメーカーが保有していない部品を所持している修理店も中にはあるため、メーカーで修理不可となった場合でも対応してもらえる可能性はあります。

保証期間の違い

時計修理後の保証期間に関しては、メーカー・修理店共にほぼ同じです。

一般的な国内メーカーは1年ですが、修理店も同様に1年の保証期間を設けていることが多くなっています。
海外メーカーの場合は1~2年と、メーカーによって保証期間がやや異なります。

修理依頼時は保証内容も確認しておきましょう。

正規品の証明になるか

時計はコピー品も出回っていますが、メーカーはコピー品の修理を受け付けていません。
修理対応および、発行された修理明細が正規品であることの証明とも言えます。

修理店でも、コピー品と想定される時計に関して修理を行うことは禁じられています。
しかし、修理店には明確な判断基準がなく、修理対応という事実のみで正規品であることを証明することはできません
同様に、修理を断られたからといって、コピー品である証明にもなりません。

修理対応の柔軟性

もし修理内容に希望があれば、対応してもらえるのでしょうか。

メーカーの場合、修理対応の柔軟性は低いと言えます。
どのメーカーでも一定の基準があり、それを外れてしまう修理内容については対応できないためです。

修理店は、メーカーで断られた修理でも対応してもらえる場合があります。
まずメーカーの基準に縛られる必要がありません。メーカーは独自基準があり、それを満たす必要があります。しかしメーカー基準を無視できるため、柔軟な修理に対応できます。

また、修理店によってはすでに供給が止まっている部品を所持していることもあります。メーカーでは困難な場合でも、修理店次第では同じ部品に交換してもらえます。
このため、メーカーよりも柔軟性が高いと言えるでしょう。

比較検討を

修理店とメーカーでは以上のような違いがあります。
修理店にするかメーカーにするかは、何を優先すべきかによって選び方が変わります。
それぞれには修理代金や品質、技術力など、大きな違いが見られる要素もあります。
よく比較した上で時計修理の依頼先を決めましょう。

時計修理をお考えの方は、お気軽にご相談ください